ボールスピード最強ポリ!RPMパワーの辛口インプレ

ボールスピード最強ポリ!RPMパワーの辛口インプレ

2021年4月1日 0 投稿者: gura

 バボラから販売されている「RPMパワー」(Babolat RPM power)。ポリエステルのストリングで、高摩擦コーティングがしてある唯一無二のガットです。その影響で、ストリングの安定性が高く、ボールスピードを出しやすいストリングです。

 ただ、ボールスピードが出るのは良いですが、デメリットもあるので注意が必要です。

 今回もピュアドライブVSに1.25㎜を50lbで張りました。





 スペック

 ティエム選手や、綿貫選手・杉田選手・ダニエル太郎選手などが使っていると言われるストリングです。

 ポリストリングでは、唯一無二の高摩擦コーティングされているストリングです。テクニファイバーのエックスワンバイフェイズ[レビューを見る]の少なめの摩擦量と、バボラのミエクセルの多めの摩擦の間位で、ヨネックスの850位の摩擦量です。

 色は、エレクトリックブラウン・ブルー(薄め)です。

 ゲージは、1.25・1.30㎜です。


 インプレ

 打感

 フラットショット時のたわみ量は、[1/5]とかなり少ないです。
 スピンショット時の最大伸び量も、[1.5/5]と少なめです。
 衝撃吸収性は[3.5/5]点で、ブラストも3.5点ですが、ブラストよりいいです。

 しっかり打った時のストリングのたわみ量は、ハイパーG[レビューを見る]より少ないです。ただ、たわみ量の割には、高摩擦コーティングのおかげか、打感は非常に柔らかいです。ポリ全体で見ると平均より高いかなと思います。

 ホールド時間が結構多く、「乗りすぎ」と思うときがわずかにありました。ただこれは、ホールド時間の長いラケット(ストリングの撓み+ラケットのしなりの合計が長い)に出やすいだけです。ボールをつかんで弾くシャープさは少ないです。

 反発[2/5点]

 単純な反発性だけで言うなら、ハイパーGと同じくらいです。ブラスト(3点)よりは、飛びません。

 ただ、高摩擦コーティングのおかげでストリングの動きが少ないため、フラットドライブの安定感が非常に出やすく、ボールスピードはトップクラスに出しやすいです。ナイロンストリングで打っている感覚です(ナイロンとポリで反発係数自体はそこまで変わらない)。

 ティエムも、160km/hのウィナーを量産し、時に180km/hのウィナーも打っています。


 スピン[2/5点]

 スピンがかかるナイロン(エックスワンバイフェイズ)よりはかからないと思います。ただ、摩擦量の割にホールド時間が長いので2点位かかります。ポリの中では少し少なめです。

 RPMパワーはスピンのかかり方が少し特殊で、普通のポリのように引っかかってスピンがかかるのではなく、ナイロンストリングや卓球のように、擦れてかかる感じです。普通のポリなら面の向きより少し上方向に飛んで行きますが、これは、面の向き通りに飛んで行きます。

 コントロール[4/5点]

 4点と表現しましたが、フラットドライブにおいては、非常に精密性が高く満点を越え6点をあげたいくらいです。一方、低いボールの持ち上げやすさが少ないこと、足元に落としたい時にスピン量で落とすのが難しいことがあり、4点です。足元に落としたい時は少し球速を落としネットギリギリを狙ったほうが良いストリングです。

 あと、摩擦量が多いおかげで、中途半端に打った時は、縦ストリングの動き量がリニアではなく、思いのほか回転がかかったりかからなかったりしました。ホールド時間は長くて繊細なコントロールはしやすいのですが、当てるか、しっかり振る(縦ガットを動かす)かのどちらかにする必要があります。




 ショット別インプレ

 ストローク

 出せるボールスピードはトップクラスだと思います。伸びもフラットで打ちやすいので出しやすいです。

 ただ逆に、スピン量は多くはないので、低いボールの持ち上げやすさだったり、アングルショットのスピン量のなさはあります。ネットとのクリアランスを多くとるという意味の安定性は、あんまり高くはないです。

 どちらかというと、安定性ではなく、攻撃力に特化したストリングです。軽く打っても結構ホールド時間があるので、繊細なショットもやりやすかったです。

 エッグボールの攻撃力はあまりありませんが、低軌道のスライスの伸びはすごいです。

 ボレー

 ストリングの動き量が少ないのにホールド時間が長いため、かなりやりやすかったです。また、飛ばなさも繊細なコントロールを可能にしています。

 サーブ

 フラットサーブの精密性が非常に高いです。スライスやスピンサーブは無難にこなせる感じです。

 ピュアストライク18×20にも張りましたが、外側の縦糸の間隔がピュアドライブより広い(=摩擦が少ない)ため、少しフレーム側で打つことによって、ボールと縦糸の摩擦量の多さにより、スピンサーブで空振りさせることもできました。他のストリングだとボールとの摩擦が少ないためそこまでかからないです。

 比較インプレ

 シグナムプロ ポリメガフォース

【反発3点・コントロール4.5点・スピン2点】ポリメガフォースはポリの中でトップクラスにフラットドライブが打ちやすいため、しっかりボールスピードが出せます。また、テンション維持も良いです。


 随時更新します。




 まとめ

 RPMパワーは、フラットドライブの攻撃に特化したポリストリングです。フラットドライブの精密性やボールスピードが欲しければ、RPMパワーの一択です。

 逆に安定性が欲しければ、ハイパーG[レビューを見る]ポリプラズマヘキストリームピュア[レビューを見る]・ポリツアースピンなどの多角形ストリングか、スピン量の多い丸型ストリングの方が良いと思います。

 ただ少しコーティングの剥がれは、気になりました。ストリング同士擦れてコーティングがなくなっていきますが、コーティングがなくなると、ボールとストリングの摩擦コーティングがあるためスナップバック量がかなり多いです(スピン量も多くなる)。したがって、コントロールが乱れます。テンション維持や切断耐久よりも、コーティングが一番最初に寿命が来ます。


類似ガット+反発RPMブラスト
+コントロール
+スピンRPMブラスト
+柔らかさ