練習せず意識するだけでストロークが安定する方法

練習せず意識するだけでストロークが安定する方法

2020年8月10日 0 投稿者: gura

 巷で、「安定するストロークの打ち方」を検索すると、練習が必要なものだったり、当たり前でもなかなかできないことだったりと、すぐには使えません。このページでは、練習をする必要が一切なく、意識するだけで劇的にストロークが安定する方法を、紹介していきます。



 狙う場所

 一番効率が良いのは狙う場所を変えることです。変えるといっても、甘いコースを狙うとかではありません。ネットの直上に「架空の的」を作りそこに向かって打つのです。

 具体的な例は、画像のような感じです。

 人間は全ての人が、マルチタスク(同時に物事を遂行すること)が苦手です。できているように見えても、慣れであったり、パフォーマンスが100%ではないです。

 これをストロークで例えると、通常は、打点まで行って「着弾点を決め、ボールとネットとのクリアランス&コースを決めてから、スイングパワー・スイング角度(ボールを飛ばす向き&スピン量)」を計算し、ショットを打ちます。マルチタスクが苦手な人類は、この時着弾点に意識が行きすぎるとどうしても、ネットへの意識がおろそかになります(スイングにも意識が行ってるため特に)。もちろんおろそかになれば、ネットにかかる確率が上がります。

 そこでネット直上に架空の的を作り、そこを狙います。着弾点を意識しなくても、フラットドライブで強打しネットギリギリを通せば、(アングルショットではない限り)自動的にコートに収まります。アングルショットの場合は、球速を少し遅くしてスピン量を増やして、ネット上の的を狙えば自動的にコートに収まります。「結局着弾点を計算してんじゃないか」と思うかもしれませんが、ボールを打つ瞬間、通常は「スイングスピード+スピン量+ネットとのクリアランス+着弾点」を意識しないといけないですが、ネット上に架空の的を作ることによって「スイングスピード+スピン量+ネットとのクリアランス(打点に入る前に、狙う着弾点から、スイングスピードとスピン量を弾き出す)」を意識すればいいだけで、タスク数が1つ減っているため、安定します。

 少し理解しにくい解説で申し訳ないのですが、「ネットギリギリを通せば強打しても、コートに自動的に収まる」という意味で解釈してください。「弱めに打ってネットギリギリを通せば、アングルショットに自動的になる」という意味にもなります。

 正直に言って分かりにくいと思いますが、実践してみればその効果は一目瞭然だと思います。

 ただ、高反発のテニスラケットはコントロール性(高反発=低コントロールではなく別物)が良くないので、丁寧に打つ必要があるラケットです。また、ストリングもコントロール性の低いものや極端にローテンションで張っているものもコントロール性が低いので、ショットが安定しにくいです(丁寧に打つ必要がある)。しっかり振っていきたいなら、コントロール性が高いラケットが必要です。

 反発に関しては、コントロール性が良いラケットは余力が少なくても良いため、同じくらいボールスピードが出せます。その証拠に、ピュアドライブ2018とグラビティプロを持った男子学生の場合、グラビティプロの方が「ボールスピード・精度・安定性・伸び」が全てにおいて上でした。



 手首

 一般的に手首を使った打ち方が「脱力ショット」とされ、理想とされていますが、適性があり完全理想というわけではないです。

 基本的に、手首を主体で打つスタイル(ハチャノフ・カラツェフなど)、手首を固定して腕の力で振るスタイル(大坂なおみ・メドベージェフなど)、その両方を使うスタイル(フェデラー・ナダル・ジョコビッチなど)、の3種類がベースで、人によって3種類の中で無限大に差があります。


 では、どう違うのか?

 まず、ハチャノフやカラツェフなど、手首主体で打つ方法ですが、テイクバックが小さい分(比較的視界に入っている)オフセンターショットになりにくいです。通常はストリングのコントロールの影響が受けにくいです。スピンがかかりすぎるラケットでもフラットで打ちやすかったりします。ただ、オフセンターショットをしたときに、手首が固定されていないため、面ブレが起きやすいデメリットがあります。

 次に大坂なおみやメドベージェフのような、手首を固定して打つ打ち方ですが、手首を固定しているためオフセンターショットをした時のラケットの面ブレが最小限です。ただ、ボールスピードを出すためテイクバックが大きくなりやすく、少しオフセンターショットをしやすいです。

 次にBIG3らのような、両方を使うスタイルは、テイクバックが大きい(オフセンターショットしやすい)のに手首を固定していない(面ブレを抑制できない)ため、結構コントロールが乱れやすいです。逆にメリットは、球速が出し易かったり、怪我の防止などがあります。ただ、特に高反発ラケットなど「低コントロール・低安定性のラケット」ほどこのスタイルは難しいです。逆に、高コントロール&高安定性のラケットはしやすいです。

 ではどのスタイルにするか、

 まずグリップの握りがイースタングリップなど薄い場合は、基本的には手首を固定した方が安定します。もともと手首の可動範囲が広いのに、より稼働させてしまうと、コントロールが乱れやすいです。ただ、固定しすぎるとテニス肘になりやすいので、完全に固定するのではなく7割とかでしてください。

 次に、低コントロール&低安定性のラケット(主に高反発ラケット)ですが、面ブレを誘発するスナップバック量が多いため、手首を固定するか、手首を主体にしたスイングをした方が安定します。手首を固定すれば面ブレを抑制できますし、手首主体で打てば面ブレを誘発するオフセンターショットを少なくできます。もちろん、手首は固定しすぎるとテニス肘になりやすいので、完全に固定するのではなく7割とかでこてしてください。

 グリップが厚く、高コントロール&高安定性のラケットを使っている場合は、手首を固定した方が安定度は高いと思いますが、(手首を固定した時の)怪我のリスクとかを考えると、通常は両方を使ったスタイルで打ち、ロブのような落ちてくるようなボールの時(オフセンターショットになりやすい)や、速いボールなどの時だけ手首を固定するという手もありです。


 テイクバック

 基本的にテイクバックは、大きく複雑になればなるほど、パワーは出ますがコントロールが乱れます。

 テイクバックで安定させるには、テイクバックの大きさを小さくすることと、テイクバックした時に溜を一瞬作ることが大切です。

 まず、テイクバックの大きさからです。テイクバックを小さくすれば、伸びてきたり、イレギュラーバウンドしたりする想定外のボールに対して対応しやすくなります(溜が多く取れるため)。さらに、速いボールに対してもスイートエリアに当てることが容易になり、安定感の向上になります。

 テイクバックを小さくすると「パワーがなくなるのでは?」と思ってしまいますが、テイクバックを10%小さくしたとしても、パワーのロスは数%なため、オフセンターショット時の飛ばなさのデメリットや、安定感をもとにコースを狙ったほうが攻撃力のあるショットが打てる場合も多いです。。

 次に、テイクバックの溜めです。テイクバックしたところでしっかり止まることで、ストロークの安定感が増します。逆に溜がない(テイクバックで止まらないで打ち始める)場合、伸びてきたボールなど想定外のボールに対し絶対に振り遅れます。

 また、溜めを作ることで、ボールに対し意識を向けることができ、しっかりとした打点でとらえることができます。これは、意識がスイング(テイクバック)に行っているため、ボールへの意識が少なくなっており、打点が合わなかったりし、コントロールが乱れます。(先ほども述べたマルチタスク)
 女性ほど、この溜がない人が多いため注意が必要です。テニス肘にもなりやすいです。


 スイング軌道

 少し意識するのが難しくなりますが、スイング軌道についてです。

 基本的に、打つ時に「面の向き」を意識しながら振っていくと、比較的安定しやすいです。ただ、余裕があるときだけにしてください。余裕がない時に意識が向きすぎると、オフセンターショットをしてコントロールが乱れるだけではなく、打点が詰まったりしてテニス肘になる場合もあります。


 他

 他に、ラケットでは、18×20のラケットや、スピードMP、ツアー100など、高コントロール&高安定性のラケットの方がショットが安定します。
 一方高反発ラケットは、コントロール性&安定性が低いラケットが多く(特に軽量モデル)、ボールスピードを出そうとすると意図した完璧なスイングが求められます。したがって、高反発ラケットは丁寧にしっかりと安全マージンを取って使う必要があります。安定させたければ、少しコントロール性の高いラケットを使うかもっと丁寧に打つかです。


 ストリング(ガット)も重要です。ラケットとストリングの性能比は50:50と言われ、ストリングもコントロール性・安定性を決める重要な要素です。ストリング自体のコントロール性&安定性もそうですが、張るテンションによっても変わり、「ローテンション」過ぎると、ストリング自体の反発性は上がりますが、コントロール性や安定性が低下するため、出せるボールスピードが遅くなったりします。