ハイパーGとエクスペリエンス比較インプレ
2020年7月31日今回は、ソリンコの「ハイパーG」1.25㎜とシグナムプロ「エクスペリエンス」1.24㎜を比較インプレしていきたいと思います。
どちらのストリングもピュアドライブVSに40lbsで張りました。このテンションの理由は、前にハイパーgを50lbで張ったときに、タッチショットが難しかったからです。
ソリンコ「ハイパーG」
黄緑色の五角形のスピン系ストリングスです。ストリングフォーラムというサイトで、ベストオブイヤーのポリ部門1位に輝いたストリングスです。
なかなか、黄緑色は受け入れられない人がいますが、スピンを求めるハードヒッターにとっては、結構素晴らしいストリングだと思います。
打感 | ストリングの伸び自体は固いです。 しかし、腕にくるような硬さではなく、一瞬で衝撃を吸収して弾いて飛ばすイメージです。そのため、打感は非常に軽いです。ホールド感で言えば、かなり少ないです。 |
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パワーアシスト | アシストが少ないと言われるスピン系のストリングの中でも少なめのアシストです。ただ、コントロールが良いため結構振れてしまう上、打感が軽いストリングのため、力がある人は少しアシストがあると感じることもあります。 |
スピン | ストリングの弾き感が良い(引っかかって戻る)ため、かなりかかります。スピンサーブも軽く打ってもかなり跳ねます。ただ、ホールド感が少なく弾くストリングのため、硬く張ってしまうと、安定はしますがかかりは、少なくなるでしょう。 |
コントロール | ストリングの弾き感が強いのためスナップバックが過度に起きず、ハードヒットしてもコントロールが乱れにくいです。(スナップバックが大きすぎると面ブレを起こす)さらに、引っかけたい時にはしっかり引っかかってくれ、打ちたい時にはしっかり打てるため、ショットの再現性が非常に高いと思います。 |
ボールの伸び | フラット系で打った場合、スピンストリング特有のボールの伸び無さはあります。とりあえずガンガン左右に振って、要所でスピンを使いアングルショットを打つか、エッグボールで相手を崩してからフラット系でウィナ―を打つか、どちらかがいいと思います。 |
他 | 普通に使うとボールの伸びは少ないため、滞空時間(バウンドするまでの時間)の短さで勝負を決めなければいけません。 手前に落とすために弱く打つと、ストリングが硬いせいで、想像以上に飛んでくれません。 |
おすすめ:ストロークにおいてこのストリングは基本的に飛ばない&伸びが少ないので、それなりの筋力を持ち、ガンガン振っていける人向けです。ムキムキとかで無ければ、ボックス形状のラケットでの使用は、お勧めしません。ハードヒッター以外の場合は、中厚系のラケットや、ピュアドライブVSやEZONE98などがおすすめです。ピュアアエロでも、「飛ばなくて使えない」という人がいます。
テンションは、硬く張ったほうがスピンがかからなくボールの伸びが出ますが、ホールド感が非常に少なくなります。伸び重視なら、いつもと同じテンションで張ってもかまいませんが、ホールド感が欲しい場合は、10%位落としたほうが良い(RPMブラストなどと比べて)でしょう。
シグナムプロ「エクスペリエンス」
こちらも黄緑色のストリングです。ハイパーGは5角形でしたが、こちらは6角形です。
簡単にこのストリングを表すと、ナイロンとポリストリングの中で、反発力がトップクラス、ポリの中で柔らかさがかなり上位な方だと思います。
打感 | 柔らかすぎるくらい柔らかいです。柔らかめのナイロンモノと言っても分からないほどです。 弾く感じは少なく、非常にホールド時間が長いです。したがって、ボールが少し重く感じます。硬いと言っている方はその重さが原因でしょう。 |
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パワーアシスト | ポリやナイロンの中では、トップクラスの反発力です。サーブやスマッシュは、「爆発してるのでは!?」と思ってしまうほど、ボールスピードが速いです。ストロークは多角形の影響もあり飛ぶけど爆速ではないです。 |
スピン | 「ハイパーGよりはかからないかな」と思ったのですが、カーブのような斜めの回転で打ってしまった時、かなり左右に曲がります。ハイパーGの方が、かかり量は制御しやすいと思いました。 |
コントロール | ストリングスが柔らかい(弾きが少ない)ため、ハードヒットした時スナップバックが少し多いです。したがって、少しコントロール性は落ちます。ポリ全体で言えば、標準位(3/5点)だと思います。ただ、全体のコントロール性であって、フラットドライブの精密性は少し低め(2/5点※)です。 ただ、ラケットとストリングのパワーに頼って、テイクバックを小さくし、コントロールに意識を多く向けることで、きわどいコースをかなり速いボールスピードで簡単に狙うことができます。 ※テンションが高ければいいのかもしれません。18×20のラケットに張るのもいいかもしれません。 |
ボールの伸び | 結構頑張って打っても、軽々返されます。スピン系ストリングの特徴でもあるのですが、絶対的な初速を上げられなかったのは、結構辛かったです。18×20のラケットに張るか、伸びより初速の速さで攻めていくタイプだと思います。 |
他 | テンションを10以上上げれば、ハードヒットした時のコントロール性は、上がるのかもしれません。 |
おすすめ:ちょっと腕力落ちてきたなという人におすすめかもしれません。どうしてもナイロンは、スピン量が少なく安定性では落ちます。したがってポリを使いたいけど、ポリは飛ばせない。そこでナイロンよりも飛ぶエクスペリエンスだと思います。ただ、ハードヒットしすぎるとコントロールが不安定(スナップバックが起きすぎて面ブレが起きる(高テンションで張れば問題ないかもしれません))になるため、ラケットとストリングのパワーに頼り、前後左右にきわどいコースを狙っていきたい人におすすめです。
まとめ
ソリンコの「ハイパーG」とシグナムプロの「エクスペリエンス」を比較しました。両方とも黄緑色の多角形ストリングですが、他は両極端なストリングでした。
ストリングの柔らかさは、圧倒的に「エクスペリエンス」です。ただ、ホールド感が強いため、ボールが少し重く感じます。一方「ハイパーG」は弾きが強くホールド感が少ないため、打感が軽いです。腕にやさしいのはエクスペリエンスです。
ストリング自体のパワーアシストは「エクスペリエンス」の方があるのですが、フラット系でハードヒットした時の安定性とボールの伸びは、「ハイパーG」の方があります。
スピン性能は、両方ともかなりかかります。回転量の制御のしやすさは「ハイパーG」でした。
コントロール性能は、フルスイングしなければ、「エクスペリエンス」の方が良いです。ラケットとストリングのパワーアシストに頼ってコースを意識して打てば、少しきつめの球出し程度の場合でも、サイドラインより20~30㎝以内程度にコントロールができます。逆に「ハイパーG」で同じくらいのボールスピードを出す場合結構振らないといけないため、約倍の40㎝以上必要でした。逆にフルスイング(少しきつめのチャンスボール)の場合、「ハイパーG」の方が安定性もボールの伸びもありました。今度エクスペリエンスを50lbで張ってみます。