テニスで日本人が勝てない(弱い)理由と,勝つためにすべきこと

テニスで日本人が勝てない(弱い)理由と,勝つためにすべきこと

2022年3月30日 0 投稿者: gura

 テニスにおいて日本人は、「体格的に不利」と言われています。しかし、身長2m越えの選手が1位を牛耳っている訳ではなく、185㎝前後のジョコビッチ・フェデラー・ナダルがbig3と呼ばれるほどの強さです。しかも日本人でもバスケやバレー選手を見てみれば身長の高い選手はたくさんいますし、人口(少子高齢化とはいえ)も11位なので数の力もあります。

 ではなぜ、なかなか勝てないかというと、あくまで個人的な見解ですが「思考」と「環境」の影響が大きいと考えられます。

 体格の不利・優位

 なぜ「日本人の体格が不利」と言われているのかというと一番は「身長」と「筋肉量」です。

 身長は高ければ高いほど、サーブ時、ボールとネットクリアランスが多く取れるため安定しますし、腕も長いのでスイングスピードが同じでもラケットヘッドのスピードが速くなる(角速度の原理)ため、球速も上がります。

 サーブ側が圧倒的に有利と言われているテニスにおいては、リーチの長さがメリットになるのです。

 筋力については、「筋力がある方がスイングスピードが上がるためボールスピードが出し易く有利だよね」という考えだと思います。
 一見メリットに見えますが、体が大きくなればなるほど(体重&身長)、(反応後の)初動が遅くなるなるため、デメリットにもなります。これが2m越えの選手が、勝つのが難しい理由でもあります。
 プロは(通常)1kg以下でしっかり調整しており「3kg増やしたら動けなくなる」というくらいです。

 骨格に関しても欧米系の方が強く筋肉を多く付けても問題ないですが(怪我しにくい)、バランスが大切です。身長が長いほどリーチ(届く範囲)自体は長いですが初動の遅さが出やすいのでバランスが大切です。

 一番理想は、メドベージェフのように、「身長や腕の長さは長いのだけど、体重は(身長と比べ)比較的軽い」のがベストです。


 また、他のスポーツでも、卓球やバドミントンも弱くなく強いですし、野球も世界のトップ選手が多いです。体操も筋力の必要な競技です。

 つまり、体格をフォローできる道具選びや、環境が大きな影響を与えてるのだと考えられます。


 日本人選手が勝てない(弱い)理由

 道具選び

 個人的に一番思うのが「道具選び」です。

 日本人は体格的に不利だから「高反発ラケットを選んだほうが良い」「高反発ラケットは楽」などと、一般的に高反発ラケットが推奨されることが多いです。

 ただ、高反発ラケットはコントロール性が悪く、反発の割にボールスピードが出せません。逆に高コントロールラケットは、低反発ですがコントロール性が高いおかげで、反発の割に球速が出せます。

 こう聞くとどっちを選んでも同じように感じますが、高反発ラケットは絶対的な精度がないです。逆に高コントロールラケットは絶対的なコントロール性が高い上、安定感も高いです(ただし1ショット当たりの体力消耗量は多い)。

 個人的な考えですが、体格が不利?な日本人は初動の速さと絶対的なコントロール性を求めたほうが、良いと思っています。


 また、ストリング(ガットとも)(ラケットに張るひも状のもの)も、高反発ラケットを使いたいがために、(コントロール性を求めて)低反発のストリングを使ってしまっています。完全に本末転倒です。

 ストリングを張るテンション(強さ)も、「打感が硬い」と敬遠して40lb台(60lbが高い)のローテンションで張っている人も多いです。ローテンションは高テンションより反発性が上がる(コントロール&安定性は下がる)ので、自分のペースの時は良いですが、相手のペースになってしまったり、メンタルが崩れると、どうしようもなくなります。錦織選手の安定感(格上に勝てない)もこれが原因だと思ってます(事情はありますが)。


 コントロールという概念がない

 コントロールが悪いことを「飛びすぎ」と表現する方が多いです。ただこれは、反発と混同しているため、対処しすぎると球速が出ていないということになりがちです。


 定番に流される

 日本人は良くも悪くも定番に流されます。特に選択肢が多ければ尚更です。

 特にストリングですが、ストリングを突き詰めている方を、あまり見ません。最初に勧められたのをそのまま続けて張っている方も多いです。ラケットとストリングは50%:50%と言われていて、ラケット選びと同じくらい重要なんですけどね。プレースタイルに合わせるべきです。


 メンタル

 アジア系は欧米系と比べて、ネガティブ志向が強めです(統計学的に)。一つ崩れるとすべて崩れたりしてしまいます。

 また観客がいる舞台で試合をする機会が日本人は少なく、有観客試合では非常にメンタルに来てしまいます。


 テニスコート

 主に競技(世界)で使われるコートの種類は、ハード(コンクリートに樹脂塗装したもの)と、クレー(土)(&芝)です。

 ただ、日本はオムニコート(砂入り人工芝)が主流で設置されており、練習だけではなく競技としてもオムニコートが使われます。ただ、オムニコートを使っていると、ハードコートのバウンドの高さや球速の速さや、クレーのバウンドの高さはなかなか練習できませんし、フットワークの使い方も違います。ラケットも、求めたい性能が変わります。(オムニを使う理由は水はけで、四季の強い日本では維持が楽)

 また、コートの余白エリアも狭く、少し後ろに下がったらフェンスに当たってしまうコートも少なくはありません。


 ソフトテニス

 中学の頃はソフトテニスが主流で、高校になってやめてしまう人やソフトテニスを続ける人も多いため、テニスの競技人口が増えにくいです。野球やサッカーに取られがちですし。

 中学も硬式テニスを取り入れたほうが、競技としては強くなりますし、競技人口が増えれば、スポンサーも付きやすくなるため、世界で通用する選手が増えていきます。
 もっと言えば硬式テニスを小学生の時期に取り入れたほうが競技人口が増えるためいいと思います。仮設のネットと線を引けばできると思うので。


 テニス観戦

 テニス観戦者数を増やせばスポンサーも広告費をプレイヤーに出せるため、競技として強くなります。

 しかし現状は、国内大会の放送が、ほぼないですし、競技として見てもらうためには選手の知名度も足りないです。

 したがって、選手の知名度を上げるために、YouTube等で放送することや、今は少し厳しいかもしれないですが選手とふれあいというかアドバイスによって選手を知ってしもらうことが大切だと考えています。

 あと、ストリング(ガット)をローテンションで張ることを推奨してると、全員が丁寧なテニスしかできなくて、見てても面白くないので、あまり推奨はしてほしくはないです。


 テニス経験

 日本に海外の強豪選手が入ってこないため、日本のテニスに慣れてしまいます。したがって、海外の選手と戦うと全く別物のように感じます。したがって、対応力が少なくです。

 したがって、海外に留学しないとなかなか成長しずらいです。


 育成システムがない

 日本にはほとんど育成システムがありません(TTC位?)。海外ではIMGアカデミー(米フロリダ)というものがあり、900万円(1ドル=120円)以上払って1年間テニスを習います。大学の費用が100万前後なので、かなり高額です。

 この費用には、学校の授業料、スポーツプログラムの参加、フィジカル・メンタル等のトレーニグ、宿泊、滞在期間中の食事が含まれていてます。

 IMGには野球やゴルフなどもありますが、日本のテニスにおいては育成システムが弱いせいか留学するのが必須みたいになっています。


 他

 握力はいらないと言われてたり、癖のある打ち方を否定されやすかったりといろいろ細かいこともあります。


 まとめ

 日本選手があまり勝てない理由は、道具の選び方や・コート・競技人口の少なさ・スポンサーの少なさなどです。現体制を変えるのは、なかなか難しさもあります。