厚いグリップでサーブを打つメリット・デメリット
2020年9月30日一般的に女性が多いのですが、ウエスタングリップや・セミウエスタングリップ・イースタングリップなど、一般的なコンチネンタルより厚めのグリップでサーブを打っている方がいます。
基本的には、厚めのグリップはお勧めしません。ただ、メリットも少しあるので、このページでは、メリット・デメリットを解説していきます。
厚いグリップのメリット
安定感
1番のメリットは、フラットで打った時の安定性です。コンチネンタルグリップの場合、少し手首を後ろ側にコックする(曲げる)必要があります。このコックが必要ないことで、初心者でも安定感が出ます。また、普段のストロークで持っているグリップなら、その延長で打てば良いため、コントロールが乱れにくいです。さらに、トスが低くていいので、トスをした角度が同じでも、打点付近のずれが少ないです。
サーブの伸び
2番目のメリットは、バウンド時のボールの摩擦による減速量が少ない上、跳ねないため、リターンがしにくいです。感覚としては、ボールが滑ってくるイメージです。
打点が低いため位置エネルギー(下向きの力の量)が少なく、バウンド時の接地圧力が小さくなります。その結果、ボールとサーフェス(コート)の摩擦が小さく、思ったより減速しません。また、上から叩きつけているわけではないため、跳ねる量も少なく、思いのほかリターンしにくいです。
ただ、「しにくい」だけであって、絶対的な威力や変化がないので、レベルが上がるとそれだけでは通用しなくなります。
リバースサーブ
3番目のメリットは、リバースサーブ(右利きなら右に曲がっていくサーブ)の回転量です。ワイパースイングといわれる、手首を使ったスイングができるので、回転量が多く、リターンがしにくいです。
厚いグリップのデメリット
安定感
メリットで、「安定感がある」と言いましたが、あまり速くないサーブに限ってです。厚いグリップ(打点が低い)で速いサーブを打つ場合、ネットギリギリを狙わないといけないためシビアなコントロール力が必要になってしまうため、デメリットになります。
サーブスピードを出すためには、体の回転や腕のスイング・手首(プロネーションなど)の使い方など、いろいろなことをしなければなりません。腕のスイングだけでボールスピードを出そうとすると、相当力まないとスピードが出ません。
その結果、コントロールも乱れますし、テニス肘などの怪我を誘発する可能性も高まります。
逆に、体や腕・手首を上手く使えれば、軽く振っただけでボールスピードが出るため、コントロールが乱れにくいです。
回転系サーブ
厚いグリップは、リバースサーブの回転量は上がりますが、スライスやスピンサーブの回転量は多くできません。コンチネンタルグリップの場合、小指側を緩く持っておいてインパクトのタイミングでしっかり握ることでラケットヘッドがより走り回転量が増えます。しかし厚いグリップではできません。持ち替えればいろいろなことがしやすいですが、相手に対策されます。
まとめ
基本的には、イースタングリップやセミウエスタングリップ・ウエスタングリップなど厚いグリップでサーブを打つのはお勧めしません。厚いグリップだと、ボールスピードが出にくい上、フラットサーブしか打てないことが多いからです。
最初のうちは、手首の角度を上手く操れないことが多いため、イースタングリップ程度で打ったほうがいいと思います。
「仲間内で楽しければいい」という方は別ですが、「少しでも上達したい」「仲間にも勝ちたい」という意思がある方は、コンチネンタルグリップへの移行をお勧めします。
コンチネンタルグリップへ移行することによって、フラットサーブの威力アップはもちろん、スピンサーブやスライスサーブで相手を崩すことができます。打てるようになれば、難しい課題を乗り越えた達成感も味わえます。
フラットで打つ場合は、少しイースタングリップ寄りのコンチネンタルグリップで打った方が安定はします。
コンチネンタルグリップへの意向の仕方
コンチネンタルグリップでサーブを打ってみると、左のボールが飛んで行ってしまうと思います。当然ですが、手首をコックできなければ、体の構造上ラケットの面が左側に向いてしまいます。コンチネンタルグリップを使わない人の理由は、これです。
そこでフォロースルー(打った後のラケットの動き)を変えてみてください。簡単に言うと、打った後、体の右側にラケットを振り抜きます。イメージで言うと、打った後、肘を支点に下に振るイメージです。
そのフォロースルーができれば、手首の角度が分かっているため、体の左側にフォロースルーしても問題なく打てるようになります。
フラットで打てるようになれば、スライスサーブやスピンサーブが、比較的簡単に打てます。(ストリング性能が関係しますが)