A・マレーが実際に使うラケットとガット&セッティング(ストリング,テンション)
2022年3月16日グランドスラム優勝3回。ツアーシングル46勝や、キャリア世界ランキング1位(シングル)などを成し遂げ、big4と呼ばれるマレー。グランドスラム3勝と聞くと、フェデラーやナダルジョコビッチなどの20勝などと比べると、少ないですが、ツアー700勝(マッチ)を超えていたり、マスターズ1000も歴代4位の勝数(マッチ)と、big3を除くと圧倒的な強さです。
そのアンディ・マレー(Sir Andrew Barron Murray)が実際に使っているラケット&ガット(ストリング)や、セッティングはどのようなものか、詳しく解説していきます。
マレーのデータ
身長 | 体重 | 生年月日 | 年齢 | 国籍 |
---|---|---|---|---|
192㎝ | 82kg | 1987/5/15 | 34(2022/3) | イギリス |
バックハンド | フォアハンド | フォアグリップ | バックグリップ | ボレー |
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両手 | 片手 | セミウエスタン | コンチ&イースタン | 片手 |
S-GS優勝数 | W-GS優勝数 | S-Tour優勝数 | W-Tour優勝数 | S最高Rank | W最高Rank |
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豪0・仏0・英2・米1 | R2 | 46 | 3 | 1位 | 51位 |
※2022/3現在(SとWは、シングルスとダブルスです)
マレーのプレースタイルは、カウンターパンチャーです。リターンのえげつなさや、ロブの精度、予測力などに長けた選手です。
メドベージェフのように、スピンが少なめの選手ではありますが、その分滑ってくるような伸びと、エッグボールの使い分けをはっきり行っている選手です。ただ、フォアハンドは若干球が浅いという意見も多いです(ラケット的にしょうがないですが)。
マレーのラケット
市販品ラケット
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
---|---|---|---|---|---|---|
98 | 300 | 320 | 326 | 16×19 | 20-23-21mm | 65 |
市販品はラジカルMPです。
実際に使っているラケット(ストリング込)
実際に使っているラケットは、プロストック(プロ用)の「PT57A」というものになります。
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
---|---|---|---|---|---|---|
98 | 353g | 332㎜ | 379 | 16×19 | ? | 58 |
出典:https://www.perfect-tennis.com/andy-murrays-racquet/
マレーのラケットの一番の特徴は、RA(フレックス)の低さですね。58というとストリング本数が18×20本のラケットの中でもしなるラケットです。つまり、ストリングが16×19本なので、かなりスピンがかかるラケットだと思います。
PT57Aはもともと18×20本のラケットで、マレー用に16×19本のラケットが作られたという話もある位です。
また、スイングウェイトも340~360程度が多い中、379は現代の選手の中ではトップクラスのスイングウェイトです。
正直動画とかを見ると他の選手よりスイングスピードが遅かったりするのは、これが原因のようです。ボールスピードはスイングウェイトが重い分、しっかり出せます。
バランスも332㎜なので、ラケットだけの場合322㎜前後になると予想されます。
※2021年末あたりから、新しいラケットを試しているみたいなので、今後変更があるかもしれません。
マレーの使うストリングとテンション
マレーは、縦にアルパワー(1.25㎜):横にバボラのVSタッチ(ナチュラル)(1.25㎜)を、58~62lb(縦横同じ)で張っています。
基本的には縦に”少し摩擦のある”ナチュラルガットを張ることで、スナップバックを意図したところで止めやすくなるため、フラットドライブのコントロール性が上がります(ズベレフ・ルブレフが横にナチュラル縦にホークタッチ、フェデラーやジョコビッチも縦にナチュラル横にアルパワー”ラフ”)。
ただ、アルパワー自体フラットで打った時は球離れが早く面ブレを起こしにくいので、ラケットの相性的に、逆にスナップバックが大きくなってしまう感じもします。
縦にアルパワーを張ると、ドフラットで打った時スナップバック量が小さいので、面ブレが起きにくいです。引っかけてしまうと、スナップバック量が結構大きくなります。
ただ、しっかりと意図してフラットを打てた場合の精度とコントロールは、高くなります。また、スピン量が多い(ラケットもアルパワーも)ため、思いっきり回転をかけた時の回転量はかなり多いです。これがサーブやエッグボールの攻撃力を高めています。
他の選手
ナダル(スピン王者)
ジョコビッチ(絶対的安定感)
フェデラー(絶対的コントロール)
※随時更新します