わざとオフセンターショットをしてスピン量を上げるテクニック

わざとオフセンターショットをしてスピン量を上げるテクニック

2022年1月18日 0 投稿者: gura

 意図的にオフセンターショットをすることでスピン量を増やすことができます。このテクニックは上級者には必須のテクニックで、中級者も使えるようになることで、攻撃力が格段に上がります。スピンを攻撃力とするプレイヤーは、必ず覚えないといけない技術です。

 特に、ワウリンカやフェデラー・ナダルが多用していて、ワウリンカやフェデラーのアングルショットや、フェデラーのスピンサーブ、ナダルのえげつないスピン量のストロークショットを支えています。さらに、ティエムやフェデラーのように低く滑ってくるようなスライスもそうです。もちろん他のプロ選手も必ず行っています。



 ストローク(トップスピン)

 フォアハンドストロークの場合、ラケット先端からグリップ部の中心線の若干下側で打つことでスピン量を上げることができます。

 下側で打つことによってスピン量が増える理由は、若干面が下向きになること(いわゆる面ブレ)によってボールが縦のストリングにより力を加えます。その結果スナップバック”力”が強くなるためスピン量が増えるのです。ただ下向きに面ブレするというとネットにかかってしまうイメージがありますが、実際はスナップバック力が強い影響でフェイス(面)の向きより少し上方向に飛ぶため問題ないです。もちろん極端に下側で打つとネットにかかりますが。

 

 基本的にはスピン量を多く求める時ほど下側で打ちます。MAXボール1個分までです。ただ、インスティンクトやG360+のプレステージ・ウルトラツアー95など面ブレを抑える荷重が少ない横細(縦長)のラケットや270gなどの軽いラケットは、外しすぎると飛ばないので、ボール半個分や2/3個分までです。また、端過ぎるとスピンはかかるのですが、ボールをフレームに当ててしまったり、コントロール性も高くないので、注意が必要です。

 動画を見ていただければ、ほぼすべて下側で打っていることが分かると思います。もちろん数は少ないですが上側で打ってしまってる時もありますが。スライスは上側で打つ方が良いです(以下で解説)。



 応用

 スイング角度が同じでも、下側で打つほどスピンが増えるので、アングルショットを打つ時は縦振りしてスピンをかけるより、同じスイング(慣れているスイング)で下側で打つことによって、球速が速いのに安定したアングルショットが打てます。

 通常時のショットもど真ん中で打とうとしている時に少し上側で打ってしまうと、縦のストリングの力が強く働かないためかなり球速が落ちてしまいますが、逆に少し下側で打とうとした場合に少し上側で打ってしまってもドセンターで打てるため、球速がしっかり出せます。したがって、この打ち方の方が安定感が非常に出ます。実際やってみると結構ショットがブレにくいので、結構やっているプロが多いというかほとんどです。強打の場合は、下側で打ちすぎるとコントロールがかなり乱れるので、できるだけど真ん中で打った方が良いです。

 ※「真ん中で打てないのに、意図的にオフセンターショットはできないよ」と言う方がかなりいらっしゃいますが、アングルショットを打つ時、あまり慣れていない縦振りをする方が、リスキーだと個人的には考えています。また、平行に飛んでくるボールを(スピンをかけるため)縦振りすると、ボールとラケットがクロスするため、ど真ん中で打てるタイミングは一瞬しかありません。しかし、ボールと平行にスイングすればど真ん中で打てるタイミングが長いため、意図しないオフセンターショットを防ぐことができます。



 ストローク(スライス)

 ストロークのスライスの場合は、ラケット先端からグリップ部の中心線の上側で打ちます。特に低く滑ってくるようなスライスを打ちたい場合は、必須の技術です。

 スライスの場合、上から下向きにスイングするため、下側で打ってしまうとスナップバック(上にずれ、下向きに戻る力)でボールを地面にたたきつけるような力が働きます。したがって間違いなくネットになります。逆に上側で打つことによって、上側で打ちすぎて面が上向きにブレてもスナップバックによる補正が働き、弾道が低くなります。したがって、低く滑ってくるような伸びのあるスライスが低リスクで打てます。




 サーブ

 スライスサーブ・スピンサーブ共にラケットヘッドからグリップ部の中心線より体側で打ちます。もう少し簡単に言うと、スライスサーブは手前側(左側(左利きの場合は右側))、スピンサーブは下側で打ちます。そうすることによって、スピン量が増え、結果攻撃力が高まります。

 原理は、ストロークと同様で、スナップバック量が強くなるため回転量が増えます。



 ボレー

 ボレーに関しては、少し上側でスライスをかけてボレー(低軌道)をした方がボールの滑ってくるような伸びが出せますが、相手との距離が短い分、打たれてから自分の所へボールが飛んでくる時間が短く、オフセンターショットしやすいため、しっかり真ん中で当てたほうがリスクが少ないです。

 ただ、低く浅いボールに関しては、下側で打ってしまうとネットにかかりやすいため、少し上側で打つ方法もできます。



 関連リンク

 以下の「テニスラケットの操作性を上げるカスタム」をすると、スピン量が上がります。