扱いやすいフラットドライブ(系・向け)が安定するおすすめテニスラケット

扱いやすいフラットドライブ(系・向け)が安定するおすすめテニスラケット

2021年12月17日 0 投稿者: gura

 コントロール性や安定性の高いテニスラケットは、どうしても飛ばなくなるので、ラケット重量が重くなります。その結果、振り抜きが辛くなり、振り遅れが生じたり、オフセンターショットばっかりしてボールスピードが出なかったりします。

 そこでこのページでは、振り抜きはつらくないけど、ある程度の反発性があり、高コントロール&高安定性のラケットを性能スコア付きで紹介します。





 まえがき(反発・コントロール・安定性)

 日本では「ピュアドライブ最強説」や「筋力の弱い日本人は飛ぶラケットを使いべき」などと、高反発ラケットを推奨されることが多いです。また、「高反発ラケットは楽でいい」とも言われています。

 しかし、これは、好みの問題では問題ないかもしれませんが、間違った知識でもあります。

 高反発ラケット・高コントロールラケットのメリット・デメリット

 高反発ラケットは、高反発の反面、コントロール性が悪いです。一方、低反発のラケットは、反発性が弱い反面コントロール性が高いです。ただ、「高反発性=低コントロール」「低反発=高コントロール」とはならず、反発性が低くてもコントロール性が悪いラケットもあります。


 では、コントロール性とはですが、言葉の通り「狙った所にボールを飛ばせるか」です。高反発ラケットの場合、高コントロール性のラケットに比べ、ボールの落下点のブレ幅が大きくなります。いわゆる「ダウンザライン」呼ばれるラインぎりぎりのショットを打てるのが高コントロールラケットで、高反発ラケットの場合はブレ幅が大きいため、ギリギリを狙うのはリスキーなため、少しラインから余裕を持ったところしか狙えないです。もちろん高反発を生かして丁寧に打てば、ある程度はカバーできますが、絶対的な精度は高コントロール性ラケットです。

 次に安定性ですが、相手からのボールが速い場合や、バウンド時に変化する場合は、どうしてもオフセンターショットをしてしまったりします。特にシングルスの場合、走りながら打つこともあるため、よりひどくなります。そこで安定性が高いラケットを選ぶことによって、外した時にミス(失点)になりにくいです。

 次にスイートエリアですが、「高反発ラケットの方が広く、外しても飛んで行ってくれる」と言われていますが、確かに、飛び面で言えば、飛んで行ってくれます(スイートエリアが広い)。ただ、外した時のコントロールのムラの少なさは圧倒的に高安定性のラケットです。高安定性のラケットの方が、失点になりにくいです

 次にボールスピードですが、ストロークの場合、低反発でも、高コントロールなら、残しておく余力が少なくて良い(10の内高反発ラケットの場合は「余力が4・スイングスピードに6」必要なのに対し、高コントロールなら「余力が2・スイングスピードに8」で良い)ため、出せるボールスピードはそこまで変わりません(本当にボールスピードが出るラケットとはを参照)。ガットが18×20本のピュアストライクを使っているティエムや、95インチのVCORE95を使っているシャポバロフのストロークスピードが、ピュアアエロを使っているジャック・ソックと同じ位なのが証拠です。ただ、高コントロールラケットは重くなる傾向があるため注意が必要で(すべてではない)、逆に言えば、振り抜きが問題なければボールスピードがしっかり出せます。 サーブに関しては、高反発ラケットの方がボールスピードが出ます。

 最後に「高反発ラケット=楽」かですが、高反発ラケットはショットを打つ際多く余力が必要なため、一発の体力消耗力が少なく楽です。初心者の場合はとにかくミスしなければ勝てるので、高反発ラケットでつないで行ったほうが、得点しやすいと思います。一方上級者になればなるほどミスをしないのは当たり前で、ボールの攻撃力(コース・変化・伸び)が必要なため、ある程度高コントロール&高安定性の方がきついショットを打てるのでラリー回数が少なかったりします(全体の体力消耗は抑えられる)。メンタル的に楽なのは高安定性&高コントロール性のラケットです。

※同じガットを使った場合です。ガットや張るテンションによってある程度は調整できます。




 おすすめラケット(高反発・低コントロール)

 ピュアドライブ

 ピュアドライブ2021は、コントロール性は80点と高反発ラケットの平均で、全体的に見ると低めのスコア(79~90が多い)です。ただ、安定性が85点(これも79~90が多い)と、ストリングが16×19本の中では高いです。反発性も高反発ラケットの平均が87~88点ですが92点と圧倒的反発です。スピンが83点と少し少なめですが、その影響でコントロール性の割には安定性が高いのです。スピンがかかりすぎない分、フラットドライブが安定しやすいです。また、面ブレを抑制する荷重がトップクラスに多いため、ナイロンユーザーにもおすすめです。

ピュアドライブ2021

面積重量バランススイングウェイトストリングフレーム厚フレックス
10030032032016×1923-26-23mm72
総合ストロークボレーサーブリターン
8785838785
反発コントロール操作性安定性打感柔らかさフィーリングトップスピンスライス
9280858582798386

 EZONE100(2022)

 高反発ラケットはコントロール性が79点や80点が多い中、85点と高めです。なぜかというと前作からストリング間隔が少し細かくなりました。少しストリング間隔が狭くなったのと、スイングウェイトが軽いせいか、高反発ラケットにしては、飛ぶ方ではありません。しかし、コントロール性の影響で逆に、ボールスピードが出し易くなっています。軽量ラケットでもコントロール性が悪くなりすぎません。

EZONE100(2022)
面積重量バランススイングウェイトストリングフレーム厚フレックス
10030032031716×1923.8-26.55-22.5mm67
総合ストロークボレーサーブリターン
8788858586
反発コントロール操作性安定性打感柔らかさフィーリングトップスピンスライス
8685858385878583

 おすすめラケット(低反発・高コントロール)

 TF40 305

 ストリングが18×20本のラケットです。一般的にストリング本数が多いラケットは、スイングウェイト(スイングウェイトとは)が330半ばで、振り抜きがつらかったり(振り遅れなど)、スイングウェイトが軽くてもどこか欠点があったりしますが、TF40 305は、スイングウェイトが326と、スピードMPより少ないため、振り抜きにくさは少ないです。ただ、バランスが325㎜なので、 片手バックの方は操作性を上げるカスタムをした方が使いやすいかもしれません。トップヘビーのラケットは「ラケットが勝手に走って操作性が悪い」と言われることも多いですが、TF40はスイングウェイトがウルトラツアー(340)のように重くないですし、縦長のフレームでもないので、勝手に走る感覚はほぼないです。

TF40 305
面積重量バランススイングウェイトストリングフレーム厚フレックス
9830532532618×2021.7-21.7-21.7mm64
総合ストロークボレーサーブリターン
8888858789
反発コントロール操作性安定性打感柔らかさフィーリングトップスピンスライス
8188828788898388




 一番おすすめラケット(中反発・中コントロール)

 ツアー100

 若干310gと聞くと重く感じがちですがバランスが310㎜なので、300gと同じ感覚で使えます。その証拠に振り抜きの1つの指標である「重量×バランスポイント」が300g×320㎜=96000なのに対し、310g×310㎜が96100とほとんど差がありません。コントロール性と安定性に関してですが、ストリングが16×19本のラケットの中で共に85点ずつで、高パフォーマンスのラケット(数少ない)となっています。反発性も85点(80~88が多い)あるため、しっかり飛んでくれます。

 310gが「重そう」と感じる方には、290gのモデルもあります。バランスは325㎜でトップヘビーになることや、スイングウェイトが324とそこまで減っていないため、310gに近い性能があるかもしれません。「まず290gを買って、振り抜きがつらくなければ、コントロール性&安定性を上げるカスタムをする」と言う方法でも良いかもしれません。

TOUR100 310
面積重量バランススイングウェイトストリングフレーム厚フレックス
10031031032716×1822-23-20mm66
総合ストロークボレーサーブリターン
8789858486
反発コントロール操作性安定性打感柔らかさフィーリングトップスピンスライス
8585868587868785

 CX400 TOUR

 「TOUR」と名がついていますが、実際は300g・320㎜と一般的な黄金スペックと同様の重量です。反発性が84・コントロール性が83点・安定性が83点とここで紹介しているラケットにしては、スコアが低めですが、スイングウェイトが322と軽いため振り抜きが87点と、操作性が高いラケットとなっています。したがって、買ってみて振り抜きがきつくなければ、コントロール性&安定性を上げるカスタムをすることで、反発性&コントロール性&安定性があがります。ジョコビッチも安定性を出すために、わざわざ軽いラケットを作らせて、カスタムしてますし(ジョコビッチ が最強の理由はラケットのスペックと重りにあり )。

CX400TOUR
面積重量バランススイングウェイトストリングフレーム厚フレックス
10030032032216×1923-23-23mm66
総合ストロークボレーサーブリターン
8384838483
反発コントロール操作性安定性打感柔らかさフィーリングトップスピンスライス
8483878383838483

 スピードMP

 こちらもプリンスのTOURと同様に、ガットが16×19本のラケットの中でコントロール性と安定性が85点と非常に高パフォーマンスです。飛びも87点と飛ぶ黄金スペック(87~88)と同じくらいです。ただ、なぜ「黄金スペックじゃないのに飛ぶの?」と思っている方もいると思います。その理由は、スイングウェイトと、フレーム厚です。スイングウェイトが328と(ピュアドライブが320)少し重めになっています。その結果、反発性・コントロール性・安定性が高くなっています。ただ、単純にスイングウェイトが多いと振り抜きが辛くなりますが、スピードMPは、一般的に言われるフレーム厚が23㎜フラットと黄金スペックのモデルより薄くなっていること、フレームの正面厚(ラケットを地面に置いて上から見えるフェイス部の厚さ)が薄いことで、空気抵抗が少なく振り抜きが良いのです。

 このラケットから浮気しても、戻ってきてしまう人も多いですし、使っている30代女性(ナイロンが切れない人でも)は男性にも全然打ち負けないパフォーマンスがでています。高反発ラケットがいわゆる「飛びすぎ」で使えない方に一番お勧めです。女性競技者にもおすすめです。

 スピードMPはスピン量が少し多いため、ナイロンを張った場合でもスピン量が確保できます。一方ポリの場合は、フラットドライブが安定するスピン量が少し少なめのストリング(ガット)が合うかなと思います(ポリメガフォース(シグナムプロ)・アイスコード(テクニファイバー)・ホーク(ヘッド)など)。逆にスピンの攻撃力が欲しい方には、オリジナル(ルキシロン)を張ることで、スピン量による攻撃力もあり、フラットドライブのコントロール性も確保できるため、おすすめです。

 カラーが「白+黒」と「黒単色」の2種類があり、好みで選べるのと、ウェアのデザインを邪魔しないメリットもあります。

スピードMP(G360+)
面積重量バランススイングウェイトストリングフレーム厚フレックス
10030032032816×1923-23-23mm64
総合ストロークボレーサーブリターン
8788858488
反発コントロール操作性安定性打感柔らかさフィーリングトップスピンスライス
8785858584868886




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