テニス肘を改善・予防するストロークの打ち方

テニス肘を改善・予防するストロークの打ち方

2020年9月1日 0 投稿者: gura

 テニスでストロークを打つとき、足が合わなかったり、ボールが変化したりして、打点が合わない状態で強打しようとすると、肘を痛めます。

 肘の上側(手のひらを下に向けた状態で)が痛くなるテニス肘、と下側が痛くなるゴルフ肘があり、「ゴルフ」と名付けられていても、テニスでなることがあります。

 このページでは、テニス肘を改善&予防するストロークの打ち方について、解説いたします。





 足を合わせる

 一番の問題は、足で打点の位置をしっかり合わせられないことです。打点の後ろにしっかりは入れれば、相手のボール次第というのもありますが、ある程度はしっかりした打点で打てます。ではどうやって改善していけばいいのでしょうか?

 テイクバックするタイミング

 まずは、テイクバックを遅くします。「え?」と思うかもしれませんが、理由があります。

 全力で走るとき、両手を広げて走りませんよね?両手を広げて走ると、腕の力が使えず、速く走れないからです。テニスでは、さらにひどく、ラケットを持っている状態なので、手を広げて走るとアンバランスで、バランスをとるために無駄に体幹に力が入り速く走れません。

 また、人間は全員マルチタスクが苦手です。テイクバックしている状態を保つには、腕に意識を向ける必要があり、ボールとの距離感を測る意識力が低下します。

 そこで、テイクバックを打つ前まで遅くすることで、走るスピードが速くなる上、ボールとの距離感に向けた意識量が多くなるので、距離が合いやすいです。

 ただ、あまりに遅すぎて、テイクバックした時に溜を作れないと、振り遅れの原因になるので、注意が必要です。あと数歩で打点に入れる位置まで来たらテイクバックします。

 足を細かく動かす

 基本的には、テイクバックしている途中のことです。テイクバックした後、ボールとの距離が合うように意識しながら、足を小刻みに動かすように意識をします。こうすることによって、打点の微妙なずれをなくしていきます

 理想はテイクバック後に行うことです。先ほども述べたように人はマルチタスクが苦手なので、テイクバックに意識を向けている状態では、距離感がしっかり測れていない場合が多いです。ただ、テイクバックの溜めが必要なので、このタイミングです。

 打点への入り方

 基本的に打点まで直線的には入るのではなく、後ろから回りこんで入ると、行き過ぎ(打点が近い)がなくなり、肘に負担がかかりにくくなります。また、前後のずれがあっても、ボールが来てくれるため、振り遅れを抑制できます。打点の左右をメインで合わせた方が、打点のミスが少なくなります。

 まとめ

 基本的には、「走る→テイクバック&打点の調整→打つ」です。テイクバックはある程度打点に入れた時に行います。その後、足で微調整し、打っていきます。この順序なら、テイクバックした後の溜めがあり、振り遅れにくいです。




 テイクバック

 速いボールや、変化する(伸びも含む)ボールに対し、普通に打つと、打点がきっちり合うことが少なく、飛びません。その結果、余計に大振りになり肘を痛めます。

 そこで、テイクバックを小さくし、しっかり芯に当てて飛ばすことを意識しましょう。こうすることで、コントロールの乱れが少なくなり、アングルショットなど精度が必要なショットを安定して打てるようになります。

 通常のショットもスイートスポットを外している状態では、ボールスピードは出ていないので、テイクバックを小さくしても芯で捉えることができれば、影響は少ないはずです。プロでもレシーブなどの速いボールは、テイクバックを小さくしています。少し飛ぶストリングにするというのもありです。

 腕と手のしなりで打つ

 テニス肘になる一番の原因は、筋肉がカチカチになっているところに衝撃が来ることです。筋肉が柔らかい場合は、柔らかいばねのように衝撃を緩衝します。逆に硬い場合は、衝撃を吸収できず肘などにダメージを与えます。つまり、スイングスピードを上げれば上げるほど筋肉が硬くなるため、衝撃が緩衝されずに肘に伝わります。つまり、筋肉を硬化させすぎないでストロークなどを打つことが大切です。

 では、どうやって打つか?体の回転と腕・手首のしなりを利用して打ちます。

 体は、ラケットを動かす前に回し始めます。そうすることにより、肘が出てから、腕・ラケットが回って出ていきます。肘から出ることにより腕のしなりを使うことができ、筋力をそこまで使わなくてもスイングスピードが上がります。次に手首です。ラケットのグリップエンドから振って(出して)みてください。そうすることで手首のスナップが自然と使え、ラケットのスピードが上がります。意図的にスナップを使うと、コントロールが乱れますので、グリップエンドから振っていくイメージを持つのです。これは、ほとんどのプロがやっています。

 こうスイングすることにより、テニス肘の原因の筋肉硬化をしすぎなくても、スイングスピードが上がり、ボールスピードが出ます。


 まとめ

 テニス肘の原因は、打点などが合わない(振っても飛ばない)状態で、飛ばすために、筋肉を100%近く使いボールを打つことです。逆に、打点が合っていて、筋肉を固めすぎないで打てれば、テニス肘のリスクは低いです。

 さらに、スイングだけではなく、ラケットやストリングなどの影響も大きいです。特に片手バックの人が、黄金スペック(フェイス面積100インチ・フレーム厚26㎜・重量300g・バランス320㎜)を使っている場合、振り遅れによるテニス肘が、かなり多いです。