テニスで軽いラケットを使うデメリット・メリット

テニスで軽いラケットを使うデメリット・メリット

2020年10月3日 0 投稿者: gura

 テニスで、女性や男性でも「体力や筋力がないから軽いラケットが良い」という方が多くいますが、軽いラケットにはメリットもありますが様々なデメリットがあります。

 また、女性が300gのラケットを使えないかというと、そうではありません。もちろん、初心者の場合操作性の良い少しだけ軽めの方が良いですが、中級以上である程度打てる方ならば、300gでも問題はないです。一応、一般的な主婦の方でも300gのラケットを使っている方がいらっしゃいます。





 デメリット

 コントロール

 軽いラケットを使う一番のデメリットは、コントロール性です。

 ラケットを使うのは人間ですから、スイートスポット(スイートエリアではなく)で毎回打つのは不可能です。ストロークを打つとき、フェイス面(ストリングが張ってある部分)の下側で打つと、ボールの威力でフェイスの下側が押され、フェイスが下に向きます。そうなると、当然ですがネットします。逆に上側で打てば、フェイスが上に向きアウトします。

 この現象を抑えるのが、フェイス面の3時&9時方向の重量です。この位置に荷重があることによって、慣性が大きくなりフェイス面のブレを軽減させるのです。軽ければ面がぶれやすく、重ければ面がぶれにくいのです。

 ウィルソンのプロスタッフは、「PWS」といって、フェイス面の3時&9時の位置が、少し飛び出ている部分があるのが分かると思います。この位置のカーボン量が多い上、ウレタンも注入されているため、この部分の重量が多く、面ブレを抑制しています。
 また、最強伝説があるピュアドライブなどの黄金スペックと呼ばれるラケットは、3時&9時の位置のフレーム厚が厚い(トップから23-26-23㎜など)です。これも、カーボンやウレタンでこの位置の重量が多くなるため、面ブレの抑制効果がわずかにあります。

 重ければ重いほど慣性が強くなり、スイートスポット外で当てた時の面ブレを抑制することができます。

 ショットスピード

 軽いラケットは、反発性も弱く・コントロール性&安定性も低いため、ショットスピードが出しにくくなります。重いラケットより軽いラケットの方がスイングスピードを上げることはできます。しかし、空気抵抗やコントロール性からそこまでスイングスピードを上げることができず、思いのほかショットスピードが出ません。

 また、重いラケットなら、当てるだけでもしっかりボールが飛んで行ってくれます。少し重いラケットをテイクバックを小さくして打つ方が、安定性が高まります。

 相手のボールが速かったりする場合(スイングタイミングが適正の時)、余計にショットスピードが出せません。

 メリット

 操作性

 軽いラケットを使う一番のメリットは、操作性です。

 当然ですが重ければ重いほど、操作がしにくくなります。特にボレーは、相手との距離が近くより素早いラケット操作が求められます。その場面で400とか500gのラケットを使ったら、ラケットセットが間に合わなくなります。

 ただ軽すぎても、ラケットが弾かれたり、面ブレを起こしたりします。また、ど真ん中で打つために、丁寧にタイミングを計ると、振り遅れたり、ボールへの距離感が合わなく打点がつまり、テニス肘になったりもします。

 重めのラケットをお勧めする理由

 個人的には、重めのラケットをお勧めします。コントロール性・ショットスピード・コントロール性は上記で解説した通りです。

 また、軽いラケットはトップヘビー(グリップライト)という、重量のバランスポイントが先端にあるものが多いです。

 軽くしたいけど、相手のレベルを考えると打点付近にそれなりの重量が必要で、トップヘビーのラケットになってしまっています。

 ゆえに、トップヘビーの軽いラケットは、金づちを持つような不安定さがあります(軽い分で軽減はされています)。逆にトップライトのラケットは、金づちを鉄の方で持つような安定性と操作のしやすさがあります。つまり、「軽い分だけ操作性が上がった」と一概には言えないのです。

 手首より先の操作性は、「重量×バランスポイント」の計算で大まかには分かります(実際は空気抵抗やスイングウェイトも含まれる)。ピュアドライブは300g(320㎜)が96000に対し、285g(320㎜)は、91200、270g(330㎜)は、89100です。つまり、300g→285gは4800違うのに対し、285g→270gは2100しか違いありません。

 これらのことより、主婦層の女性でも285g(軽くても270g)をお勧めします。中・上級の女性なら、300gを使ったほうがパフォーマンスが高くなりやすいです(もちろんラケットにもよりますが)。

 ただ、デカラケという101インチ以上のラケットを使う場合は別です。フェイス面積がでかいラケットは、空気抵抗が大きく振り抜きにくいです。少しトップが重いことにより、ラケットの先端が勝手に走ってくれるため、空気抵抗の影響が感じにくいです。そのため、少しトップヘビーのラケットをお勧めします。




 たかが15gたかが5㎜

 テニスラケットは、重量が15g単位、バランスポイントが5㎜単位で変わることが多いです。たかが15g・たかが5㎜なのですが、この差はかなり大きいです。

 一番わかりやすくするなら、振動止めをラケットの先端に付けてみてください。一般的な振動止めで2g~4gあるので、2つか3つです。だいたいですが、ラケット先端に荷重するとき、1g荷重すればバランスポイントが1㎜トップに行きます。たかが数g&数㎜ですが、ほとんどの方は体感できてしまいます。

 正直に言って、5gなどの総重量は感じ取れません。ただ、バランスポイントが5㎜だけずれたり、ラケット先端が数g重くなると、スイングした時に体感できます。ラケット先端が勝手に走るイメージです。


 まとめ

 軽いラケットは、相手のボールに打ち負けないようにトップヘビーになっていて、重量の割には操作性が良くありません。「15g軽くなったら15g分操作しやすい」というわけではないです。

 少し重めのラケットを使うことにより、安定感が出せます。したがって、振り遅れない程度の重さのラケットをお勧めします。