フェデラーの使うプロスタッフRF97の魅力と買うべきか性能スコアで考察 インプレ・レビュー
2022年2月9日フェデラーの使っているとされるプロスタッフRF97(v13)。このページではプロスタッフの特徴と性能・魅力の解説と、買うべきか考察していきます。
プロスタッフRF97(V13)のスペック
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
---|---|---|---|---|---|---|
97 | 340 | 305 | 335 | 16×19 | 21.5-21.5-21.5mm | 68 |
※スイングウェイトとフレックス(小さいほどフレームがしなる)は、tennis warehouseさんの実測値です。
まず、フェイス面積ですが、97平方インチと一般的な100平方インチや98平方インチラケットと比べると、少し小さくなります。1インチ=2.54㎝なので、3インチ違うと約19平方㎝違います。3インチと聞くとあまり大きく感じませんが、19平方㎝と聞くと結構大きく感じると思います。それから、ウルトラツアーなどまでは行きませんが、若干縦長のラケットです。
重量とバランスについては、グリップ部の重量が結構重い仕様です。また、操作性を表す一つの目安である、重量×バランス=103700で、96000(300g320㎜)や97600(305g320㎜)が多い中、特別に重いラケットを除けば、かなり重い方です。
スイングウェイト[スイングウェイトとは]に関しては、335なので、ブレード18×20(V7)やピュアストライク18×20などと同じです。静止重量の割には重くないです。
フレックスは、同じストリング配置の315gのモデルが66なので、少ししならないです。68というとピュアドライブVS(RA68)やEZONE100(2022)(RA67)位です。
プロスタッフの魅力
スナップバック量の小ささ
プロスタッフの一番の魅力は、「スナップバック”量”の小ささ」です。
プロスタッフにストリングを普通に張るとスナップバック量が少なく、スピンがかかりません。こう聞くと、非常にネガティブにとらえられることが多いですが、逆にメリットがあるのです。
スナップバック”量”が小さいことにより、スピンをしっかりかけて打った時も面ブレが起きにくいです。逆にピュアドライブ2018など、ストリング間隔が粗く、ホールド時間の長いラケットは、スナップバックによる面ブレが大きいです。もちろん面ブレが大きいほどコントロールが乱れるわけで、強打のしにくさだったり、安定感の欠如(ミスの増加)といったデメリットが生じます。
つまり、フェデラーは、面ブレを軽減するために、フレームのしなりを少なくすることで、ホールド時間の減少による、スナップバック”量”の減少を求めたわけです。
もちろんスピンがかからなすぎのラケットはまずいですし、張るストリングでも、ラケット性能は大きく変化します。(セッティング欄に記載)
縦長のフェイス
プロスタッフや、錦織選手の使っている「ウルトラツアー95」や「バーン(過去モデル)」のように、縦長のフレームのラケットの方が、滑ってくるようなボールの伸びが出し易いです。ウルトラツアー95は極端な縦長ラケットですが、みんな「ボールが伸びる」と言います。
理由としては、スナップバックが大きくなりすぎる(面ブレが起きる)前に、横のストリングがボールを弾き出してくれるからです。フラットの打ちやすさ(しっかり振れる)や、スピン量の多くなさから、バウンド時の減速量が少なく滑ってくるようなボールの伸びが出やすいです。
一般のラケットでも、横に「アルパワー」「アルパワーラフ」「オリジナル」などを張ると、球速も伸びも出し易いです。縦は、最大の伸び量が少ないものが良いです。
ただ、縦長のラケットはデメリットもあります。
縦長のラケットは「面ブレを抑制する荷重」が少なく、オフセンターショット時やスナップバック量が大きい場合、面ブレが大きくなりやすいです。そこでプロスタッフRF97は、スナップバック量を少なくすることと、「PWS(フレームの3時&9時の位置の膨らみ)」でデメリットを補っています。
また、ウルトラツアーのように極端に縦長のラケットは、縦振りした時オフセンターショットだったり、フレームショットをしやすかったりします。
ボックス形状
一般的に「ボックス形状は飛ばない」「打感の良さだけがメリット」などと言われてますが、ボックス形状のラケットの一番のメリットは「打感の柔らかさ(衝撃吸収性の良さ)」です。
薄ラケのラウンド形状のラケットを作ろうとすると、強度上の問題(※1)でカーボンの強度を上げないといけません。そうすると、カーボンのダンピングによる衝撃吸収や反発力の増加効果が得られなく「衝撃吸収性が悪い飛ばないラケット」になってしまうのです。初代ピュアストライクが「早すぎたラウンド形状の薄ラケ」と言われていたくらいです。また、現行のピュアドライブVSも結構衝撃吸収性が良くないです。
(※1)フレーム断面が短い影響で、カーボンへの単位面積当たりの衝撃が大きい
また、ラウンド形状のラケットはカーボンのダンピングを起して衝撃吸収をしていますが、同時にストリングの動きも大きくなるため、スナップバックによる面ブレが生じやすくなります。
したがって、プロスタッフRF97のように、できるだけスナップバック量を減らし、打感を柔らかく保つためには、ボックス形状のラケットが一番ベスト(理にかなっている)なのです。打感の気持ち良さのメリットもありますけどね。
プロスタッフのショット性能
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
---|---|---|---|---|
88 | 85 | 88 | 88 | 83 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
86 | 88 | 78 | 92 | 80 | 89 | 78 | 90 |
※tennis warehouseさんの性能スコアです。基本的には80~85点がメインで、85点を超えると高い性能、90点を超えるとトップクラスの性能、80点未満だと少し気になる性能です。
反発性は、スイングウェイトが重いせいか、結構強めです。飛ぶ方の黄金スペックが87~88点なので、それに近いです。
コントロール性は、ストリングの動きの速さが18×20よりは速いことや、スピン量の少なさから、安定性の割に少し落ちています。ただ、ストリングが16×19本のラケットの中では、トップクラスに高いです。
安定性は、スナップバックによる面ブレが起きにくく、安定したコントロールができます(着弾範囲が小さい)。
ボールスピードは、反発性とコントロール性&安定性がともに高いことで、かなり出し易いです。高反発ラケットのように、「反発の割にはボールスピードが出せない」とはならないです(高反発ラケットは余力を多く残して打つ必要がある)。
操作性は、重いので少しデメリットになります。ただ、安定感の高さから、「迷わず振れる」ため、点数の割には使いやすい方だと思います。
打感の柔らかさ(衝撃吸収性)は、ボックス形状でもラケットのしなりを抑えているため、少し低めです。はずすと「ちょっと固いかな」という感じです。
フィーリングは、ボックス形状ならではのクリアな打感(ボールがストリングに乗っかっている感覚)と、ストリングの弾き感の良さがあいまって、高得点です。
トップスピンは先ほど解説したように少ないです。
スライスは、面ブレがしにくいラケットのため、超低軌道の滑ってくるような伸びのあるスライスがトップクラスに安定して打てます。
他
セッティング
フェデラーは、縦にウィルソンナチュラル16(1.30㎜)・横にアルパワーラフ17(1.25㎜)を張っています。テンションは「27kgs(59.5lbs)ー25.5kgs(56.2lbs)」で「26kgs-24.5kgs」の時などもあります。
まず、アルパワー(ラフ)を横に張ると、フラットで打った時ホールドしすぎず弾いてくれるため、強打した時の面ブレ量が少なく、球速が出し易いです。また、摩擦の多いアルパワーラフを張ると、スナップバック量がより小さくなるためよりフラットが打ちやすくなります(ジョコビッチもラフ)。さらに、縦長のラケットなので、アルパワーとの相乗効果でかなり打ちやすいです。
次に縦にナチュラルガット(表面に摩擦がある)を張ることで、ボールとストリング間の摩擦が増えるため、通常のポリを張るよりスピンがかかります。ナチュラルガットのスナップバック力の強さもあるため、しっかりスピンをかけた時は、かなりスピン量を多くすることができます。また、衝撃吸収性も良くなるため、けが防止にも役立ちます。
つまり、プロスタッフに、ナチュラル&アルパワーを高テンションで張ることで、面ブレを最小限に抑えつつ、しっかりスピン量を確保できるラケットになっているわけです。
これにより、絶対的なコントロールや、低軌道のスライスなど、フェデラーの技術を支えているのです。
ローテンションで張った場合、丁寧に打てばある程度はカバーできるのですが、絶対的な精度まではいかないです。特に片手バックハンドは、ボールを打つタイミングが両手バックの選手より短く(打点が前)、狭いため(手首でごまかせない)、面ブレがないラケットの方が安定します。
まとめ
プロスタッフは、ボールの伸びや安定したコントロール・絶対的なショット精度を実現できる、高パフォーマンスのラケットです。
重量的には結構厳しいかもしれませんが、振れれば、かなりパフォーマンスが高いです。
一応、合ってるか合ってないかは別にして、(筋トレをしている)50代男性で使っている方もいます。
学生はかなり良いと思います。
バコラーにとってこの安定感は、非常にメリットになります。
スピンの少なさは「アルパワー」「アルパワーラフ」「4Gラフ」「オリジナル」「ハイパーG」「RPMブラスト」など、スピン量の多いストリングを選ぶことで、ラケットの良さを殺さず、補うことができます。また、一般的なポリでも、縦のテンションを少し上げる(横を少し下げる)とスナップバック力が強くなるため、スピンがかかりやすくなります。
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※あくまで考察であって、実際にフェデラー選手に聞いたわけではありません。