ストリングが18×20本のラケットを使っているプロ選手

ストリングが18×20本のラケットを使っているプロ選手

2020年7月12日 0 投稿者: gura
こちらのページで18×20のラケットを使うことで、スピンがかかりにくくなるため、バウンド時の減速が少なく、伸びるようなボールが打てるということを解説いたしました。

 このページでは、ストリングパターンが18×20本のラケットを使い、伸びるボールを武器としているプロ選手を紹介していきます。




 シングルトップ10選手(2020年7月)

ランキングはテニスデイリーを参考にしています。

 ノバク・ジョコビッチ

現世界ランキング(最高位)シングル:1位(1位)
戦歴ATPツアーシングルス:79勝
     ダブルス:1勝
ラケットヘッド スピードプロ
ストリングパターン18×19
バックハンド両手打ち
コメント左右に毎回振り、相手を崩した後、ピンポイントできわどいコースをつき、得点を取っていくていくスタイル。

 ドミニク・ティーム

現世界ランキング(最高位)シングル:3位(3位)
ダブルス:(67位)
戦歴ATPツアーシングルス:16勝
ラケットバボラ ピュアストライク18×20
ストリングパターン18×20
バックハンド片手打ち
コメントウィナ―のコース・スピードともに完璧!18×20ではありえなうようなスピンボールも打つ。

 ステファノス・チチパス

現世界ランキング(最高位)シングル:6位(5位)
ダブルス:(68位)
戦歴ATPツアーシングルス:5勝
ラケットウィルソン ブレード18×20
ストリングパターン18×20
バックハンド片手打ち
コメントジョコビッチやナダル・フェデラーなどと比べ圧倒的な攻撃力はないが、いい意味でショットのムラ(深さなど)があり相手が崩れる。

一つ上の動画参照

 アレクサンダー・ズベレフ

現世界ランキング(最高位)シングル:7位(3位)
ダブルス:(68位)
戦歴ATPツアーシングルス:11勝
     ダブルス:2勝
ラケットヘッド グラビティ ツアー
ストリングパターン18×20
バックハンド両手打ち
コメントお手本のようなテニス。コースもポイントで狙える上強打も良好。ミスも少ない。ただ、防御ショットは相手に決められていることが多いかな。




 ガエル・モンフィス

現世界ランキング(最高位)シングル:7位(6位)
ダブルス:(155位)
戦歴ATPツアーシングルス:10勝
ラケットウィルソン ウルトラツアー97
ストリングパターン18×20
バックハンド両手打ち
コメントしっかり打点に入ったフォアハンドの強打は、ギネスクラス。また身体能力も高く、トリッキーなプレーやコートカバーも広くジョコビッチにサーブ&ボレーをさせるほど。ドロップなど細かなプレーは、あまり決められない。

 ダビド・ゴファン

現世界ランキング(最高位)シングル:10位(7位)
ダブルス:(158位)
戦歴ATPツアーシングルス:4勝
     ダブルス:1勝
ラケットウィルソン ブレード18×20
ストリングパターン18×20
バックハンド両手打ち
コメントシコラータイプ。コースも同じところに打つことが多い。そのためミスが少ない。しかし、相手に打ち込まれることも多い。

 ATPランキングトップ10の内、6人も18×20のストリングパターンのラケットを使っています。

 番外編

今現在のATPランキングは下がってしまいましたが、ケビン・アンダーソンなども18×20のラケットを使っています。
 さらに、ダブルスのグランドスラム優勝数歴代1位(16勝)、ATP大会最多優勝記録(118勝)、世界ランキング1位最長記録など数々の記録を残し、史上最強のダブルスチームと名高い“ブライアン兄弟”は、95平方インチのストリングが18×20本のラケットを使っています。

 18×20では無いですが、ATPランキング(シングル)5位のダニール・メドベージェフは、18×19本(テクニファイバー:T-fight)、錦織圭は、16×20本ですが95平方インチと、ストリングの目が細かいラケットを使っています。フェデラーも最初は85平方インチのラケットを使っていました。


 実際のラケットの仕様

 世界のトッププロに関して、ラケットは、特注だったり、金型が違ったり、過去のモデルだったり、ウェイトなどカスタム内容が違っていたりと、市販モデルと違うことがほとんどです。

 
 ジョコビッチは、ヘッドのスピードの95平方インチ(18×19本)のラケットを使っていると言われています。そのモデルを、そのまま売っても多くの一般人が使えるわけがなく、メーカーの利益にならないため、使いやすいようにスペックを落ち着かせて販売しています。 

 さらに、ガスケにおいては、「エクストリーム」を使っている?(エクストリームのイメージ選手になっている)と言われていますが、実際は過去のボックス形状寄りの「インスティンクト」であって、「エクストリーム」の広告塔になるためだけに、塗装だけ変えて使っています。(インスティンクトはシャラポワという広告塔がいるため)


 「俺はジョコビッチになりたいんだ!!」「錦織になりたいんだ!!」と同じモデルのラケットを買ったとしても、実際に使われているラケットとはほぼ別物です。塗装は同じですが。

 まとめ

ATPランキングシングルストップ10の選手の内6人が、ストリングパターンが18×20本のラケットを使っています。これは、ボールのスピン量を抑え、バウンド時の減速を少なくし、バウンド後に伸びがあり、打ちにくいボールを打つためです。当然18×20のラケットを使うデメリットもありますが、何かしらの攻撃ポイントがないと、世界のトップでは勝てないということなのではないでしょうか。例えば、18×20は、ボールの伸び。16×19は、ナダルのようなスピン、フェデラーのような多彩な技術(スピンサーブやドロップボレーなど)などです。

 日本の一般人に18×20のラケットは筋力がなく使えないと言われていますが、逆に考えると、使っている人が少ないから「“少し”しか伸びなくても相手を崩せる」(打ったボールに相手が慣れていないため)のではないでしょうか。自分の感覚ですが、ボールの初速はもちろん落ちます。しかし、初速は遅くてもバウンド時の減速量は少なく伸びているように感じるため相手が崩れてくれる回数が多くなります。
 個人的に一番返しやすいのは、それなりのスピードボールでスピンのかかりもそれなりで、コースが甘いボールです。逆に、ボールスピードが遅い、スピン量がとても多い・とても少ない(速球限定)、コースが厳しいと、かなり崩されます。

 18×20のラケットはストロークの球威で押していく、16×19のラケットは変化するサーブ・きわどいコース(アングルショットなど)・ドロップなど多彩な技術で点を取っていく、または、ナダルのようにぐりぐりのスピンで崩していくイメージでいいかと思います。