ヨネックス ポリツアープロの辛口インプレ 打感は良い
2021年12月22日ヨネックスの「ポリツアープロ(1.25㎜)」(Yonex Poly tour pro)を、ピュアドライブVSに50lbで張ってみました。
ポリツアープロはヨネックス契約のATPやWTAのプロ選手が、意外と多く使っているイメージがあり、キリオス・ティアフォー・ブブリク・大坂なおみ(過去)らが張っています。
ストリングの総評ですが、無難さで言えば、ポリツアープロは結構良いかもしれません。あと、ポリ初心者にもです。ただ、低いテンションで張ってしまったり、ストリング間隔が広いラケットに細ゲージを張ってしまったりすると安定感に欠けるかもしれません。
スペック
「ポリツアープロ」は、ヨネックスから発売されている丸型のポリストリングです。
メーカーHPには、「柔らかめの打球感で肘や肩にやさしい」とだけ書いてあります。
色は、ブルー・グラファイト(黒)、フラッシュイエロー(蛍光)です。
ゲージは、1.15㎜・1.20㎜・1.25㎜・1.30㎜があります。(グラファイトは1.25と1.30㎜のみ)
伸び量(とは?)は、後日掲載します。
インプレ
打感
フラットショット時のたわみ量は、[3/5]です。
スピンショット時の最大伸び量は、[4/5]です。
衝撃吸収性は、[4/5]点と高めです。
たわみ量は多くも少なくもなくです。
最大伸び量は、結構多く、じょりじょりしやすいです。
ストリングの伸び量が多いせいか、衝撃吸収性が高めの4点と高めです。
ホールド時間は気持ち長めです。
打感的には、ホールド感もありつつ弾き感もあるという感じです。しっかり打つとボールが少し重く感じます。打感がクリアです。良い打感です。
反発[3/5点]
反発は標準です。
ストリングの弾き感は弱めで、ホールド時間(力が伝わっている時間の長さ)で反発力を出している感じです。
スピン[2.5/5点]
スピンも多くもなく少なくもなくといったところです。若干スピンが少なめのアイスコード(2点)やポリメガフォース(2点)よりは多く、アルパワー(3点)やオリジナル(3.5点)やRPMブラスト(4点)よりは少ないです。
2.5点の良さとして、「勝手にスピンがかかりすぎず、逆にスピンが足りなくなりず」というちょうど良い塩梅なところがあります。
ただ、オフセンターショットをした場合は、少し注意が必要です(以下のコントロール欄で述べます)。
コントロール[3/5点]
問題はここです。
ホールド間の長さやストリングのたわみ量のおかげで、軽く打つショットの繊細なコントロールは比較的しやすいです。また、伸び量が多い割には比較的フラットドライブが安定します。
ただ、最大の伸び量が多いおかげでスナップバック量が多く、少し引っかけて打ってしまうとコントロールが乱れるかなと思いました。
また、シングルスでは、走りながら打ったりするためミスになることも多く、ミスをカバーしてくれるショットのムラの少なさ(安定性)が、欲しかったです。
このレビューは、あくまで、ピュアドライブVSに1.25㎜を50lbで張った場合のであって、張るテンションを上げたり、ゲージを1.30㎜にしたりすることで、コントロール性の高くなさや安定感の低さを補うことができます。打感の良さは他のストリングには代えられないので、個人的には1.30㎜がおすすめです。
エクストリームやピュアアエロ・ピュアドライブVSなどのストリング間隔が広いラケットには、コントロールの乱れの原因となるスナップバックの量を抑えるために、1.30㎜を50lb以上で張ることをお勧めします。またピュアドライブ2021の場合は、スピン量が少し少ないラケットなので、筋力がある方は1.30㎜50lb以上・50代男性とかの場合は1.25㎜を50lb程度で張ることをお勧めしています。45lb(前回は50)で張った50代男性は、振りきれなくなった影響か、緩く張ったのに「スピンがかからない(本来は緩く張りば多くなる)」「スライスが安定しない」とおっしゃってました。
総評すると、ポリツアープロは高反発ラケットのように丁寧に打つ必要があるストリングだと思います。大坂なおみ選手がポリツアーストライクに移行したように、しっかり打ちたい方はもう少し伸び量の少ないストリングを選んだほうが良いと思います。ポリツアーストライクのように伸び量が少ないストリングの方が、安定性が高く少しミスショットになってもミスの影響が少ないです(「飛ばない=コントロールできる」ではなく「飛びが良くて、コントロール性&安定性が良いものもある」)。
ボールの伸び[2/5点]
安定性やコントロール性の面から、今回のセッティングでは、フラットで打つことが少しリスキーなため、あんまり伸びませんでした。
もちろん、余裕があって打ちやすい打点なら、普通くらいかもしれないですが、相手のボールがそれなりのボールだったりすると、きつかったです。伸びを出すためには1.30㎜で55lbとかで、張ったほうが良かったのかなと思います(ストリング間隔が広いピュアドライブVSの場合)。
テンション維持
テンション維持は標準位かなと思います。
ただ、もともと伸び量が多いストリングなため、テンション低下による伸び量の増加が加わると、結構伸びてしまうので、テンション維持性の良い1.30㎜を使うと良いかもしれません。その方が反発性は落ちますが、しっかり振れるためボールスピードは出ると思います。
ショット別インプレ
ストローク[2/5点]
今回、ストリングとラケットに合っているセッティングをしていない影響もありますが、落下点のブレ幅が少し大きかったです。繊細なコントロール性を求めている方にとっては、ネガティブです。
また、安定感の面から、相手のボールが速い場合や変化する場合は、丁寧に打つ必要があります。カウンターショットは少しリスキーだと思いました。
ボレー[3/5点]
ボレーに関しては、しっかりホールドしてくれるため、繊細なショットは打ちやすいと思います。
一方、下回転をかけたり、ローボレー・ドライブボレー等、ストリングの動きが大きくなるようなボレーは、少し安定感が欲しかったです。
サーブ[2/5点]
サーブはストローク同様です。繊細なコントロールは難しいです。サービスエリアギリギリを狙ったりするのは、少しリスキーです。
比較インプレ
テクニファイバー アイスコード
アイスコードは、ポリツアープロよりフラットドライブが安定しやすいです。衝撃吸収性は、ポリの中でトップクラス(ポリツアープロより上)です。一方、スピン量は2点と少し少ない上、テンション維持が良くないです。
シグナムプロ ポリメガフォース
ポリメガフォースは、ポリの中でトップクラス(1番と言って良いほど)にフラットドライブが安定するストリングです。少しスピンは少なめ(2点)です。ポリツアープロの方がホールド感が強いため、軽く打つストロークのドロップがしやすかったり、スピン量が多すぎず少なすぎずのメリットはありますが。
※随時更新します。
まとめ
ポリツアープロは、伸び量が多いところ以外は、いい意味で特徴(癖)が強くありません。ただ、伸び量の多い分安定感が低いため、1.30㎜と少し太めを使うことや、少し高めのテンションで張ったほうが良いと思います。
おすすめな人
伸び量の多いストリングを高めのテンションで張りたい方におすすめです。
打感重視(たわみ量&衝撃吸収性)の方におすすめです。
あとは、できるだけ安いストリングが良い方ですかね。
セッティング
安定感を出すために、基本的には1.30㎜を50lb以上で張ることをお勧めしています。
ただ、スピン量の少ない、ストリング本数が18×20本のラケットや、ブレード16×19、インスティンクト、ピュアドライブ2021などは、1.25㎜を少し高めのテンションで張ったほうが使いやすいかもしれません。低めのテンションで張りたければ、1.30㎜の方が安定します。