カスタムして分かったテニスラケットの重量カスタムの重要性

カスタムして分かったテニスラケットの重量カスタムの重要性

2022年1月22日 0 投稿者: gura

 テニスラケットのカスタム。一般的なカスタムと言えば、「ストリング(ガット)や張るテンション」と「グリップテープの種類」です。ストリングはラケットとのパフォーマンスが50%:50%と言われ、適正に合ってない場合は著しくパフォーマンスが落ちます。グリップテープはラケットの回転を抑える役割があり、グリップの摩擦力が結構重要です。

 ただ意外と一般的でないのが、テニスラケットの「重量」「重量分布」です。正直最初はかなり舐めていました。「たかが数gなんてほとんど変わりない」「荷重すると振り抜きが辛くなるからやらない方が良い」と考えていました。しかし、実際に数g加重してみると、ほんとに些細なことかもしれませんが、かなり大きくテニスのパフォーマンスに響いてきます。こんなに変わるとは思ってもみなかったです。





 カスタムしたラケット

 今回カスタムしたのは、テクニファイバーの「TF40 305」です。フェイスサイズ:98平方インチ・重量:305g・バランスポイント:325㎜・フレーム厚:21.7㎜・ストリングパターン:18×20・スイングウェイト:326(tennis warehouse調べ)・RA:64(tennis warehouse調べ)・形状:半ボックス形状というスペックです。

 日本で一般的に言われているのが、ストリングパターンが18×20本のラケットなので「ハードなラケット」です。具体的には、スピンが少ない・飛ばない(イメージ)・スイートエリアが狭い(ラウンド形状じゃないため)ですかね。


 カスタム内容

 まず、操作性を上げるカスタムとして、グリップのエンドキャップのエンド側に15g重りテープを巻きました。使用したのは、キモニーの「リードテープスリム」です。結構厚みが出てしまってますが、グリップ(元グリ&グリップテープ)巻けば、あからさまではないです。2列にすれば効果は下がりますが厚みがなくなります。



 次にコントロール性・安定性を上げるカスタムとしてラケットフェイスの3時側&9時側に、0.5gを前後左右の計2gを貼りました(スイングウェイト10位増加)。

 ジョコビッチや大坂なおみ選手らは、わざわざ軽いラケットを作らせ、重りテープを貼っています。ジョコビッチは、2g×4ヶ所で8gは貼っています(見た目判断です。年により変わっています。)。スイングウェイトが40前後は増加してるはずです。


 最終的なラケットスペックとしては、ラケット重量322g・バランスポイント311㎜で、グリップテープやストリングの重さは入っていません。スイングウェイト(ストリング込)が330半ば位です。

 他のラケットと比較するとプロスタッフRF97が340g・305㎜・スイングウェイトが335、ピュアストライク18×20やブレード18×20(V7)が305g・320㎜・スイングウェイトが330半ば、グラビティプロが315g・310㎜・スイングウェイトが332です。これだけ見ると、グラビティプロが一番近くて、ピュアストやブレードの方が扱いやすそうな感じに感じます。

 カスタムでどれくらい変わったか

ラケット総合ストボレサーリタ反発制球操作安定打柔打感上回下回
ピュアドライブ202187858387859280858582798386
スピードMP87888584888785858584868886
ピュアストライク
18/20
81828684798086818581828085
ブレード18×2085868781827989799086888088
プロスタッフRF9788858888838688789280897890
グラビティPRO87878684858190788889878688
TF40 30588888587898188828788898388

※tennis warehouseさんの、性能評価です。

 まず操作性ですが、上記のスコアと比べると81~82点位でした。一般的に加重をすれば操作性は落ちるのですが、意図的な荷重ができたため、あまり落ちませんでした。落ちないというより、スイングウェイトが上がったため水平方向の振り抜きは少し悪くなったのですが、垂直方向の操作性が良くなりました。したがってほぼ±0です。ピュアスト18×20と比べると、縦振りの時ラケットが少し重く感じました。

 次にショットですが、連続で2回しか打てないようなショットが、連続で5,6回打てるようになりました。左右のコントロール性は、本当に高いです。少しきついくらいのボールなら、20・30㎝以内を狙えます。高反発ラケットの場合だとアレーコート位ほしいショットです。左右のコントロールはTF40の方がしやすく、スピンで手前に落とすアングルはグラビティプロですかね?結果90点くらいですかね。安定性は90点言ってると思います。

 正直完全な具体例ではないので少し分かりにくいですが、計2gフェイスの3時&9時に貼ってあげると、「何となく良い」という方が多いです。ストリングを張り替えた直後も「何となく良い」という人が多いので、加重の方はすぐに打ち比べられていることを踏まえると、5lb程度のコントロールの差はあるはずです。

 また、反発係数[反発係数とは]が上がるため、MAXのボールスピードが上がります。この反発係数が低いラケット(ピュアドライブは高くない)は筋力が多い人が使うと必死に振らないと飛ばないので(空気抵抗が多くなるため)、安定感の低下や攻撃力の低下だけではなく、怪我のリスクが高まります。さらに、メンタル的な余裕もなくなります。荷重することで、必死に振らなくて良いため、余裕と安定感が出ました。



 TF40 305は本当にハードなのか

 正直個人的な感想ではありますが、TF40 305はハードとは感じないです。

 高反発ラケットの方が、繊細なコントロールができなかったり、オフセンターショットをしてしまった時のコントロールのブレの大きさだったりが大きく、結構難しく感じます。

 コースを狙わないなら高反発ラケットの方が1ショット当たりの体力消耗量が少ないため、楽なのかもしれませんが、少しきついボールが来てもしっかりとしたコースに打ちたい人にとってコントロール性&安定性の低さは致命的です。もちろん、余力があれば繊細なボールコントロールはできるのでしょうけど、常にしっかり狙っていくのは至難の業です。
※コントロール性と反発は全くもって別物で、両方低いラケットは非常に扱いにくい(ハード)です(軽量ラケットも)。また、操作性が悪すぎるラケットや、95インチ以下の面ブレがしやすいラケットなどもハードに感じます。

 一般的に言われている飛びの話ですが、同じスイング力で振った時の飛びはピュアドライブが飛びます。ただ、グラビティプロとピュアドライブ2018の両方を持っていた男子学生は、グラビティプロの方が(誰でもわかるほど)球速&ボールの伸び&精度がすべての点で上回っていました。グラビティプロの方が高コントロール・高安定性のため残しておく余力が少なくても問題ないため、こうなります。


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