伸びのすごいヘビースピンの打ち方とコツ
2022年4月8日差し込まれるような「ヘビースピンショット」。バウンド時の伸びによって、打点が詰まったり、ボールの上下にの変動によってオフセンターショットを誘えます。
うまく使えると攻撃力は高いのですが、無闇にやってしまうと、ボールが浅くなったり、フラットドライブ(低スピン)の「滑ってくるような伸び」が出せなかったり、水平方向のボールスピードが無かったりと、相手の都合の良いボールにもなりやすかったりします。
ヘビースピンを打てる条件
ある程度のスピン量があること
まず第一の条件が、「ラケット(全体)にある程度のスピン量のポテンシャルがあること」です。
ラケットのスピン量が少なければストリングでカバーもできますし、テンションでも、縦を+3lb(横を―3lb)にすれば、カバーができます。
ナイロンでもスピン量が多いストリングなら、すぐ切れてしまう可能性が高いですが打てないことはないです。
ラケットにある程度のコントロール性があること
次に、「ラケットにある程度のコントロール性があること」です。
ある程度のコントロール性がないと、水平方向のボールスピードが無かったり、しっかり振れずスピン量を増やせなかったりします。
ATPのプロも20lb台で張っているマナリノや、1.20㎜を40lbで張っているクエリーは、ピュアアエロを使っているため、クレーで強そうですが、実際は芝の方が得意です。
ローテンションで張ると、普通はスピン量が増えると思われがちですが、実際はしっかり振れなくなるため、スピン量が落ちます。
グリップテープも関係してきて、摩耗しきっているグリップテープは、ボールにしっかりと力が伝わらないため、球速も出ませんし、スピン量も増えません。意外とめちゃくちゃ重要です。
グリップが薄すぎないこと
グリップを「イースタングリップ」「コンチネンタルグリップ」など、薄いグリップで持っている場合、スピンとフラットの打ち分けが少し難しいです。
なぜかというと「ワイパースイング」という手首を回してスピンをかけることが、難しいからです。
ただ、フェデラーは「イースタングリップ」なのですよね。
なぜあれだけのスピン量のショットが打てるかというと、打点が前だからです。手首を少し後ろ(甲)側に曲げたようにして打っているため、セミウエスタングリップで持っているかのようにワイパースイングができます。つまり、打点を前にすれば、グリップが薄くてもヘビースピンを打てるのです。(イースタンまで)
ヘビースピンの打ち方のコツ
ワイパースイング
一番重要なのがワイパースイングです。
このように手首を左回転(右利き&フォアハンドの場合)をさせて打ちます。
コツとしては、ラケットヘッドをできるだけ下の位置(手首を思いっきり右回転させた位置)にして、そこから手首を回し(左回転)ながらスイングをしていきます。
ただこれだけです。バックハンドの場合や、左利きの場合は逆になります。
わざとオフセンターショットをするテクニック
ここで詳しく解説していますが、わざとオフセンターショットをすることでスピン量を上げることができます。
具体的に言うと、ラケットのど真ん中ではなく、少し下側(右利きフォアハンドの場合フェイスな3時側)で打つことによってスピン量が増えます。
なぜかというと、「端の方がストリング間隔が広いため(スナップバックが強くなる)」&「面ブレによってボールが縦のストリングに食い込むため」です。ワイパースイングが弱くてもスピン量が増えます。
プロは、ど真ん中で打つより、若干下側で打っています。ど真ん中で打とうとして、若干上側で打ってしまうとどうしても力が伝わりにくいのですが、少し下側で打つことで、真ん中で打ってしまってもしっかり飛びますし、下側で打ってしまっても、スナップバックによって若干補正が働くためしっかり飛んでくれるからです。
「わざと外して打つなんてできないよ」と言われる方も多いですが、(オフセンターショットをしにくい)水平のスイングでもスピン量が増えるため、アングルショットなどは、わざと外してスピン量を上げた方が安定します。
ヘビースピンを打ちやすいストリング
ポリの場合はルキシロンの「オリジナル」・ナイロンの場合はウィルソンの「NXT」(NXT controlではない)をお勧めしています。
ウィルソン NXT
NXTはナイロンの中で、かなり高いスピン性能を持っているストリングです。飛びもしっかりあり、打感も柔らかくかなり高性能のストリングです。ナイロンマルチがすぐに切れてしまう場合は、1.30㎜を高テンションで張ると耐久性が上がります。
ルキシロン オリジナル
「オリジナル[レビューを見る]」は、1.30㎜の丸型ポリストリングです。飛びが4点・コントロール5点・スピン3.5点(丸型ポリでトップクラスに多い)・衝撃吸収性3点です(5点満点)。テンション維持もかなりいいです。
「オリジナル」のメリットは、何と言ってもフラットドライブとスピンショットの打ち分けのしやすさです。スピンによる攻撃力ももちろん出せますが、フラットの滑ってくるような伸びもしっかり出せます。伸び量も多すぎないので、ローテンションで張ってもコントロールが乱れにくいです。
セッティング・・・通常は縦横同テンションが良いと思います。それでもスピン量は十分です。もっと欲しければ、横を-3lbにしてみるとえげつない量のスピンになります。
また、テンションも普段50lbで張っている方は45lbでも良いと思います。
握力がない方(ナイロンを使っている方)でも、オリジナルを使うメリットは高いと思います。フラットドライブの打ちやすさのおかげで、球速がしっかり出せます。