ソリンコのハイパーGソフトとハイパーGの比較インプレ

ソリンコのハイパーGソフトとハイパーGの比較インプレ

2020年11月12日 0 投稿者: gura

 ピュアドライブVSにソリンコの「ハイパーG(1.25㎜)」(Solinco Hyper-G)を50lb、同じくピュアドライブVSにソリンコの「ハイパーG ソフト(1.25㎜)」(Solinco Hyper-G soft)を50lbで張りました。

 「ソフト」=「柔らかい」ではありませんでしたが、ノーマルのハイパーGと比べ、非常にコントロールしやすく、扱いやすかったです。





 スペック

 ソリンコの「ハイパーG ソフト」と「ハイパーG」は両方とも5角形のスピン系ポリエステルストリングです。

 「ハイパーG」はストリングフォーラムという海外のストリング評価サイトで、“ポリ部門1位”を取ったり、日本国内でもRPMブラストなどとともにベストセラーのストリングです。

 ソリンコ「ハイパーG ソフト」&「ハイパーG」

 「ハイパーG ソフト」「ハイパーG」は、ソリンコの「ツアーバイト」、テクニファイバーの「ブラックコード」、ヨネックスの「ポリツアースピン」・「ポリツアースピンG」と同じく5角形のスピンストリングです。


 色:蛍光グリーンのみ
 ゲージ:1.05(ノーマルのみ)・1.10(ノーマルのみ)・1.15・1.20・1.25・1.30㎜
 伸び量:ノーマルが3.80㎜・ソフトが3.90㎜(※伸び量について)


 このハイパーGは、ダブルスの名手「ブライアン兄弟」が、選手人生を終えるまで使っていたストリングです。ラケットは95インチの18×20(95インチでもストリングの目が細かめ)に張っていました。(引退前はピュアドライブ(契約なし)でした)他にも、アガシ選手、ジェイミー・マレー選手(アンディー・マレー選手の兄でダブルスメインのプレイヤー)、車いすテニスの国枝選手(縦はナチュラル)らが使用したストリングでもあります。


 インプレ

 打感

 ノーマル・ソフト共にかなり硬めです。伸び量もほぼ変わりません。バボラのRPMブラスト(1.20で5.50㎜)よりかなり硬いです。伸び量だけで言ったら、全然ソフトになっていません。

 では、どこが変わったのか。それは“弾きの強さ”です。

 ノーマルのハイパーGは、軽く打つと一切ホールドしなく、距離感の調整やスピンをかけたりすることが非常に難しいです。緩く張りすぎるとスナップバック量が大きくなりコントロールが乱れるため、根本的な解決はできませんでした。

 しかし、ソフトのハイパーGは、この強烈な弾きが抑えられているため、ショートラリーも問題なくできますし、ドロップボレー・超ショートアングルなど、何でもできます。

ただ、弾き感が少なくなったことで、少しストリングの硬さを感じやすくなりました。ノーマルの場合は、弾きの強さに意識が行っていたのですが、ソフトの場合は、弾きの強さに意識が行きにくく、ストリングの伸びにくさに意識が行きがちだからだと思います。打感の辛さはノーマル同様にないです。(ポリ中では弾き感はけっこう強い方です。)

 反発[ソフト1.5/5:ノーマル1.5/5]

 ノーマル・ソフト共に少し控えめな反発です。

 ノーマルは軽く打つとすぐ弾いてしまい飛ばないですが、ソフトの方は、軽く打つ時もある程度たわんでくれるため、飛んでくれます。

 反発が標準という方が多いですが、弾き感の強さがそう思わせているのと、コントロール性の高さからスイングスピードが上がっているのでしょう。

 普段ブラスト使っていて、ハイパーGを張ったとき、「飛ばなくて使えない」と言っている人がいました。


 スピン[5/5:4.5/5]

 スピンは、ソフトの方がホールド時間が長い分少し多いです。。ブラストとかよりはかかります。


 コントロール[5/5:4/5]

 ハードヒットした際のコントロールに関しては、ノーマル・ソフト共に変わりはありません。5点満点です。

 ソフトヒット(ドロップやアングルなど)の場合、ノーマルは一瞬で弾いてしまうため、コントロールが難しいのですが、ソフトの方はホールドしてくれるため、非常にコントロールしやすいです。したがって5点満点中ソフトが5点・ノーマルが4点です。

 また、ノーマルは、ソフトヒットしたい時や差し込まれている時等、ストリングをたわませられなかった時、想像以上に飛びませんでしたが、ソフトはそういうことがありませんでした。


 ボールの伸び

 ボールの伸びに関しては、スピン系ストリング特有の伸びの少なさがあります

 普通に打ってしまうと、回転過多になってしまい、水平方向のボール速度が遅くなりがちです。ボールの伸びを出したければ、ほぼフラットで打てるようにならなければいけません。ノーマルの方がわずかにスピンが少ない分伸びやすいと思います。

 ただ、エッグボールなどの高弾道の伸びは、両方とも悶絶です。





 ショット別インプレ

 ストローク

 ノーマルとソフトの違いは、ソフトヒットのやりやすさ位しかないです。前述もしましたが、ノーマルでソフトヒットは難しいですが、ソフトでのソフトヒットは非常にやりやすいです。

 「ハイパーG」シリーズは反発は控えめなのですが、コントロール性の良さから、スイングスピードを上げることができるため、ストロークにおける反発がそこまで違うとは感じません。また、弾き感もその要因の一つです。さらに、相手からのボールもそれなりのスピードが出てて、こちらも強打すると、割と飛んでくれます。

 ただ、多角形特有のデメリットですが、低軌道(ネットギリギリ)のショットが苦手です。

 ボレー

 ボレーは、ソフトの方がタッチショットのコントロール性が良く、とてもしやすいです。

 ただ多角形特有の、引っかかりすぎてコントロールが乱れる現象は両方とも少しあります。しょうがないですが。


 サーブ

 問題はここです。

 スピンサーブやスライスサーブの変化量は、ソフトの方があります。ノーマルの方は、少し落ちます。

 ただ問題は反発です。両方ともあまり飛びません。ストロークは相手のボールの影響もあるためコントロール性の高いハイパーGはスイングスピードを上げられるため問題ないですが、サーブは相手のボールの影響がないため、ストリングの反発性能=飛びになります。したがって、飛ばないと感じます。正直に言ってピュアストライク18×20に、シグナムプロのヘキストリームピュア(1.25を50lbで)を張ってたのですが、こっちの方がスピードは出ます。圧倒的です。ストリング自体のコントロール性、硬さ、スピン量などは変わらないです。

 100インチのラケット&ハイパーGでパワーが十分な方ならば、間違いなく18×20を使えます(パワー面だけで言えば)。


 比較インプレ

 随時更新します。





 まとめ

 硬さを感じにくくさせる位の強い弾き「ノーマルのハイパーG」コントロールやスピン量を求めるなら、「ハイパーGソフト」です。そこまで大きな性能差はありません。


 ハイパーG(ノーマル&ソフト)は、ポリエステルストリングの中でも結構飛ばない方なので、注意が必要です。ラケットやテンションにもよりますが、ナイロンマルチが10時間以上切れない方は、「RPMブラスト」や「ヘキストリームピュア」を試し、パワーに余裕があれば「ハイパーG」に移行したほうがいいかもしれません。単純に攻撃力はほどほどでいいからミスを少なくしたいなら、使ってみてもいいかもしれません。