アルパワーの辛口インプレ フラットが超打ちやすい ルキシロン 評価
2022年3月18日ルキシロンのアルパワー(1.25㎜)を、ピュアドライブVSに50lbで張ってみました。
トッププロが多く使っていたり、ハイブリッド張りでも多く使われるアルパワーですが、選ばれる理由がはっきりありました。アルパワー一筋という方がいるのもうなずけます。
スペック
「アルパワー」は、ウィルソンのルキシロンブランドから販売されている、丸型のポリストリングです。
色は、グレー・ブルー(1.25㎜・1.30㎜)・レッド(1.28㎜のみ)です。
ゲージは、1.10㎜・1.15㎜・1.20㎜・1.25㎜・1.28㎜(レッドのみ)・1.30㎜があります。
伸び量(とは?)は、5.05㎜です。
インプレ
打感
フラットショット時のたわみ量は、[1/5]です。
スピンショット時の最大伸び量は、[3/5]です。
衝撃吸収性は、[3/5]点と平均的です。
まず一番最初に思ったことは、フラットで打った時の「ストリングのたわみ量の少なさ」と、「球離れの早さ」です。フラットで打った時のたわみの少なさと球離れの早さは、全ストリングの中でトップクラスだと思います。
この弾きメリットですが、フラットで強打した時に若干球離れが早いことで「スナップバックによる面ブレを」抑えられるので、球速も上がりますし、安定もします。
ハイパーGやポリメガフォースなどもフラットで打った時の球離れは早いですが、軽く打った時のホールド感があるのは、アルパワーしかないです。また、スピンをかけに行った時は、しっかりホールドしてくれるため、スピン量も多いです。
フラットで打った時の弾きの早さと、スピンをかけて打った時のホールド時間の長さは、RPMブラストなども目指してはいるのですが、ここまで差をつけることができているのはアルパワーのみです。
打感は、フラットで打った時は、ストリングのたわみ量は少なくて、「ググッ」という感じにホールドします。ボールの感覚が分かりやすいです(打感がクリア)。軽く普通に打った時は普通にホールドしてくれるのですが、あっさりはじく感じもあります。ラケットで言うとプロスタッフRF97みたいです。かなりの方が、「打感が良い」と言います(特に張りたて)。
衝撃吸収性ですが、フラットで打つと落ちます。ある程度スピンをかけて打っていれば、そこまで悪くないです。
打感の感想が「硬い」と「柔らかい」と2つに分かれる理由ですが、フラットで打った時はストリングのたわみ量が少ない上球離れも早く、硬く感じますが、スピンをある程度かけて打つと、ホールド時間の長さやスナップバック量が割と平均位あることから、柔らかく感じるのだと思います。
反発[5/5点]
反発は、強いです。
ポリの中で高反発です。
スピン[3/5点]
スピン量は平均的です。
丸型のポリの中では、トップクラスに多く、ルキシロンのオリジナル(3.5点)の次に多いと思います。
コントロール[4/5点]
フラットの打ちやすさは、トップクラスです。マナリノがピュアアエロに20lb台で張ってATPツアーを勝っている理由が良く分かります。
距離感の一致度は、高めです。
スピン量の調整のしやすさは少し高めです。
ハイブリッド張りをする場合、横(クロス)の選択肢は、「アルパワー」か「アルパワーラフ」が第一選択肢にすると、ショットが非常に安定すると思います。縦はスピン量の調整しやすい「ナチュラルガット(ナチュラル)」「エックスワンバイフェイズ(ナイロンマルチ)[レビューを見る]」「ホークタッチ(丸ポリ)[レビューを見る]」「プラズマヘキストリームピュア(多角形ポリ)[レビューを見る]」等が良いのではないでしょうか。
単張りでもフラットの打ちやすさは高いです。スピンが多くかかるためしっかりとネットとのクリアランスも取れますし。
ボールの伸び[4/5点]
スピン量の多さと球速の速さの両立した伸びは、アルパワーが一番出し易いのではないでしょうか。
スピン量を特化したければ「ルキシロンのオリジナル[レビューを見る]」が良いと思います。
テンション維持
テンション維持に関しては、標準位だと思います。巷で言われるほど、伸びている感じはしません。
ただ、1週間以内に振動が出てきます。これが、「テンション維持が良くない」と言われる理由だと思います。ただ、使ってる方はリピート一択ということが多いです。逆に嫌いな方は1回で終わりです。
アルパワーラフ(同じ素材にラフ加工がされている)を3カ月位使っている方もいますし、プロスタッフにアルパワーを張って県大会準優勝した女子学生もいらっしゃいます。
振動の面ではデメリットに感じるかもしれませんが、アルパワーのパフォーマンスを見れば使うメリットが非常に高いと思います。プロの使用率が異常なほど高いのもうなずけます。
ショット別インプレ
ストローク[4.5/5点]
しっかりネットクリアランスが取れ(スピンを多くかけられる)、高反発でもあるので、安定感は出し易いと思います。何と言ってもフラットの打ちやすさが際立ちます。ヘビースピンも打ちやすいです。
ボレー[4/5点]
高反発なので面の向きを合わせるだけで良いため、アングルボレーやディフェンスボレーは打ちやすいです。
一方、ドロップボレー等はより力を抜かないといけないので、スイートエリアを外すとミスになりやすかったりします。一長一短なので、好みの問題でありますが。ブライアン兄弟が縦ナチュラル:横ハイパーG、ジャックソック選手がアルパワーラフを張っていました。
サーブ[4/5点]
高反発・高スピンで攻撃力が高いです。
比較インプレ
ルキシロン オリジナル
フラットもスピンも両方打てる高性能ストリングです。
スピン量はアルパワーより若干多いです。スピン系プレイヤーはオリジナルで、フラットドライブ系プレイヤーはアルパワーがおすすめです。テンション維持性能が非常に良いですが、若干振動が出ます。切断耐久が非常に高いです。
シグナムプロ ポリメガフォース
若干アルパワーに近いと思っているのがポリメガフォースです。ただ、アルパワーのようなホールド感はないため(フラットの時に少し球離れは早い)、飛びは3点・スピンは2点となっています。もちろん、そこまで突き詰めるとアルパワー一択しかないですが。
ヘッド ホークタッチ
スピン量が3点で、スピン量の調整のしやすさがトップクラスのホークタッチ。コントロール性は満点の5点です。ただ、アルパワーのようにフラットで打った時の球離れが早くはないです。
まとめ
アルパワー特有のフラットの打ちやすさと、タッチ感は、唯一無二のストリングです。打感の変化が気になっても使う価値はあると思います。
打感の変化は、振動止めを使うなど、ある程度は対処可能です。
ナチュラル×アルパワーを使っているフェデラーは、張る際10%のプレストレッチ(一回強く引っ張ってから緩めて既定のテンションで張る)をしてたりもします。
おすすめな人
ポリでも飛びが欲しい方や、フラットドライブの打ちやすさが欲しい方、強打した時のコントロール性も欲しいけどタッチショットも欲しい方に対しおすすめです。
セッティング
アルパワーはフラットが打ちやすい分、ATP選手のマナリノ(ピュアアエロ)のように20lb台で張っても比較的打てると思います(他のストリングはきびしい)。しっかり丁寧にフラットで打てればですが。
通常なら、引っかけて打つことも多いと思うので、普段張っているテンションで良いと思います。
ゲージですが、どのラケットでも1.25㎜がおすすめです。そのほうがフラットドライブが打ちやすいと思います。フラットが打ちやすいので、細ゲージでも飛びが欲しい方にはお勧めできます。