ピュアドライブのガットの選び方とテンションの決め方
2020年8月24日日本では最強と言われる「ピュアドライブ」。
ただ、日本ではフォーカスされてないだけで、上のリンク先でディスりまくったように、ピュアドライブにはピュアドライブなりのデメリットがあります。逆にツアースペックのラケットは、「飛ばない」と言われ敬遠されがちですが、振り抜きやすさだったり、フラットドライブの安定性(特にボールの伸び)だったり、様々なメリットがあります。
ピュアドライブ特性
ラケットフレームの特性
基本的に、フレーム剛性がしっかりしており、フレームのねじれ等によるエネルギー損失が非常に少ないです。そのため、100インチラケットの中では、トップの反発性(2021年モデル)を誇ります。
打感は、フレーム剛性がしっかりしているのですが、スマック社の技術などを盛り込んでおり、フェイスの撓み感や、振動吸収のおかげで、硬く感じません。「フレーム剛性が高いな」というイメージです。フレーム剛性が高いので、弾き感が強く打感が軽いです。
ラケットのストリング特性
同じ16×19本でもストリング間隔が、過去最高に広いです。他社のスピンモデルと同じくらいではないかと思うくらいです。
2012や2015年モデルは、スイートスポットあたりがストリングの目が細かくなっていましたが、2018年以降は均等に見えるほどです。したがって、良いか悪いか別として、スナップバックの移動量は非常に大きく、スピン量が半端ないです(2018年モデル)。副作用としてコントロール性はあんまり高くないです。
2021年モデルからは、フェイス部のねじれ剛性を高めることで、スピン量は減りましたがコントロール性は少し上がり、黄金スペックの標準位となりました。スピン量は正直、インスティンクトと同じくらいであり、非常に少ないです。プロスタッフ97(315g)(結構スピンが多いモデル)よりかかりにくいです。
ストリング選びの考え方
ストリング間隔が大きいということは、基本的に、スナップバック量が大きいです。「スナップバックが大きければ、スピンがめちゃくちゃかかって良いじゃん!」という方もいるのですが、スナップバックが重要なのはストリングが戻ろうとする力であって、“スナップバック量”ではありません。
ここにも書いてあるのですが、スナップバック量が大きいとボールとストリングの初期接触点から少し下にずれます。そうなることでラケットの下側が押され、面が下に向きネットにかかります。スピンショットのみを打っていればある程度影響は少なくなりますが、それだとフラットドライブのボールの伸びがないため、決め球も決めにくくなります。
ダニエル太郎選手も「課題だ」と言っていました。アルパワー[レビューを見る]などにナチュラル張れば解決しそうですが、予算かな?
ナダルもピュアドライブとストリング間隔が同じようなピュアアエロを使っていますが、フラット系の安定性を高めるために、RPMブラスト[レビューを見る]の“1.35㎜”を55lbという一般人から見れば鉄板に見える仕様です。ナダルのスピンは、フィジカルとピュアアエロの振り抜きの良さ(アエロ形状)により生み出されています。
ピュアドライブを使っているフォニーニは、テイクバックが小さくスイング速度は速くは見えないですが、RPMブラスト1.30㎜を縦は60lbの高テンションで張り、フラットドライブの安定性を出しています。ラケットのパワーがあるため、テイクバックを小さくして、コントロールに意識を向けて打っているように感じます。
ストリングの選び方
ストリングは、伸び量が少なめ(打感の硬さとは別)のをお勧めします。伸び量が少ないことでスナップバック量を少なくし、かけたい時にはスピンがかかり、フラットドライブで打ちたい時は打てるからです。
ただピュアドライブ(2018&2021年モデル)はどうしても、自然とスピン量は多くなってしまうため(コントロール性の良くないラケットの特徴)、ボールの伸びは少ないです。したがって、スピン量(高く跳ねる)やボールの初速の速さを武器にしていかなければいけないラケットです。、さらに、ボールがストリングの影響を大きく受けるラケットであるため、ストリングのコントロール性も重要になります。
スピングリグリで、フラットドライブが要らないプレイヤーなら、スピンストリングで柔らかめに張っても大丈夫です。しかし、フラットドライブも欲しい場合、テンション的には結構硬めに張らないと(丸型ストリング)、安定しません。硬めに張ってもストリングの目が広いため、面圧は低いです。そのため、思ってる以上には硬くはならないです。目安としては、普通に打って少し硬いかなと思う程度がおすすめです。
細かくは、ストリングの種類・使う人の能力求めるもので20lbは違うため、差し控えさせていただきます。結構ハイパーG[レビューを見る]は、硬いくらいの弾き(反発は控えめ)のため緩く(40lb)張ってもストロークは打ちやすかったです。ただ、タッチショットはストリングが硬い(弾きが強い)ため、難しかったです。バックハイを狙ったのエッグボールの攻撃力は非常に高いです。
2018年モデルは、スピン量が多いのですがコントロールはスピン系ラケット並に良くないので、どちらかというとコントロール性の高いもの・飛びが強いものを選び、余力をコントロールに向けた方が良いです。
2021年モデルは、結構スピン量が控えめなので、ポリの場合スピン量が多めの方が良いでしょう。逆にナイロンの場合、スピンがかかりにくいナイロンだと、少し辛さが出るかもしれません。こちらもスピン量が多いナイロンを使った方が良いと思います。
おすすめストリング(ポリ)
2018年モデルは、アルパワー[レビューを見る]やルキシロンオリジナル[レビューを見る]、ファイアーストーム・ホークなど、コントロール性が高く飛ぶストリングで、より多くコントロールに意識を向ける方法が良いと思います。また、 ハイパーG(おすすめ)[レビューを見る]・ツアーバイト・ポリツアースピン・ポリプラズマヘキストリームピュア[レビューを見る]が、多角形ですがコントロール性が高く、良いかもしれません。スピンによりバウンド後高く跳ねるため攻撃力が高いです。ただ、打感が許容できればですが。多角形ストリングは比較的硬めの打感です(ハイパーgは比較的寛容)。
2021年モデルの場合、スピン量が少ないので、ルキシロンオリジナル【インプレを見る】や、ホークタッチ、アルパワーなど少しスピン量が多く、コントロール性が高いストリングの方が扱いやすいと思います。多角形ストリングは、攻撃力という意味では、あまりお勧めしませんが、ミスの少なさという意味の安定感が欲しい場合はお勧めします。また、初速の速さでバウンド後のスピードを補うという場合、ハイパーG【インプレを見る】やポリプラズマヘキストリームピュア【インプレを見る】をお勧めします。
どちらのモデルもまず始めにルキシロンの「オリジナル【インプレを見る】」をお勧めしてます。飛びは[4/5点]でスピンも丸型のポリの中でトップクラスにかかります。また、伸び量が多くないのでローテンションで張ってもコントロールが乱れにくいです。コントロールもかなりしやすいですし。テンション維持も結構良い方だと思います。逆にRPMブラストは良くない方です。
次に、スピンが欲しければハイパーG【インプレを見る】です。ハイパーGは多角形ポリの中で比較的打感が寛容です。ハードヒットした時のコントロール性も高いです。飛びが控えめなのと滑ってくるようなボールの伸びは出しにくいので第2選択肢になっています。
おすすめストリング(ナイロン)
ナイロンの場合、エックスワンバイフェイズ【インプレを見る】・NRG2・NXTが比較的コントロールが高めでおすすめす。
2021年モデルの場合スピン量が多くコントロール性が高い、エックスワンバイフェイズ・NXTをお勧めします。