ピュアドライブ2018(2021)とピュアドライブVSの比較インプレ
2020年6月10日 ノーマルのピュアドライブ(2018)と、ピュアドライブVSの両方を打ち比べたので比較インプレしていきます。
ピュアドライブ2018 | ピュアドライブvs | |
フェイス面積 | 100̻平方inch | 98平方inch |
重量 | 300g | 300g |
バランス | 320㎜ | 320㎜ |
フレックス(RA) | 72±3 | 70±3 |
フレーム厚(上から) | 23-26-23 | 21-23-21 |
ストリングパターン | 16×19 | 16×19 |
ノーマルのピュアドライブとピュアドライブVSのメーカーが公開している違いは、上記よりフェイスサイズが2平方inch違う・フレックスが2違う・フレーム厚が違うことだけです。
自身で見比べてみると、ピュアドライブVSの方が、フェイスの縦の長さが短く、横のストリングが中心ではコンマ数ミリ・端では1.数ミリ詰まっています。上から見た場合のフレーム厚、縦のストリング間隔、フェイスの横幅は、変わらないと思います。
打球感
両方ともフレーム剛性が高く、ストリングが弾いてくれるような打球感です。
VSの方がメーカー公表値のフレックス小さい(しなりが多い)ものの打球感的には少し硬いです。単にフレームが硬いというわけではなく、衝撃吸収性がノーマルの方が良いという感じです。
通常中厚系ラケットは、グロメットホールのところのカーボンがダンピングしてると思うのですが、それが少ないのかな?と思います。少し衝撃吸収性が良くない一部の多角形ストリングでは、辛かったです。
ノーマルのピュアドライブの衝撃吸収性は、良くも悪くもなく平均位です。フレームは硬いけれど、グロメットの柔らかさやカーボンのダンピングによって、打感は硬くもなく柔らかくもないというセッティングになっています。ただ、フレームがしならない分、打球感があっさりはします(高反発・低コントロールラケットの特徴)。これが嫌なら薄ラケをお勧めします。
振り抜き
ノーマルのピュアドライブとピュアドライブVSの一番の違いが振り抜きです。包丁持ちした時正面に見えるフレーム厚が上から2㎜・3㎜・2㎜小さくなり、フレームが2平方インチ小さくなっただけなのですが、振り抜き感が全く違います。
黄金スペック(フェイスサイズ100平方インチ・重量300g・バランス320㎜・フレーム厚26㎜)のラケットは、振ってみると空気抵抗でスイングと逆方向に押されている感じがありますが、ノーマルのピュアドライブを振った後にvsを振ると、ラケット全体が勝手に走るイメージです。両方とも300gですが、VSの方が軽く感じます。スイングウェイトもノーマルより3ほど軽いみたいですが、ラケットトップのフレームの正面厚が薄いせいです。
ピュアドライブVSの方が振り抜きやすいので、速いボールもベースライン近く(下がらなくても大丈夫)で打てます。フラット系や高スピン系の伸びてくるボールに関しても、スイングスピードがあげられるため、振り遅れが少なくなりました。ラケットが動きやすいので、速いサーブも取りやすいです。
片手バックの人には絶対にVS(98インチ)をおすすめします。プロも良く言っていますが、100インチの中厚ラケットは、振り抜き的に厳しいみたいです。
ボールスピード・コントロール
ボールスピードに関しては、コンパクトに振った場合VSの方が少し飛ばないと感じましたが、しっかり振ったときは、振り抜きの良さからスイングスピードが上がっている(同じスイング力でも)ため、そんなに大きく変わりません。どちらが楽かといえば100インチです。※2021年のノーマルピュアドライブと比べると、ノーマルの方がかなり飛びます。
コントロールに関しては、操作のしやすさからVSの方が若干上かなと思いました。また、少し飛ばない分力加減が上手くできます。ストロークのボールスピードは、ノーマルのほうが出ますが。
ただ、ショットの安定感は、両方ともピュアドラらしい不安感があります。飛ばすラケットということもありストリングの目が粗いため動き過ぎてしまいます。やっぱり、しっかり振っていくよりは、丁寧に打っていかないといけないラケット(中厚系ラケットの特徴)です。しっかり振るというより、当てる感じで飛ばす方は、ノーマルのピュアドライブがいいと思います。VSは、ラケット全体で見れば、高反発の黄金スペックと薄ラケ(16×19)の間位です。
サーブに関しては、ただ入れるだけならノーマルのピュアドライブは当てるだけで入るけれども、ピュアドライブVSは少し振らないという感じです。サーブは、相手のボールの影響を受けないため、ノーマルピュアドライブの方がアドバンテージがあると思います。サーブをフラットで打ったあと、スピン・スライスで崩すという緩急のつけて打つと、えげつない攻撃力になります。絶対的な精度はVSです。
スピン
スピン性能に関しては、違いが分かりませんでした。横のストリングの感覚が詰まっているのですが、フレーム厚が2㎜~3㎜薄くなったおかげで、上向きの振り抜きの良さが出たからだと思われます。ただ、同じ軌道で打つとVSの方は、そこまで回転量が多くないため、フラットドライブの安定感はあります。
※インプレ時のストリングのテンションは、ピュアドライブとピュアドライブVSで違います。
少しスイングスピードが速めの方は、ストリングを伸びの少ないものを選ぶか固めで張らないと、スナップバックの大きさから、フラットドライブの安定性が低いかなと思いました。
2021年モデルのノーマルのピュアドライブは、スピン量がプロスタッフ(315g)位と少なめとなっています。スピンが少ないのはメリットのように感じる人も少なくないとは思いますが、フラットで打った時と振り上げて(スピンをかけて)打った時の差が大きくなく安定感(ミスが少なくなる)が出ます。
ストリング
両方とも「ソリンコのハイパーG」を張っていたのですが、このストリングはコントロール性・ショットの再現性が高く、振りあげればしっかりひっかかりスピンがかかるし、たわみ量も少ないため、コントロールがしやすかったです。
ただ、「コントロールしやすい」というのは、バンバン打ってもコントロールが乱れにくいという意味です。多角形のストリングは、スピンがかかりすぎてしまうため、フラットドライブの伸びは少なめです。
したがって、おすすめは、RPMブラストの1.30㎜とルキシロンのオリジナル・アルパワーが、スピンもかかりフラットドライブも安定するのでお勧めです。
「ハイパーG」をピュアドライブVSで1.25㎜を40ポンドで張ったのですが、ピュアドライブ・アエロユーザーからは、かなりご好評でした。ノーマルよりいいと言う感想が多かった(特に片手バックの方)です。
ピュアドライブの使い方
ノーマルのピュアドライブは、男子ではフォニーニが使っていますが、辛いときはエッグボールで時間を稼いで、行けそうなときは、フラット気味でウィナーを取っていきます。基本的に高反発(低コントロール)ラケットはこのような使い方をします。
逆に相手から速いボールが来た場合は、高コントロール(低反発)ラケットの方がショットのムラが少ないのでボールスピードが出せます。
余力を多く残して打つことで体力は温存されます。逆に高反発ラケットはコントロール性が低いため、余力を少なくしすぎると、乱れてしまいます。
まとめ
ピュアドライブの強みは圧倒的な反発力です。2021年モデルから、他ラケットを圧倒する反発力になり、コントロール性も以前のモデルより改善され黄金スペックの平均位になりました。黄金スペックのコントロール性なので、丁寧に打つ必要はありますが、丁寧に打ってもボールスピードが比較的速いです。
VSの方はすこし打球感が硬いです。ただ、黄金スペックとほぼ同等の飛び(飛ぶものと控えめなものの中間)や、他社のスピンラケット並のスピン量があります。一番のメリットはフレーム(正面厚を含め)が薄いことにより圧倒的な振り抜き性です。300gのラケットの中ではトップクラスだと思います。フレームの3時・9時あたりに、少しリードテープで荷重(3g位)することによって、黄金スペック以上の飛び&ストリングが16×19本のラケットの中で上位のコントロール性になると思います。VSは振り抜きが良いので、少し荷重しても振り抜きにくさは、そこまでありません。打感さえ気にならなければ、かなりパフォーマンスが高いラケットです。打感の柔らかく最強パフォーマンスのエックスワンバイフェイズやアイスコード・ホークタッチなどがおすすめです。