プロが使うテニスラケットの重量・バランス・スイングウェイト一覧

プロが使うテニスラケットの重量・バランス・スイングウェイト一覧

2021年2月18日 2 投稿者: gura

 以下にプロが使うテニスラケットの重量・バランス・スイングウェイトの一覧を作成しましたが、かなりの割合のプロが、重量・バランスのチューンしたラケットではなく、「プロストック」と呼ばれるプロ用の特注のラケットです。

 また、過去のモデルを使用している選手も多く、現在のデザインで塗装をして、広告塔になってもらっていることが多いです。一応実際に使っているラケットを調べたつもりですが、スペック変更や情報漏れなどの可能性があるため参考程度にしていただければ幸いです。

 ※一覧表の後にラケットのスペックなどを少し解説してあります。





 一覧表

名前ラケット重量バランススイングウェイトストリング
ジョコビッチPT113B353g324㎜360
ナダルアエロプロドライブ2005317g328㎜330
フェデラープロスタッフRF97366g315㎜340不明
ティエムピュアストライク18×20317g314㎜310
メドベージェフ(T-Fight 305)(95in18×19)360g不明不明不明
チチパスブレード18×20315g317㎜308
ズべレフグラビティプロ343g330㎜360不明
ルブレフグラビティプロ不明不明不明不明
シュワルツマンHEAD TGT 260.2 XL355g325㎜不明不明
ベレッティーニ Head TGK 219326g326㎜不明
モンフィスH19(98in18×20)361g300㎜不明不明
シャポバロフVCORE95SV不明不明不明不明
バウティスタSix-One 95(18×20)不明不明不明不明
ラオニッチH22 or kBladd98不明不明不明不明
ゴフィンH22?不明不明不明不明
カレノブスタH22不明不明不明不明
フォニーニ(ピュアドライブ)不明不明不明不明
ワウリンカVCORE95D372g32.1or32.3㎜360不明
オジェ アリアシム旧ピュアアエロVS314g320㎜308
カチャノフH22310g318㎜不明
ディミトロフPro Staff 97S355g329㎜357不明
ガリンPT313.2不明不明不明不明
デミノーsteam99/td>不明不明不明不明
イズナーPrince Textreme Warrior 100346g331㎜不明不明
コリッチP25?不明不明不明不明
錦織ウルトラツアー95346g335㎜350不明
キリオスEZONE Xi 98343g不明不明不明
ガスケPT161A361g324㎜381不明
西岡YonexSV98不明不明不明不明
AマレーPT57A353g332㎜不明不明

 ストリング有と無ですが、重量が18~20g位の差が出ます。スイングウェイトは35~45位の差が出ます。ただあくまで、概算なので絶対ではありません。




 解説

 ジョコビッチ

 ジョコビッチの使っているラケットの市販品は、スピードプロで100inの18×20・RA=62ですが、実際は PT113B(プロストック(プロ用設計))です。95インチで18×19(以前は18×20)・RA=60です。

 以前は完全ボックスと言われるようなボックス形状でしたが、今は曲面も増えてきています。また、重量も少しずつ軽くなってきているような噂もあります。まあ、30歳超えてますしね。

 ナダル

 ナダルは、アエロプロドライブ2005です。

 ストリング有の重量は、340g位でそこまで重くは無さそうですが、スイングウェイトは370位ありそうなスペック(1.35㎜のストリングを使っているため重い)です。バランスも340とかになるのではないでしょうか。

 フェデラー

 重量が366gあるとなると、ストリング込のスペックに見えます。またバランスも305に行かないくらいだと思われます。これがグリップテープ込のスペックなら、市販品(RF97 340g・305㎜)とほぼ同等(実際は若干重い)のスペックとなります。

 ティエム

 ティエムもナダルと同じく、市販品と同じ金型だと思います。意外と軽そうなスペックですが、ストリングが多い分スイングウェイト(355とかになると思います)が大きくなります。

 メドベージェフ

 メドベージェフは、T-fight305RSを使っているとされてますが、実際は95インチのラケットでストリングパターンが18×19という、プロストックラケットです。あまり情報が公開されてないです。

 チチパス

 ティエムのピュアストライクと同じ感じです。18×20のブレード・ピュアスト・グラビティ・T-fight305は、コントロール性のわりにパワーがあるため、下手な反発系ラケットよりもボールスピードが出せます。

 ズベレフ

 ストリング有の重量・バランス・スイングウェイトだと思います。

 ルブレフ

 ラケットを変えたばっかりで情報はありませんでしたが、グラビティプロは、反発・コントロールを高次元で両立させたラケットです。

 シュワルツマン

 シュワルツマンの市販品ラケットはラジカルMPと言われてますが、実際はTGT 260.2 XLと言われるプロストックです。18×20のストリングパターンで28インチと2.54㎝長いラケットを使っています。

 ベレッティーニ

 TGK 219は、過去のエクストリーム(Microgel Extreme)です。

 モンフィス

 市販品はウルトラツアー97ですが、実際はH19というプロストックで、98インチ・18×20のラケットです。361gでバランスが300㎜・RA=58と、一定の基準から外れるセッティングです。

 シャポバロフ

 詳細な情報はないですが、フレーム形状を見るとVCORE95SVを使っています。

 バウティスタ

バーンだったりプロスタッフだったり、いろいろなペイントが施されていたラケットです。

 H22使用プロ

 H22は、簡単に言えばプロスタッフのようなフレームの断面形状をしたブレード98です。

 フォニーニ

 ピュアドライブで有名なフォニーニですが、ラケットは最新モデルに見えるのですがバンパーの形が違うため、特注のように思われます。

 ワウリンカ

 95インチで振り抜きが良いとはいえ、驚異の371gです。スイングウェイトも360gでトップクラスです。ストリングも込みだと思います。

 ガリン

 PT313.2の市販品はラジカルです。98インチ・16×19の部分は変わりがありませんが、RAが61と、非常にしなるラケットです。

 コリッチ

 あまり情報がないですが、100in・16×19のブレードのような感じ(塗装はウルトラ色)です。

 錦織

 プラスでストリングを入れるとスイングウェイトが、390位になってしまうため、元々入っていると思います。したがって、346g・335㎜だけで見ると、なかなかタフなセッティングです。重さは95インチで振り抜きやすいためそこまで気になんないかもしれませんが、バランスがトップヘビーすぎてラケットが勝手に走ります。ただ、パワーポテンシャルは、トップクラスにある(100と比べても)ラケットです。

 ガスケ

 PT161Aは、リキッドメタルインスティンクトと言われています。片手バックで数少ない100インチラケットの使い手です。スイングウェイトは381と、次元が違います。後ろから打つバックのボールスピードがかなり速い選手です。

 マレー

  市販品はラジカルですが、今はどちらかで言うとプレステージです。フレーム形状は完全ボックスと言って良いほどボックス形状で、RAの58です。98インチ・16×19のラケットです。ストリングは62lbとかなり硬く張っていますが、ボールの伸びがすごかった(横アルパワー時代)ように見えます。


 目安

 プロのラケット重量は、335~360が平均です。比較的ボックスフレームの方が重量が重い気がします。逆に18×20のラケットなど空気抵抗が大きいラケットは軽い気がします。

 バランスは、ストリング込で325㎜が平均的に感じます。ストリングを張ると10㎜ぐらいバランスがトップに行きますが、グリップテープで4㎜位戻ります。したがって、ノーマルの320㎜がベースかなと思います。

 スイングウェイトは、だいたい350~360と重量の差の割には、かなりまとまりました。


 セッティングの目安

 だいたい、プロのラケットスペックの目安が出ましたが、逆に言えばこれくらいのスペックなら、プロにも打ち負けにくいラケットになります。

 しっかり振れればの話ですが、重いラケットの方が、ボールスピードも出ますしブレも少ないです。逆に軽いラケットは、ボールスピードが出ないのはもちろんですが、オフセンターショットの飛びが悪い上、面ブレにより軌道のブレが生じやすいです。

 だからと言って、もっと筋力をつけてもっと重いラケットを使うというのは、骨などの骨格に傷害を与えますし、体重が重いと動きが遅くなるため、おすすめしません。全体的な筋力のバランスを保つ方がベストです。