サーブのグリップの厚い・薄いの違いと握り方の選び方
2021年7月28日 サーブのグリップの握り方は、ストロークやボレーと違い非常に単純です。応用で握りを変えることはありますが、基本的には1つ(もしくは2つ)です。また、サーブに関しては正解があります。
ここでのグリップは、コンチネンタルグリップが包丁持ち・イースタングリップがラケットフェイスを地面と垂直にしたときに握手をするようなグリップ・セミウエスタングリップがイースタングリップとウエスタングリップの間・ウエスタングリップがラケットを地面に置き真上から握ったグリップとします。ウエスタンに行くほど厚いグリップ、コンチネンタルに行くほど薄いグリップになります。
基本型
基本的なグリップは、コンチネンタルグリップです。
これは、フラットサーブの威力・精度を出すことや、スピンやスライスサーブの回転量をしっかりと確保できるグリップです。
一方、ウエスタングリップやセミウエスタングリップなど厚めのグリップでサーブを打つと、打点が前になるため必然的に打点が低くなり(振ってみれば分かります)、ネットギリギリを通さないといけないのはもちろん、球速を上げるとネットギリギリを通してもサービスコートに入らなくなります。また、スピンサーブは面が上を向きやすく威力が出ない上、手首の可動き(縦スナップ)が使えないため回転量も多くできません。スライスサーブも、手首の縦スナップが使えないので回転量が落ちますし、手のひらを体人向けて打つというかなり無理な体勢になるので怪我をしやすくなります。
また、コンチネンタルグリップは「プロネーション」と呼ばれるサーブの威力を出すテクニックを使えます。簡単に説明すると、腕のスイングスピードに、手首の回転スピードを合わせることでボールスピードが速くなる技術です。ただ、コントロールがかなり難しいので、上級者向けです。自己満足で剛速球サーブを打ちたいなら良いですが、そうでなければしっかりコースを狙ったほうが攻撃力は高いです。もちろんプロや学生トップ選手などは、無くてはならない技術です。
応用編
フラットサーブ
フラットサーブを打つ時、コンチネンタルグリップより5㎜程度(指の位置)イースタングリップ寄りのグリップ(厚め)の方が手首が安定(弾かれにくい)するため、精度・威力ともに良いと思います(プロネーションを使わない前提)。
ただ厚すぎるグリップだとデメリットが大きいので、ほんのわずかな差で十分ですし、意外とそれだけでしっかり固定されます。
プロネーションを使う場合は、厚くしていないコンチネンタルグリップの方がラケットの回転量が増えるため、威力が出しやすいです。
安定感
ウエスタングリップなどの厚いグリップほど、ラケット・ボール・サービスコートが一直線で見えるため、ただ単にサーブを入れたい時は、厚めのグリップで握ると良いです。
ただ、前述した通りボールスピードはそこまで出せないので、初級クラスまでしか使うのは難しいと思います。逆に、初級や未経験に近い方に対しては、お勧めすることもあります。イースタングリップなら中級クラスまで、ギリギリ使えるのではないでしょうか(程度によります)。
コンチネンタルグリップより薄いグリップ
上級者がスピンサーブを打つ時、スピン量を多くするために、コンチネンタルグリップ寄り薄い?「バックハンドイースタングリップ」に近いグリップで打つことがあります。この握り方をすると手首の可動範囲が広いためワイパースイングのようにスイングでき、スピン量が上がります。
ただ、コンチネンタルグリップより一気に難しくなります。また、相手にグリップがばれると「スピンサーブ打ってくる」と分かってしまうので、使うときは注意が必要です。
おまけ
コンチネンタルグリップでサーブを打つと「どうしても左に曲がってしまう(左打ちの場合は右)」ことが、最初はかなり多いと思います。難しくて断念する方も多いのではないでしょうか。
ただ、これは手首の角度をしっかりつけられていないだけです。
この解決方法ですが、ボール突きを行ってみてください。
まずコンチネンタルグリップで握り、上側だけでリフティングします。その後逆面で上側にリフティングします。次に両面を交互に使い上側にリフティングします。最後に下側にリフティングをします。この時、肩ぐらいの高さからリフティングを始め、徐々に股関節あたりまで下げていきます(体は直立のまま)。こうすることで手首の角度調節能力が養われます。
まとめ
サーブの基本的なグリップは、コンチネンタルグリップです。
そこから、安定感が欲しかったり、手首のバタつきを抑えたい場合は、ほんの少しグリップを厚くするのがベストです。