「ポリツアーファイア」の辛口インプレ コントロールは抜群

「ポリツアーファイア」の辛口インプレ コントロールは抜群

2020年10月8日 0 投稿者: gura

 ピュアドライブVSに、ヨネックスの「ポリツアーファイア(1.20)」(Yonex Poly tour fire)を50lbで張ってみました。弾きが強く、打感は軽かったです。また、フラット系のコントロール性が非常に高かったです。





 スペック

 ヨネックスの「ポリツアーファイア」は、ポリエステルストリングです。

 メーカーの宣伝では、「世界のハードヒッターが驚愕。威力あるスピードショット。SIF製法による高いスナップバック効果がスピンをアシスト。」とあります。SIF製法とは、ストリング内にシリコンオイル(滑る液体)を浸透させる技術です。また、表面にもコーティングがされています。

 色は赤と黒です。

 ゲージは、1.20・1.25・1.30㎜です。ただし、黒色は1.25のみです。

 このストリングは、女子のプロ選手が使用していたりします。


 インプレ

 打感[弾き系]

 フラットショット時のたわみ量は、[3/5]と平均的です。
 スピンショット時の伸び量も[3/5]です。
 衝撃吸収性は、[3/5]と平均的です。

 第一印象は、「弾きが強いな」です。ハイパーGよりは少し弱い弾き(1.20㎜の影響もあると思います)だと思います。シリコンコーティングのおかげで摩擦が少なく、一気にたわん、一気に放出する弾き感です。弾きが強い影響で、打感は非常に軽いです。

 打感的にも、シリコンコーティングなど低摩擦化すると、ポリの衝撃吸収の悪さが目立ちやすいですが、全然気になりませんでした。

 反発[1/5点]

 反発は、間違いなく控えめです。当てるだけでは飛んで行きません。海外のインプレを見ても控えめの評価です。

 日本の他者のインプレを見てみると「ポリの中で最強の反発」という意見が多いですが、そう感じる理由がこのストリングにあります。

 それは、コントロール性の高さ・打感の軽さ・スピン量の少なさです。

 コントロール性の高さにより、スイングスピードを上げても、コントロールが乱れません。さらに、いつもは横が7縦が3の力で打っていても、ポリツアーファイアは横が9縦が1の力で打っても、問題なくコントロールできます。

 また、打感が軽いため、よりスイングスピードが上がってしまいますし、弾き感が飛んで行っているように感じさせます。

 さらに、シリコンコーティングのおかげでフラットドライブで打った時は想像以上にスピンがかかっていません。また、低反発なこととコントロール性の高いことにより、よりフラットでスイングをします。したがって、スピン量が少なくボールの落ちる位置が、ベースライン近くになります。これらのことにより、「最強反発」と言われていると思います。

 ただ、コントロール性の影響が受けやすいストロークの話であり、影響の少ないサーブは、別です。また、差し込まれた時もしっかり振らないと飛んで行かないため、筋力がないと厳しいです。逆に全力で振りたい方にとってはいいかもしれません。

 ただ、飛ばないと言っても4Gシリーズやポリツアースピン・ポリツアーストライクなどを使えるのであれば問題ないと思います。

 スピン[3/5点]

 スピン量は丸型の中ではある方かなと思いました。「シリコンコーティングおかげでスナップバック量が大きくなる」影響です。ただしっかりと引っかけた時の場合だけです。ボールとストリングの摩擦量が少ない上、弾きが強くホールド時間が短いため、フラット系で打った場合は想像以上にかかっていませんブラストみたいな感じです。

 攻めているときは、フラットで打てるため、かなり攻撃力のあるショットが打てますが、差し込まれている時が厳しいです。厚い当たりで打てていれば問題ないのですが、少し薄く当ててしまうと、ボールがストリングの上を滑ってしまう上、反発力のなさから、飛んで行きませんでした。打点が低い場合もしっかりとは持ちあがりにくいため、難しかったです。

 個人的に、表面のシリコンコーティングが剥がれた時の方が、扱いやすかったです。(中より表面の方が低摩擦なため)

 コントロール[4.5/5点]

 フラットで打った時のコントロール性は、高めです。丸型の中では上位です。同じような感じ(シリコンコーティングされた)のストリングは、RPMブラスト等がありますが、ブラストのような多角形さのデメリットは、無いと思います。


 ボールの伸び[2/5点]

 完全フラットで打てれば、伸びますが、少しスピンをかけて打ちたい時、多めに縦振りしないとかからないため、水平方向のスイングスピードが、かなり落ちるため、パワー不足で伸びにくいです。

 また、絶対的なパワーがないため、絶対的な伸びはありません。「ショット別インプレ」で詳しく書きます。






 ショット別インプレ

 ストローク[2/5]

  上でも述べた通り、コントロール性の高さから、フラットで打てれば、コースもピンポイントで狙えますし、ある程度の威力も出ます。逆に、低く浅いボールや伸びるボールなどの対応が難しかったです。

 ただウィーナー狙っていける速度を出したい場合、他のストリングで7の力で通常は打ち、10の力でウィナーショットを打つ時、ポリツアーファイアは通常8か9の力が必要(コントロール性の高さから8とか9の力でも乱れない)で、ウィナーショットは10でしか打てない(力の限界)です。つまり、他のストリングでは、3の力の差がありますが、ポリツアーファイアは、1~2位しかないのです。他のストリングと比べ、余力が出にくいストリングです。(数字は例えです)

 ボレー[4/5点]

 通常のボレーは、やりやすかったです。多角形ポリエステルストリングのような引っかかりもないためスナップバックも起きにくく、かなりコントロールできます。反発が控えめなので、ドロップだったり低いボールだったりが、勝手に飛んで行かないのでかなりしやすかったです。

 ソフトタッチのボレーは、やはり柔らかいストリングの方がやりやすいので、できないことはないですが、柔らかいストリングよりは少し難しくなります。

 サーブ[2/5点]

 サーブは、スピン量は問題ないのですが、反発がかなり控えめなので、攻撃力的には低いと思います。コントロール性は高いので、遅くてもピンポイントでコースを狙っていける人ならば、攻撃力はあると思います。

 比較インプレ

 シグナムプロ ポリメガフォース

【反発3点・コントロール4.5点・スピン2点】スピンは少なめですが、標準位の反発性と、ポリの中でトップクラスにフラットドライブが打ちやすい(安定する)ため、しっかりボールスピードが出せます。


随時更新します。





 まとめ

 ヨネックスの「ポリツアーファイア」は、完全フラットのハードヒッター向けだと思います。力を加減するとミスしやすいだとか、とにかく飛んでほしくないプレイヤー向けです。世間で言われている「最高反発」というのは、絶対に違います。サーブのスピード勝負すれば分かります。

 セッティングとしては、反発も控えめなので、1.20㎜を少し緩めで張ることをお勧めします。もともとコントロール性は高いので、少し緩めに張っても問題はないです。たいていの人は、そのほうが扱いやすいと思います。


類似ガット+反発RPMブラスト
+コントロール
+スピンRPMブラスト
+柔らかさ