サーフェス(コートの種類)別 テニスラケットの適正の握り方(グリップ)とは
2022年2月16日テニスラケットの握り方一つで、ショットのコントロール性&安定性はもちろん、試合をしている方は、勝率も変わってきます。そこで、このページでは、サーフェス(オムニ・ハード・クレー・天然芝・カーペット)別の、適正なグリップの握り方を紹介します。
薄いグリップと厚いグリップの違い
一般的に、「コンチネンタルグリップ(包丁持ち)」や、「イースタングリップ」など握り方が薄い場合、以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
ボールスピードが速い | スピンがかかりにくい |
リーチが長い | 安定しにくい |
省エネ | 力強いボールに負けやすい |
低い打点が楽 | 高い打点が大変 |
グリップチェンジ量が少ない |
逆に、「セミウエスタングリップ」や「ウエスタングリップ(ラケットを地面に置き真上から握る)」・「フルウエスタングリップ」など厚く持った場合、以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
スピンをかけやすい | ボールスピードが出にくい |
安定しやすい | リーチが短い |
力強いボールに負けにくい | 非省エネ |
高い打点が楽 | 低い打点が大変 |
グリップチェンジ量が多い |
詳しくは以下のリンクで解説しているので、良かったら見てみてください。
サーフェス別適正グリップ
オムニ(砂入り人工芝)
まず砂入り人工芝のバウンド後の特徴ですが、球速はやや遅めで、バウンドもやや低めです。砂が少ないコートほど、球速が速くなりバウンドも低くなります。
そこまで高い打点で打つことが少ないのと、球速も速くないので、オムニコートの適正グリップは「イースタングリップ~ウエスタングリップ」あたりがベストだと思います。日本で一般的に言われている握り方です。
両手バックの左手(左利きの方は右手)は、低いボールの処理や、球速を出すために、イースタングリップがベストだと思います。
クレー(土)
クレーコートに関しては、バウンド後の球速が遅く、バウンドが非常に高いです。
スピン量の多いATPでは、フルウエスタングリップの選手の勝率が高めです。例えば、ティエム・ワウリンカ・錦織などです。あとはウエスタングリップのジョコビッチやズベレフなどです。
クレーコートは球速が遅いので、普通に打っても相手に軽く拾われやすいです。したがって、多くのスピンをかけられる、厚いグリップの選手の場合、スピンによるバウンドの高さを出して、相手にミスショットをさせ、最後に強打でwinnerを取りに行けるのです。また、厚いグリップのほうが高い打点を強打しやすいですしね。
ストリングをローテンションで張っていて、薄いグリップの選手は、比較的クレーが苦手なことが多いです。意外とバックのスピンがグリグリのガスケも、フォアハンドのグリップが薄いせいか、芝の方が勝率が高かったりします。
ナダルはセミウエスタンです。
したがって、クレーコートの適正グリップは、セミウエスタン~フルウエスタングリップです。
両手バックの場合の左手は、イースタン~セミウエスタンがベストだと思います。片手バックも少し厚めのグリップの方が、高い打点に対応しやすいです。
ハード(コンクリート(樹脂塗装))
ハードコートは基本的には、球速が速めでバウンドも高めです。
中間的な性質なので、ハードコートはフルウエスタングリップからイースタングリップまで、どのグリップでも対応しやすいです。コートにもよりますが、それなりにバウンドが高い場合は、セミウエスタングリップとウエスタングリップの中間まで位が、一般的にはベストではないかなと思います。
両手バックの場合は、球速が速いためリーチが長いイースタングリップが一般的には良いのかなと思います。
カーペット
カーペットコートは、球速が速めで、バウンドも低めです。
したがって、低い打点に対応しやすくリーチの長い、イースタン~セミウエスタングリップがベストです。コンチネンタルグリップまで薄くしすぎると、球速に負けやすくなります。
両手バックの場合は、球速が速く低いためリーチが長いイースタングリップが一般的には良いのかなと思います。
また、スピンを多くかけない方が、バウンドが低いうえ、バウンド後の水平方向のボールスピードが速いため(滑ってくるような伸びが強い)、勝率がアップします。
天然芝(砂無し人工芝を含む)
天然芝は、カーペットより球速も速く、バウンドも低いです。
したがって、厚グリの選手は苦手なことが多いです。
ただ、天然芝は、いろいろ強い人の特徴はバラバラで、サーブを武器にできている選手(ジャックソック)や、スライスがうまい選手(めちゃくちゃ伸びる)、サーブ&ボレーが得意な選手などいろいろな要素もあります。また、クレーコートとは反対に、ストリングをローテンションで張っていて丁寧に打つ人が火を吹いたりもします。
したがって、天然芝(砂無し人工芝含む)の場合、フルウエスタンでなければ、天然芝用の武器を伸ばせるグリップが良いと思います。フェデラーを見習うならイースタングリップです。
全てのサーフェスに対応するグリップ
一般的には、「セミウエスタングリップ(ナダル)~ウエスタングリップ(ジョコビッチ)」が、すべてのコートに対応しやすいと思います。
ただ、身長が低い場合は打点が相対的に高くなるので少し厚めでも良いと思います。
また、オムニコートがメインの場合は、セミウエスタン~ウエスタングリップが良いのかなと思います。
両手バックハンドの場合は、厚いグリップにしてしまうと、リーチの短さや球速の遅さが出てしまうので、左手はイースタングリップが良いと思います。身長の問題や高い打点が苦手な場合に、少し厚めにしてみると良いと思います。
片手バックハンドの場合は、以下をご覧ください。
※球速やバウンドの高さは、同じカテゴリーのコートでも、塗装だったり転圧具合だったり、様々な要因で変化します。