上級者におすすめ!攻撃力が高い最強テニスラケット
2021年2月18日上級者になればなるほど、簡単なミスをしないのは当たり前な上、ショットの攻撃力が少ないと、打ち込まれてしまいます。
では攻撃力があるラケットは何か?ATP選手を見てみると、市販品と同じモデルが使われているのは一部のみです。
最強ラケットとは
最強ラケットとはどのラケットを思い浮かべますか?
日本だと「ピュアドライブ」と答える方が多いと思いますが、攻撃力のある最強のラケットではないと思っています。もちろんピュアドライブにも良い点はあります。ただ、悪い点もあります。
個人的に思う最強ラケットは、攻撃力が高く安定感のあるラケットだと思っています。
攻撃力
攻撃力とは、大きく2種類に分かれます。
高スピン
まず一つ目は、高スピンで高く跳ねて取りにくいボールです。一番分かりやすく言えば、「ナダル」のプレースタイルです。とにかく高スピンのエッグボールを打ち高く跳ねさせ、ミスや甘いショットを叩いてポイントを取りに行くスタイルです。
ただ、スピンのかかりやすいセッティングはフラットドライブの安定性(コントロール性)が低いです。
低スピン
二つ目は、滑ってくるように伸びるボールです。ウルトラツアー95のボールを受けた方は分かると思いますが、フラットドライブの減速量が少ない(バウンド時)ため、打点付近のボールスピードが速いです。
ここで詳しく解説していますが、スピン量が多いほどフラットドライブの安定感はなくなりますし、ボールの伸びがなくなります。ただそれだと、「スピンがない方が良い」と思われてしまいますが、ネットとのクリアランスをとるためのある程度のスピン量は必要です。
※備考:ボールスピード
「高反発のラケット=ボールスピードの出るラケット」ではありません。基本的に反発系のラケットは、コントロール性が低く余力を多く残して打つ必要があります。逆にストリングが18×20本などのラケットは、残しておく余力が少なくてもコントロール出来るため、「ラケットの反発=ボールスピード」ではないです。その証拠に、テニスの世界選手権(GSなど)で、低反発ラケットでも優勝しています(ジョコビッチなんか95inch)。(例:10の力を出せるとして、反発系は7:3(パワー:コントロールへの意識)・コントロール系は8:2など)
したがって、ボールスピードが出るラケットというのは、反発力+コントロール性+安定性+振り抜きなど多くの要素が高次元で両立されているラケットになります。ただサーブは比較的コントロールの影響を受けないため、反発系のラケットの方がメリットになりやすいです。(精密さはコントロールモデル)
最強ラケット
高スピン「ピュアアエロ」
スピン系の攻撃力が欲しい方は、「ピュアアエロ」一択です。
その理由はスロートが三角形であることのメリットが一番大きいです。
ここに詳細は詳しく書きましたが、ノーマルのラケットにスピンがかかるようなセッティングにしてしまうとフラットドライブの安定性が落ちてしまいます。しかしピュアアエロはスロートが三角形なことによって、縦振りのスイングスピードが上がるため、フラットドライブが安定するセッティングでも、スピンを多くかけられるのです。
また、縦振りをするとどうしても水平方向のボールスピードが遅くなってしまいますが、100インチありシャフトがしっかりしているため、反発も補え、スイートエリアが広いため、思いっきりスピンをかけることができます。
ただ、元々ストリングの目が粗いため、RPMブラストの1.35㎜やルキシロンオリジナル【インプレを見る】などスピンのかかる硬め(伸び量の少ない)のストリングなどにする必要があります。また、スロートの形状+26㎜のフレーム厚・100インチのため、フラットドライブを打ちたい時抵抗が多いため、片手バックの方にはおすすめしません。
安定感「ブレード18×20」
フラットドライブ系で一番扱いやすいのがブレード18×20。
305g・320㎜とツアースペックとしては比較的軽めですが、ストリングの動きが小さく、ホールド時間も長いため安定性が高いです(トップクラス)。また、ボールスピードも飛ばない黄金スペックより全然出ます。ただその分、フレームが捻じれないようにラケットヘッドのフレームの正面厚が厚いため、プロスタッフなどよりは少しラケットヘッドは出ずらいかなと思います。
ATPの中で一番使用率の高い(過去モデルも含め)ラケットで、WTAでも使われ始めています。
多彩な攻撃「ピュアストライク18×20」
ピュアストライクは、意図的なら多彩な攻撃力が出せます。
正直もう少しボールが乗ってほしいなと思うことが多くあるラケットなのですが、縦のストリングの横幅が中心付近が細かく、端が粗くなっています。したがって、フラットドライブを打ちたい時は中心に当てて、スピン量が欲しいときは少し下側(サーブの場合は左側)で打つことによって、より多くのスピンをかけることができます。ただ逆も同様で、意図しないで端に当てるとボールが上に飛んで行きます。反発力はブレードより高いです。スイートエリアも広めです。
癖はあるので、ティエム以外多くは使っていませんが、バズーカを打てます。
コントロール「グラビティプロ」
絶対的なコントロールは、グラビティプロです。
少し重く(315g)て100インチのため少し取り回しにくさはありますが、スピンもしっかりかかってくれるため、コントロール性が高いです。また、ラケットが少し横長のため、スイートエリアも横に広いですし、縦振りをしてフレームの内側に当たることも少なくなります。
ズベレフが使っていましたが、ルブレフも仲間入りをしました。
ボールの伸び「ウルトラツアー95」
ウルトラツアー95は、ボールの伸び量がトップクラスです。ピュアドライブで上手く打てた時よりも絶対に速いです。パワーポテンシャルはどのラケットよりもあると思います。
ただ、309g・325㎜・95インチで、ラケットが勝手に走るし重い上、フェイスの横幅が狭く縦振りしてしまうとフレームショットになりやすいです。スイートエリアは広いかもしれませんが、ボールが相手コートに飛んで行ってくれるエリア(横の)は少ないです。
錦織選手が使っています。
ボールの伸び「プロスタッフRF97」
プロスタッフも同じボールの伸びですが、しっかり中心で打てた時のみです。ウルトラツアー95までは行かないですが、18×20のラケットよりもあります。ただ、プロスタッフはボックス形状に近いため、センターを外すと一気に飛ばなくなります。ただ、持ちすぎず弾き過ぎずの打感や会心の一撃の快感も人気です。
軽いモデルは、フレックスが2も小さくなる上、重量もそこまでないため、コントロールや伸びというより、振り抜きやすさがメリットになります。
プロスタッフは、ブレードより難しいとされますが、やはりフェデラーでしょう!
バランス型「TF40 305 RS」
コントロール・反発・振り抜きやすさ・安定性などを高次元で両立させたラケットで、打感も持ちすぎず・持たな過ぎず・癖もないと、非常に人気です。
305g・325㎜ですが、なぜかスイングウェイトが16×19のラケットと同じで、振り抜き評価も高いです。また、ストローク・サーブ項目でトップクラスの評価です。知名度はそこまで高くないですが、ブレード18×20と共にベストラケットに選ばれることが多いです。重量とスイングウェイトが軽いのに、安定する高性能ラケットです。
まとめ
ピュアアエロ以外は、フラットドライブの威力や安定性が高いラケットを紹介させていただきました。
パワーポテンシャルが高いラケットなので、マン振りしたい方や少し重めのラケットを振れない方は、おすすめのラケットではありません。
18×20のラケットは難しく感じますが、コントロール性が高い影響で余力が少なくても良いため、飛ばない黄金スペックのラケットよりボールスピードは出ると思います。また、ボールの伸びも出しやすいため、ボールの初速は少し遅くなっても、バウンド後のスピードは速かったりします。
ボールの伸び最強はウルトラツアー95でしたか。プレステージもボールの伸びがすごいとよく言われていますが、ウルトラツアー95はプレステージ以上の伸びを出すことができるのでしょうか?
ウルトラツアー95の方がラケットの横幅が短く、フラットで打った時横糸が、スピンがかかりすぎる前にボールを弾いてくれるので、滑ってくるようなボールの伸びが出し易いです。スピンがかかりすぎると滑ってくるような伸びは出ないので。
プレステージに関しても、ストリング間隔が小さければしっかりフラットで打つことができるので、滑ってくるような伸びは出せます。
もちろんストリング次第というのもあります。
一般的には、ウルトラツアー95の方が簡単に伸びが出せます。ただデメリットもあって、ラケットの横幅が短いことでフレームショットになりやすかったり、重いので振り遅れやすかったりもします。