打感が気持ちいい!ボックス形状のおすすめ テニスラケット(性能スコア付き)

打感が気持ちいい!ボックス形状のおすすめ テニスラケット(性能スコア付き)

2022年1月29日 0 投稿者: gura

 フレームがボックス形状のラケットは、ネガティブな面もありますが、打感がクリアで、いい意味で打ちごたえがあり(衝撃吸収性ではない)、ショット時の気持ち良さがあります。

 オフセンターショットをしてしまった時は「外したよ」と手に伝わってきますし、しっかり真ん中で打てた時は「完璧!」という情報が手に伝わってきます。やはり、この絶妙な感覚は、ボックス形状のラケットでしか味わえません。



 前書き

 一般的に、ストリングが18×20本のラケットや、16×19本のラケットでも高コントロールのカテゴリーに位置付けられているラケットは、「低反発で飛ばない」とされています。

 しかし実際は、高コントロール(反発とは別物)のため、高反発ラケットより残しておく余力が少なくても問題ありません。例えば、高反発ラケットでは余力が4必要なショットに対し、高コントロールラケットは2で良かったりします。したがって、出せるボールスピードはそこまで変わりません。もっと言えば、リターンや相手からのボールが速い場合は、高コントロール&高安定性のラケットの方がボールスピードが出せたりします(特にポリユーザー)。※ストリングの影響も多いです。また、低反発でも低コントロールのラケットもあります。

 その証拠に、男子学生がピュアドライブ2018とグラビティプロ(最上コントロールモデル)の両方を持っていたのですが、グラビティプロの方が、「球速」&「精度」&「伸び」&「安定感」すべての点でグラビティプロの方が(誰でも分かるほど)優っていました。繊細なコントロール性を求める方ほど、高反発ラケットは難しくなります。

 ただ、日本ではストリングの弾き感にフォーカスし飛びを判断する方が多いため、「ストリングのたわみ量が多く戻るのが速い」ラケットやストリングを「飛ぶ」と判断していることが多いです。したがって、ストリングが18×20本のラケットやコントロールセグメントのラケットが「飛ばなくて使えない」という方も多いです。ただ実際は、高コントロールラケットは、ストリングのたわみ量が少なく戻る力も弱いですが、力の伝わっている時間が長いため、反発力が思いのほか出ています。良い例がストリングの「ハイパーG」で弾き感は強く「標準の飛び」と評価している方が多いのですが、ホールド時間が短い影響で力が伝わっている時間が短いため、「弱めの反発」で球速が出にくいです。

 打感に関しても、「ストリングのたわみ量が小さい=硬い」と表現される方がいますが、衝撃吸収性は全く別物です。衝撃吸収性は、ストリングのたわみ+フレームのしなり+カーボンのダンピング+グロメットの柔らかさなど、すべてが影響するため、プロスタッフのRF97が硬く、ノーマルの97が柔らかいなどと、同じ商品名でも違います。


 ボックス形状のラケットのメリット・デメリット

 ボックス形状の一番のメリットは、「フレーム厚を薄くしても打感が硬くなりにくい」です。

 コントロール系のラケットは、面ブレを起こすスナップバック”量”を小さくするためストリング間隔を狭くしたいのですが、やみくもに狭くすると、ホールド時間の短さやスピン量の少なさのデメリットが大きくなってしまいます。そこでフレームをしならせて、ホールド時間やスピン量を確保しているのです。

 通常、フレームの剛性を下げるためにフレーム厚を薄くするのですが、ラウンドフレームを採用してしまうと、フルームの断面が比較的縦長の台形になり、カーボンがダンピングしなくなります。横長の台形なら、カーボンがダンピングして、衝撃を吸収してくれるのですが、ダンピングしない縦長の台形は衝撃を吸収してくれません。じゃあ「フレーム厚が薄い横長の台形にすれば良いのでは?」と思ってしまうのですが、そうするとカーボンの衝撃吸収性が悪くなるというか、力に対するねばり弱くなってしまう(力の逃げ場所がない)ため、フレーム強度を上げざるを得なく、衝撃吸収性が悪いままです。

 一例として、初代ピュアストライクが「早すぎたラウンド形状」と言われるほど、打感の硬さや飛ばなさがありました。

 そこで、ボックス形状の方が、フレーム厚が薄くてもダンピングする(衝撃を吸収する)ため、コントロール系ラケットはボックス形状が多いのです。

 他のメリットは、「ラケット自体のコントロール性が基本的には高いこと」・「安定したコントロールが基本的にしやすいこと」・「打感のクリアさ(気持ち良さ)」がメインですかね。

 逆にデメリットは、「高反発ではないこと」・「オフセンターショットをしてしまった時の飛びの弱さ」です。


 おすすめラケット

※性能スコア・スイングウェイト・フレックスは、tennis warehouseさんのレビューを参考にしました。

 ヘッド ラジカルMP(G360+) (扱いやすさ)

 スピン量が多めのラケットです。全体的に性能のバランスが良く、非の打ちどころが少ないです。

 唯一欠点があるとすれば、賛否両論のある「蛍光オレンジ」ですかね。

面積重量バランススイングウェイトストリングフレーム厚フレックス
9830032032616×1920-23-21mm65
総合ストロークボレーサーブリターン
8685858287
反発コントロール操作性安定性打感柔らかさフィーリングトップスピンスライス
8385838584858987



 ウィルソン プロスタッフRF97 (筋力あれば超高性能)

 スイングウェイトが330半ばで(ピュアドライブが320)、静止重量も340gと、少し重いです。グリップ部の重さが結構重いです。ただ、扱えさえすれば、非常に安定感が高く、ラインぎりぎりだとか、繊細なコントロールができます。

 スピン量が少ないラケットのため、「アルパワー[レビューを見る]」や「4gラフ」「RPMブラスト」など、スピン量の多い(多すぎも×)ストリングを使った方が、ラケットの良さを生かせます(面ブレを起こす原因のスナップバックが小さくてもスピンがかかるため)。

面積重量バランススイングウェイトストリングフレーム厚フレックス
9734030533516×1921.5-21.5-21.5mm68
総合ストロークボレーサーブリターン
8885888883
反発コントロール操作性安定性打感柔らかさフィーリングトップスピンスライス
8688789280897890


 ウィルソン プロスタッフ97 (高コントロール)

 ストリングが16×19本のラケットの中では、コントロール性がトップクラスの87点です。ただ、飛ばなさや、安定感が少し低いため「コントロール性&安定性を上げるカスタム」をした方が個人的には扱いやすいです(わざわざ軽いラケットを買ってカスタムした方が高性能になります)。

 黒色というのが、かなり良い点です。

面積重量バランススイングウェイトストリングフレーム厚フレックス
9731531032116×1921.5-21.5-21.5mm66
総合ストロークボレーサーブリターン
8583848283
反発コントロール操作性安定性打感柔らかさフィーリングトップスピンスライス
7987858386868485


 プリンス ツアー100(緑) (扱いやすさNO1)

 ストリングが16×18本なので、ほぼ完全ボックス形状のラケットにしては、反発性が強いです。また面ブレを抑制する荷重が比較的多いことや、縦のストリングの横幅が均等に入っているため、ミスしても着弾点がブレにくいです。

 色で緑色を使っている点については、好き嫌いが分かれるかもしれませんが、扱いやすさはNO1のラケットです。性能スコアは310gですが、290gがあるのも良い点です。

 ※スコアは緑色の旧モデルのラケットです。新モデルの白色のラケットもおすすめです。

面積重量バランススイングウェイトストリングフレーム厚フレックス
10031031032716×1822-23-20mm66
総合ストロークボレーサーブリターン
8789858486
反発コントロール操作性安定性打感柔らかさフィーリングトップスピンスライス
8585868587868785


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