最強と呼ばれるピュアドライブをディスりまくる(デメリット)(2020)

最強と呼ばれるピュアドライブをディスりまくる(デメリット)(2020)

2020年8月23日 0 投稿者: gura

 最強と呼ばれる「ピュアドライブ」。しかし男子の世界トッププロはほとんど使っていません。

 では、なぜ使わないのか?理由は「飛びすぎ」ではありません。ピュアドライブはピュアドライブなりのデメリットがあるのです。このページではピュアドライブと徹底的にディスりまくります。





 ディスりまくる

 振り抜きにくさ

 フレームが100平方インチ・23㎜-26㎜-23㎜あることで、空気抵抗が大きく(黄金スペック全般)、操作しにくいです。余裕があるボールならいいですが、想像を超えて伸びてくるボールなどは振り遅れやすいです。また、片手バックは打点が非常に前のため振り遅れやすいです。

 レシーブに関しては、振り抜きにくさからベースラインのかなり後方で構える必要がありますが、ショートアングルを打って来る場合前で構える必要があり、レシーブの返球率が下がってしまいます。ピュアアエロや、ピュアドライブを使っている世界トッププロのレシーブ位置はかなり後方です。

 面の安定性が低い

 ピュアドライブはストリング間隔が粗いため、他のラケットと同じセッティングで使った場合、スナップバックの量が大きいです。その結果、コントロール性が高くありません。これが一番の問題かなと思います。

 ストリングとボールが最初に接触する点から、スナップバックにより下側に少しずれます。そのずれでラケットの下側が押され、面が下に向きになり、ボールがネットにかかります。これが面の不安定さです。スナップバック量が大きければ大きいほど、面の安定性が低くなります。

 スイートスポットよりほんの少し上で打てればいいのですが、基本的にスイング軌道は一定ではない(ボールによって変わる)ため、当てる位置を細かく変える必要があり、実質的に不可能です。スピンをかけて打てばある程度は軽減されますが、それだとボールの伸びが低いどころか、軽くなってしまいます。

 少しきつめのチャンスボールで打つフラットドライブ系は、スピン量が多くなってしまい、ボールが想像以上に軽くなりがちです。また、引っかけて上に飛んでいきやすいです。

 世界の女子選手(1rdサーブが平均170km/h)は、125ゲージを60lb程度で張っていることが多いです。ピュアドライブなどの100インチが多かったりフラット系でボールの伸び重視だったり、と様々な理由がありますが。男子プロのように、フェイス面が小さかったりストリング本数が多かったり、ゲージが太かったりする場合は、面圧が高くなるため、低めのテンションで張るのが一般的です。

 2021年モデルから、少しコントロール性(面安定性)が上がり、平均的なコントロール性(黄金スペック内)になりました。逆に、スピンによる攻撃力(バウンド後高く跳ねたり、スピン・スライスサーブの変化量)は、結構なくなりました。


 繊細なコントロール

 これも高反発系ラケットの特徴ですが、どんなに余力を残しても、絶対的な繊細なコントロールは、薄ラケの方が良いです。最初は、「高反発でもコントロールへの意識を多くすれば問題ないでしょ!」と思っていましたが、間違いでした。

 謎のブツブツ

 フレームの内側の一部に、謎のブツブツがついています。ここにウエイトを貼りたいと思っても、強力な両面テープでないと剥がれてきてしまいます。平らな面もありますが、張りたい部分に張れません。

 フレームが硬い

 打感的には、様々な技術が導入され、反発力の割には硬くは感じないのですが、フレームの硬さは、結構感じられます。また、ホールド時間が短いということではないのですが、ストリングの弾き感が強いです。2021年モデルは球離れが少し速く感じます(制御できないほどではありません)。

 ボレーが飛びすぎる

 当てただけで飛んで行くので、ネット上のボールに対しては壁になれます。ただ、低いボールや遠いボールは、結構繊細な力加減をしなければ、コート外に飛んで行きます。繊細な力加減ができればいいのですが、力を抜きすぎるとスイートエリアを外したりして安定しません。自分が下手なのもありますが、大抵の人は飛ばない方が繊細なコントロール(ドロップだったり、低いボールだったり)はしやすいはずです。

 使用ユーザーが多い

 最強と言われているだけあって、使用ユーザーが多く、他人と被る可能性が高いです。




 ディスるだけでは怒られそうなので、少し褒めます

 圧倒的反発力

 ピュアドライブの魅力は、「圧倒的な反発力」でしょう。先ほど「コントロール性が低い」と言いましたが、そのコントロール性がカバーできるくらいの反発力があります。黄金スペックの中ではトップです。

 ピュアドライブを使っているフォニーニも、テイクバックを小さくしてコントロールに意識を向けて打っているように見えます。それでもボールは速いです。

 サーブはどのラケットにも負けないくらい「爆速」です。

 スピンがかけやすい

 先ほどと反対になるのですが、スピンがかけやすいです。エッグボールの伸びと跳ねは、非常に攻撃力がありますし、ハイパーG なんか張って、スピンサーブを打ってみると、半端なく跳ねて取りにくいです。

 したがって、クレーとかハードなど、ボールが高く跳ねるコートに対し攻撃力が高いです。

 2021年モデルから、スピンはあまりかからなくなりました。したがって、スピンの攻撃力は落ちます。逆に、フラットドライブが安定しやすくなりました。

 オフセンターのエネルギー損失が少ない

 オフセンターで打っても、フレームのねじれによるエネルギー損出が少なく、それなりのボールが飛んで行きます。また、フレームのねじれも少なくストリングパターンも均等なため、スイートエリアが広いのも特徴です。

 ラケットが変形しにくい

 フレームが固めのため、ストリングを少し雑に張っても、ほとんど変形しません。もちろんテンションが違くてもフレームが変形しなければいいのか?ということはありますが。ホームストリンガーの方が張ってあげる分には、満足していただけると思います。




 まとめ

 最強と呼ばれる(ピュアドライブ)ですが、ピュアドライブは、ピュアドライブなりにデメリット(上記)があります。「飛びすぎ」がデメリットという人がいますが、それは、コントロール性が良くなく(中厚系ラケットの特徴)乱れているというだけです。飛ばないセッティングにしたら、ただ単にコートに収まっているだけで、攻撃力はありません。

 高テンションや太ゲージにすることによって、面ブレを抑制すれば、振り遅れ以外は、制御ができるようになります。また、コントロール性の高いストリングを使うという手もあります。

 2021年モデルは、スピンが少なめでコントロール性が前より高くなっています。コントロール性が欲しければ2021年モデル・スピンによる攻撃力が欲しければ、2018年モデルかピュアアエロがいいと思います。おすすめは、2021年モデルです。比較的安定しやすいので。