18×20のブレード-ピュアストライク-プレステージの違いと特徴

2021年1月30日 0 投稿者: gura

 ストリングが18×20本のラケットは、ストリングの安定性が高いため、滑ってくるようなボールの伸びを出すことが比較的容易です。

 コントロール系ラケットは一般的に「飛ばない」「反発系のラケットで飛びすぎてしまうからコントロール系ラケットを使う」と言われていますが、これは間違いです。

 確かに必要筋力は上がりますが、コントロール系ラケットは、コントロール系ラケットなりのメリットがあります。





  18×20のラケットを使うメリット

 縦18×横20本のテニスラケットの一番のメリットは、ハードヒットしてもストリングが安定することです。簡単に言えば、

“スナップバックが大きくなりすぎないこと・ストリング全体のたわみが少ないこと”

です。「え?スナップバックが小さければスピンがかからなく、ボールをコントロールできないのでは?」と思うかもしれませんが、このスナップバックの小ささが大きなメリットになります。また、ストリングのたわみ量は、多ければ多いほどコントロール性が低下します。

 このリンク先に18×20本のラケットを使うメリットが詳しく書いてあります。



 比較

 重量・バランスポイント

 ブレードとピュアストライクの重量は305g・バランスポイントは320㎜、プレステージの重量は320g・バランスポイントが310㎜となっています。

 重量×バランスポイントを算出すると、ピュアストライク&ブレードが305×320=97600、プレステージが320×310=99200となります。

 黄金スペックと呼ばれる300g・320㎜が96000なので、1600ずつ増えています。320gと聞くと重そうなイメージですが、黄金スペックなどの重量モデルなどと同等位になります。また、プロスタッフRF97や、ウルトラツアー95CVなどは100000を超えます。

 ※この算出数値は参考値であり、荷重分布により変わります。また、重くても空気抵抗の少ないラケットは、軽く感じる(振ったとき)ことが多いです。

 打感

 ピュアストライクは、シャフトのしなりが小さい(RA66(テニスウェアハウス調べ))上、他の2つと比べて弾きが強いです。硬いかと言われると、18×20の分類の中では硬い方です。フレーム剛性が高いため、手に伝わるボールが潰れているという情報は、他の2つと比べあんまりありません。

 ブレードは他の二つと比べ、中央の縦のストリングが少し広いです。しなりもRAが62なため、中心は一番ホールド感があります。逆に端側はストリングが密なので“中心と比べれ”ば少し硬め(弾く)かなと思います。ただ、しなりが大きい分「硬い」とは感じにくいです。

 プレステージは、ボックスフレームらしさが強いです。ボールが潰れている感覚が手にしっかりクリアに伝わってきますし、スイートスポット及びエリアを外したら「外したよ」という情報もかなりクリアに伝わってきます。ボールの潰れている感覚を打感が硬いという人は硬いと言いますし、シャフトがしなる感覚を柔らかいという人は柔らかいと言います。総合すると標準位だと思います。

 16×19のラケットと比べると、18×20のラケットは、ストリング同士の摩擦がある影響でポリストリングの「伸びにくい硬さ」を感じにくいです。

 反発

 反発に関しては、ピュアストライク>ブレード>プレステージだと思います。もちろんストリングによっても変わりますし、合うストリング、合わないストリングも少なからず存在します。

 ピュアストライク・ブレードはフレーム断面がDの形をしています。こうすることで、ラケットのよじれなど、エネルギー損出を抑えています。

 プレステージのスイングウェイトが比較的軽いため、同じくらいに調整するとピュアスト=プレステージ>ブレードになりそうです。

  オフセンターショットの飛びは、ピュアストが良い方です。

 スピン

 スピンは、ブレード>プレステージ>ピュアストライクです。

 ブレードはストリング間隔が若干広いですししなりも大きいためかかりやすいです。

 プレステージ・ピュアストライクは、縦の中心付近のストリングの間隔が狭いです。プレステージはしなりが多いため、スピンがかかりやすいですが、ピュアストライクは、18×20のわりにしなりが少ないため、控えめです。
 ただ、サーブなど、プレステージやピュアストライクは、中心よりストリング間隔が粗い少しフレーム側(手前側の)で打つことによって、フラットの安定感は中心で出し、スピンやスライスの回転量はフレーム側で打つことにより、より多く生成できます。

 安定性・コントロール性

 ピュアストライク・プレステージは、中心付近の縦のストリングの間隔が細かいことから、一発のコントロール性が高いです。

 逆にブレードは、縦のストリングが均等に入っているため、スイートエリアを外して打った時の意図しない引っかかりが少ないです。

 安定性で言えば、ブレードです。一発の攻撃力(伸び)は、ピュアストライク・プレステージだと思います。




 合うストリング

 ピュアストライク

 ピュアストライクに合うストリングは、球離れが速くスピンがかかりにくいことから、少しだけ柔らかめのスピン系ストリングです。ただ、ハイパーG[レビューを見る]のように尖っている多角形のストリングは、ボールの伸びを出すのに不向きなので、RPMブラストか良いのかなと思います。なかなか合うのが見つけにくいです。

 ティエムが張っているRPMパワー1.25㎜【レビューを見る】(47lb)も張ってみましたが、RPMパワーは、スナップバックの引っかかりがほとんどなく、表面の摩擦でかけるナイロンマルチの感覚です。自分でかけに行かないとあまりかからないです。逆に、ドフラットは、スナップバックがほぼ無いおかげで、かなり安定します。「ネット上10㎝以内にボールを数球連続で通せ!(それなりのスピードで)」と言われても、ボールも大きさがあり数㎝しか余裕がありませんが、全然できます(球出しボールですが)。ティエムの動画を見ると、スピンをかけるためにかなりワイパースイングをしてました。

 一番のベストは「ホークタッチ(1.25)【インプレを見る】」45lbでした。巷では「飛ばない!」と言われていますが、スピン量が多いことでそう感じさせているのだと思います。実際はブラスト位飛びますし、コントロール性は、丸型の中ではほぼトップです。

 ブレード

 縦のストリング間隔が若干広いことから、ストリング動き量が少ない丸型の硬めのストリングとマッチしやすいです。アルパワーやオリジナル【インプレを見る】、4Gなど硬めのルキシロン系が比較的合うと思います。

 RPMパワー[レビューを見る]も、スナップバックが小さくてもしなりがあるので、合うかもしれないですね。スナップバックによる引っかかりはほんの少ししかないと思いますが。

 プレステージ

 比較的ピュアストライクに近いと思います。中心で打った時のスピン量が欲しければ、ホークタッチだとか、ルキシロンのオリジナル【インプレを見る】だとかです。




 選び方

 安定さが欲しければブレード18×20v7です(安定感MAX)。スイングウェイトが重めで、フレームの先端の正面厚が厚いことで、振り抜きは少し落ちますが、一番使いやすいと思います。WTA選手も使ってきています。

 ティエムのような、160~180km/hのウィナーなど、一発の攻撃力が欲しければ、ピュアストライクです。

 振り抜きやすさが欲しければ、プレステージです。