プロの世界でも使われている市販品のテニスラケット一覧

プロの世界でも使われている市販品のテニスラケット一覧

2021年2月24日 0 投稿者: gura

 テニスのトッププロ選手が使う多くのラケットは、市販品モデルではありません。基本的にプロ用に設計製造された「プロストック」といわれるものや、その人の特注のラケットであることがほとんどです。

 一例を上げると、ジョコビッチはスピードプロが市販モデルですが、実際使っているのは95インチのラケットですし、メドベージェフも95インチ、シュワルツマン・ベレッティーニ・モンフィスなどもプロストックと言われるモデルを使用しています。

 したがって、もちろんカスタムはありですが市販品のラケットを使っているプロ選手はあまり多くはありません。多く感じるのは、現在の市販モデルの塗装をして広告塔になってもらっているからです。





 現行モデル

 プロスタッフRF97

 フェデラーが使用しているプロスタッフ。フェデラーは366g(たぶんストリング有)のラケットを使っていると言われていますが、市販品は340gでストリングは約18g・グリップテープが約6gなので、総重量が364gになります。したがって、ほぼほぼ同じスペックで市販しているのかな?と思います。

 ラケットだけで言えば、プロとやっても打ち負けにくいものになっていると思います。フェデラーのスイングウェイトは少し軽め(プロは通常350~360でフェデラーが340)です。(市販のラケットは330半ば)


 ピュアストライク18×20

 ティエムは、ピュアストライク2020モデルを使っていると言われています。その前は2017年モデルでしたが、このモデルの時は1個前の2014年モデル(フェイスが比較的四角形)を使っていたように見えます。

 ストリングなしで317gなのでそこまで重くないカスタムです。スイングウエイトはストリング本数が多い影響で350(ノーマルは330半ば)ですが。


 ブレード18×20

 ATPで一番使われているラケット(プロストックや過去モデルを含め)ブレード18×20。今一番の広告塔はチチパスですが、チチパスは最新モデルのブレードを使っています。

 安定性に定評があり、いろいろな方の(マイ)ベストラケットにもよく登場するラケットです。ただATPシングル25位までだとチチパスのみでH22というプロストックが大多数です。


 グラビティプロ

 ズベレフ・ルブレフの2人が使うラケットです。

 100インチのパワーやスイートエリア・スピン量があり、コントロールが優れていると言われるラケットで、315gと少し重いですがブレードと同様にベストラケットに選出されやすいラケットです。


 (ピュアドライブ)

 フォニーニが使っているピュアドライブですが、フレーム形状やストリングパターンは、現在のピュアドライブに見えるのですが、バンパー(ラケットヘッドのプラスチックの部分)だけわずかに形状が違います。ピュアドライブの初代(2000年前後)についているようなバンパーです。個人的な推測ですが、フレームの内側にリードテープを貼っていないので、外側に貼って隠しているような気がします。




 過去モデル

 アエロプロドライブ2005

 ナダルが使っているとされるのは、ピュアアエロの過去モデルの「アエロプロドライブ」です。これは、ストリングパターンが現行モデルよりタイトになっています。現行モデルも使ったみたいですが、2005年モデルの方がベストらしいです。


 VCORE95D

 市販品がVCORE PRO 97 と言われているワウリンカですが、実際はVCORE95Dです。年代的には2011年位です。

 335~360gのラケットを使う選手がほとんどの中、372gと異次元な重さのラケットを使っています。ただ、95インチの振り抜きやすさや、バランスが321or323㎜なので、スイングウェイトは360とATP選手の350~360の中には入っています。


 VCORE95SV

 市販品はVCORE95と言われるシャポバロフですが、実際はVCORE95SVです。年代的には2016年です。ちなみにXi&D&S→Si(95なし)→SVの順に発売されてます。


 VCORE98SV

 日本の西岡選手は、シャポバロフのラケットよりフェイスサイズが3大きくなった、VCORE98SVです。

 一応新しいVCOREも試したみたいですが、ストリングが動きすぎるのか(ナチュラルが早く切れたと言っていた)SVに戻ってました。横糸が1本減ったことでコントロールが少し難しくなってしまったのかなと思います。


 steam99

 ウィルソンのsteam99は、デミノーが使ってます。ペイントはブレード色です。ATP選手では珍しいストリングが16×18のモデルです。18本だとストリングが動きやすくてコントロールが難しそうなイメージですが、端を粗く中心を細かくしているため、中心で打った時のコントロール性は比較的高そうです。


 旧ピュアアエロVS

 オジェ アリアシムが使う旧ピュアアエロVS。新型のピュアアエロとはまったくもって違います。まずフェイス部のフレームがプロスタッフのようなボックスフレーム、シャフトも台形感が強いです。重量もそこまでないため普通に使うとそこまで飛ばないと思いますが、取り回しが良いため多く荷重でき、中心で当てれば、パワー・スピン・コントロールともに良くなりそうです。


 EZONE98Xi

 キリオスが使用しているEZONE 98 は、ワウリンカと同じ2011年のXiというモデルです。


 まとめ

 一応2021年2月の全豪オープン時のATPシングルスランキング25位(プロが使うテニスラケットの重量・バランス・スイングウェイト一覧 参照)と他の一部の選手のラケットを調べ、ATPシングルスで使われている市販品のテニスラケットをピックアップしました。

 このラインナップを見てみると、プロが広告塔になっているだけで、競技として使うには、使ってみて自分に一番合うのを選ぶしかないように思えます。

 
 ストリングの弾きが強く(あまり伸びない方がコントロールが良い)フレームが硬い方がボールスピードが出やすいですが、ラケットの重量が軽くなければ、打感が硬く体に負担が来ますし、ホールド感もなくすぐに弾いてしまいます。つまり、プロ用の重量で設計したほうが、パフォーマンスが高いラケットになるということです。

 その一例がプロスタッフで、RF97とノーマルの97では、RFの方がフレックス(RA)が2も高くなっています。その理由が、同じフレーム厚・同じフレックスで軽いラケットの場合、当たった瞬間の衝撃量もそうですが、オフセンターショット時のフレームのねじれにより衝撃を吸収してしまい、その衝撃が腕に伝わるからです。

 逆に競技者ではない一般人(下部の競技者を含む)にとっては、一般人向けのテストで開発されているわけですから、許容範囲は広いと思います。また、反発系ラケット=ボールスピードが速いとはならないです。