ピュアドライブとEZONE どちらを買うべきかを比較
2020年8月28日高反発の2大巨塔ラケットのピュアドライブ2021(2018も)とEZONE。高反発なのは分かるのですが、他の性能について分からない方も多いと思います。そこで、このページでは、反発力はもちろんコントロール性等の他の部分についても解説し、どちらを買えば良いか考察していきます。
※点数は、tennis warehouseインプレ値です。(70台は少し気になるレベル・87以上はトップクラス・90以上はベスト位なイメージ(個人的に)です)
スペック
モデル | ピュアドライブ100 | EZONE100 | ピュアドライブVS | EZONE98 |
---|---|---|---|---|
フェイス面積 | 100in | 100in | 98in | 98in |
フレーム厚 | 23-26-23㎜ | 23.5-26-22mm | 21-23-21㎜ | 23-24-19㎜ |
重量 | 300g | 300g | 300g | 305g |
バランス | 320㎜ | 320mm | 320mm | 315 |
重量×バランス | 96000 | 96000 | 96000 | 96075 |
ストリングパターン | 16×19 | 16×19 | 16×19 | 16×19 |
フレックス(しなり) | 72 | 69? | 70 | 64? |
画像のピュアドライブは2018年モデルですが、公表されているスペックは2021年モデルと同様です。スペックだけ見てみるとフレーム厚とフレックスしかほぼ変わりありません。基本的にフレーム厚が薄くなればなるほどフレックス値が柔らかく(小さく)なり、ラケットがねじれやすくなるため、エネルギー損失が起き飛ばなくなります。
調整できない違い
フレームの柔らかさ
EZONE(RA69)の方がフレームのしなりを感じられます。逆にピュアドライブ(RA71(計測値))は、フレームのしなりが少なく硬く感じるかもしれません。ただ、実際の衝撃吸収性は悪くないので、平均的な柔らかさになります。
実際の打感的には、ピュアドライブ(82点)は、グロメットやフレームのフープのダンピングなどの工夫で、硬すぎず・柔らかすぎずになっています。EZONE(82点)と比べると同じくらいです。ただ、98インチの方は、ピュアドライブVS(77点)が、フレームのしなり量やフープ部のダンピング量が少ない影響で、少し硬めです。EZONE98(84点)は、柔らかめです。
弾き感
ピュアドライブはフレームのしなりが少ない上ストリング間隔が粗いためため、弾き感が強いです。ホールド時間が少し少ないです。
EZONEは、球離れの速さなどがなく、汎用性があります。
スイートエリア
ヨネックスしかできないストリングホールの技術により、スイートエリアが広いです。ピュアドライブもフレームのねじれの少なさから、広いです。ピュアドライブもフレームの意図しないよじれの少なさから広めとなっています。
調整できる違い
反発
反発においては圧倒的にピュアドライブ(92点)です。EZONE(87点)も高めですが、2021年モデルのピュアドライブはその上をいきます(18年モデルはEZONEと同じ位だった)。確かに、ピュアドライブ2021年モデルの反発は、ずば抜けていました。また、黄金スペックと呼ばれる100インチで長さ27インチ中はもちろん、他の110インチなどのラケットより飛びます(面が大きいラケットはスイングウェイトが軽いため飛ばなくなる)。全ラケットの中でトップの飛びがあるのではないでしょうか。
98インチモデルも反発は圧倒的にピュアドライブVS(86点)です。飛ぶ100インチモデルまでは行きませんが近い反発です。逆にEZONE98(81点)は、ほぼ薄ラケです。TF40 305(18×20本)と同じ位。
スピン量
EZONE(86点)よりピュアドライブ(83点)の方がスピン量が少なめです。ピュアドライブの2018年モデルはかなりスピン量が多かった(87点)のですが、2021年モデルは、スピン量が減りました。これは、打った時のフープ部のねじれの戻りを速くしてそうしたみたいです。
ピュアドラの2021年モデルはスピンによる攻撃力は低くなるため、フラットドライブの「滑ってくるようなボールの伸び」の方の攻撃力が高いです。また、スピンの最大量が少ないラケットは、フラットで打った時とスピンをかけて打った時の差が小さいので、ミスショット時のコントロールの乱れが小さくなる(安定感が出る)傾向があります。スピンやスライスサーブの変化量も多くはありません。逆にストリングの動き量が少ないため低軌道の滑ってくるようなスライスが意外と打ちやすいです。
したがって、スピンが欲しければEZONEで、ボールの伸び(スライス含む)や安定感が欲しければピュアドライブ(2021)です。
ピュアドライブ2021は、「スピンがかからなくて辛い(ガットで調整できる)」という人と、「めっちゃ飛んで良い」という人がいます。
ピュアドライブVS(89点)のスピン量は、ラケットの振り抜きやすさもあり、4機種中最も多いです。逆にEZONE98(77点)は、
コントロール性
コントロール性は、同じくらい(80点)と言われています。また、安定性で言えば、ピュアドライブ(85点(EZONEは83点))の方が、引っかかりすぎないためショットのムラが出にくく高めになります。逆にEZONEはスピン量が多いのでネットとのクリアランスを多く取れるため、振りたい人にとっては良いでしょう。
スピン量の欄に、「打った時のフープ部のねじれの戻りを速くして・・・」とあり、「ホールド時間が短くなってコントロール性が低くなってしまうのでは?」と思ってしまいますが、(たぶんですが)HTCシステムと呼ばれる、打った時フレームがフェイスの中心が後ろ側に回転した後戻る(意図的に制御された)動きを加えることで、当たった瞬間の打感がはっきりしやすく、ホールド時間が長く感じられるのだと思います。その結果コントロールがしやすくなったと言われます。
98インチの方のコントロールは、ピュアドライブVS(83点)は、低くもなく高くもなくです。EZONE(79点)は、少し低めみたいです。ピュアドライブVSは、半端なく取り回しが良いので、少し錘を貼っても取り回しにくくなりません。おもりを貼ることで、コントロール性・安定性が上がる上、反発力も上がり安定性も出ると思います。
選び方
基本的には、ある程度は調整はできます。好みで選んでもらってもいいかもしれません。以下は、同じストリングを同じテンションで張った場合です。
ストローク
反発力があるため、安定性(ムラの少なさ)はピュアドライブ(2021)(85点)です。逆にタッチショットなど繊細なコントロールはEZONEです。また、しっかり振りたい方にとっては、EZONEの方がスピンがかかるので良いでしょう。2018のピュアドライブはどちらかというとコントロールが低めなので、ハイパーGなどを張りしっかりスピンをかける必要があります。
ピュアドライブVS(87点)は、振り抜きが良い(89点)ため、振り遅れがかなり少ないです。またほどほどにコントロール性もあります。一方少し打感が硬めなので(衝撃吸収が良くない)、アイスコードなどの衝撃吸収性の良いポリか衝撃吸収性の悪くないナイロンを張ることをお勧めします。EZONE98(83点)(振り抜きは83点)は、少しコントロールしずらいようです。ただ原因があり、スイングウェイトが317(ストリング込)(VS・EZONE98共に)と軽いのが影響してると思います。
ボレー
EZONE(83点)は、いろいろなラケットと比べ、スイートエリアが広いため基本的には「やりやすい」と言われます。ピュアドライ(83点)と比べると、EZONEの方が少しタッチショットがしやすいです。
これはピュアドライブだとストリングのシャープさが強くタッチショットが少し難しいこと・反発力が高く軽く当てただけで飛んで行ってしまうことが原因だと思います。ただ逆に、当てるだけでボールが返るため、壁にはなりやすいです。また、高反発なのでよりコントロールに意識を向けることができるため、角度をつけたボレー等はピュアドライブ2021の方がやりやすかったです。
スイングウェイトが軽くオフセンターショットでぶれ易さがありますが、ピュアドライブVS(84点)は取り回しがいいため、比較的高評価です。EZONE(79点)は、ピュアドライブVSほど取り回しが良くないので、少し評価は低いです。
サーブ
サーブに関しては、ピュアドライブ(87点)の方が圧倒的なパワーで攻めていけます。また、丁寧に打ってもボールスピードは速いため入れるという意味のコントロールはしやすいです。スピンやスライスサーブは、EZONE(84点)の方が変化します。
98インチの方は、ピュアドライブVS(90点)が、スピンのかけやすさや反発性があるためトップクラスのポテンシャルです。逆にEZONE98(80点)は、反発やスピンが控えめのため、少し低めの評価です。
まとめ
ピュアドライブとEZONEの一番の違いは、「圧倒的な反発力&安定性」か「スピン&タッチショット」かです。
繊細なタッチコントロールをしたければ、EZONEのほうがいいと思います。逆に、ストロークの安定感を出すにはピュアドライブの圧倒的な反発力が良いです。
買って失敗しにくいのは、EZONEです。
片手バックの方は、あまり高反発ラケットはお勧めしていませんが、この中から選ぶとしたら、ピュアドライブVSですかね。
ピュアドライブ2021 |
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
---|---|---|---|---|---|---|
100 | 300 | 320 | 320 | 16×19 | 23-26-23mm | 72 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
---|---|---|---|---|
87 | 85 | 83 | 87 | 85 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
92 | 80 | 85 | 85 | 82 | 79 | 83 | 86 |
前作(2018)と比べ大幅にパワーアップ(飛ぶ黄金スペックの平均が87か88位)し100インチの中で圧倒的なパワーアシスト。コントロールも向上。ただ、スピン量に関しては16×19の中でも結構控えめ。フレーム硬度の割には打感が柔らかい。ただ、球離れは少し速い。勝てるか勝てないかは別にして圧倒的に楽でした。 |
EZONE100 |
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
---|---|---|---|---|---|---|
100 | 300 | 320 | 322 | 16×19 | 23.5-26-22mm | 69 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
---|---|---|---|---|
84 | 85 | 83 | 84 | 83 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
87 | 80 | 84 | 83 | 82 | 83 | 86 | 82 |
ピュアドライブ(2021)と比べ反発性は落ちるが球離れの速さは少ない。スピン量もしっかりある。良くも悪くも飛び出た特徴がなく、非常に汎用性の高い高反発ラケット。 |