ガット張り機を購入した場合,どのくらい張れば元が取れるのか(ストリングマシン)
2022年3月4日テニスラケットにストリング(ガット)を張るには、量販店の場合、ストリング代が約3000円、張り代が1000円程度かかります。月に1本張り替えるだけでも4000円しますし、学生などは試合前に張り替えるのは必須ですし、ポリでも切れたり・テンションが落ちたり(コントロール性の低下)するため、月に数本張り必要のある場合もあります。
そこで、ガット張り機を購入して、コストを抑えることができるのですが、何本張れば元が取れるのか考えてみます。
張り替え頻度と、張り替えないデメリット
まずストリングを張り替えないデメリットですが、ポリストリングもナイロンストリングも、ラケットに張っている状態(テンションがかかっている状態)の場合、使用しなくてもストリングが伸びてきます(テンションが落ちてくる)。
一般的に日本ではストリングを張り替えないと、「打感がぼやける」と言われますが、一番のデメリットは「コントロール性の低下」です(アルパワー[レビューを見る]は打感の変化が大きいですが)。
ストリングが伸びてくると、スナップバック”量”が大きくなります。その結果、スナップバックによる面ブレを起し、ネットにかかってしまったり、アウトになってしまったり、スピンが想像よりかかってしまったりと、コントロールが乱れます。ピュアドライブなどストリング間隔が粗いラケットに10lbとかで張ってみれば、分かりやすいと思います。(スピンをかけるのはスナップバック”力”)
張替えの頻度の理想ですが、一般的に日本では、ナイロンは3ヵ月、ポリは1ヵ月と言われています。テンションの低下度合いは、ナチュラル<ナイロン<ポリです。
特にポリは、1週間経つとだいぶコントロール性は違いますし、正直30分打っただけで「変わった」という方(中級男性(50代)(RPMブラスト1.25))もいらっしゃいます。コントロール性の影響が少しわからない方でも、テンション低下と同時に、自然とボールスピードが落ちていってました(振れなくなっている)。したがって、しっかり張替えることによって、テニスのパフォーマンスが上がります。
個人的には、テンション維持性の悪いストリングは、1~2週間で変えてしまいたくなりますし、逆に、テンション維持性が良ければ(&切れなければ)、2カ月いけるかなといったところです。
試合時は、張替えたほうがパフォーマンスが高いです。
ただ、張替え直後ではなく、数日寝かせることで、ポリのノッチ(交点のへこみ)や形が付くことによって、ストリングの動きが遅くなるため、フラットドライブが打ちやすかったりします。(フェデラー・ジョコビッチが横に摩擦量の多いアルパワーラフ[レビューを見る]を張っているのと、マレー・ズベレフのように横に摩擦が多いナチュラルガットを張っているのが証拠です。)
ストリングマシンの種類
ストリングマシンの種類は主に、「電動式」「バネ式」「分銅式」の3つがあります。
精度
精度は、「電動式>>>分銅式>バネ式」です。
バネ式の場合は、ストリングの位置を調整した時にテンションがずれますが、そのずれを補正できません(気づきにくい)。分銅式の場合は、テンションがずれた時に分胴の位置がずれるため、調整できます。
ただ、バネ式も分銅式も何度も引っ張らないといけないため、テンションのムラはできやすいです。
電動式は、一度引いた後に自動でテンションを調整してくれるため、テンションのムラが少ないです。
正直に言って、縦横2lb高い(低い)の場合は気づかないことが多いと思いますが、横だけが-2lbなど、縦と横のバランスがずれると大きくショット性能が変わるため、電動式がおすすめです。
張る所要時間
ガット張りの所要時間は、電動が30分程度、バネ式が1時間、分胴式が1時間半程度かかります。
ただこれは、ある程度慣れている人の時間なので、初心者は別として初級程度なら、電動が40分、バネ式が1時間半、分胴式が2時間かかる場合もあります。初めてや数本しか張ったことがない初心者の場合は、電動でも1時間かかると思います。
価格
一番ネックなのが価格です。安くて、分胴式が5万円、バネ式が10万円、電動式が15万円です。
ただ、ガットの張り代だけでなくストリングも安く買えるため、意外と元が取れます。安いものだと1張り500円位で、高いものだと1600円位です。
ストリングマシン別、どれくらいで元が取れるのか
A-WIN AW-200(分胴式)
分胴式で安いのがA-WINのAW-200です。価格は5万円弱です。6点支持のためラケットの変形が抑えられます。
50,000円すると考えて、ストリングの張り代が1000円(量販店でストリングを購入し張ってもらった場合)、ストリング代が量販店では3000円・通販で1000円と仮定した場合、約3000円浮くことになります。50000÷3000=16.6…なので、17回張れば元が取れます。
月1回張り替えの方でも1年半あれば元が取れますし、2カ月に1回の方でも3年弱で元が取れます。
A-WIN AW-430(バネ式)
バネ式で安いのがA-WINのAW430です。価格は9万円程度で、こちらもラケットが変形しにくい6点支持タイプです。
90,000円すると考えて、ストリングの張り代が1000円(量販店でストリングを購入し張ってもらった場合)、ストリング代が量販店では3000円・通販で1000円と仮定した場合、約3000円浮くことになります。90000÷3000=30なので、30回張れば元が取れます。
月に1回張る方は、2年と6回張れば元が取れます。
ゴーセン GM20EX(電動式)
オフィシャル等でも使われている、本格仕様のストリングマシンです。張りの精度はもちろんですが、張りやすさや素材の品質が高いです。ただ価格は50万程度とやや高めです(中には100万するものもある)。
ストリングの張り代が1000円(量販店でストリングを購入し張ってもらった場合)、ストリング代が量販店では3000円・通販で1000円と仮定した場合、約3000円浮くことになります。500000÷3000≒166.6…なので、167回張れば元が取れます。
月に2回張ったとしても元を取るのに6年と23回かかります。月4回張ると3年半です。
A-WIN AW-EC(電動式)
電動で一番安くおすすめなのが、A-WINのAW-ECです。とにかく電動の中で一番安く、ポイントを含めると15万円以下になります。しかも、(テンションなど)メモリー機能・プレストレッチ機能・ノット機能・引張り速度調整機能等々、フル装備された電動ストリングマシンです。テンションも0.1lb単位で設定ができます。また、ディスプレイが液晶?のため、設定情報など非常に見やすいです。さらに、ストリングをチャック部に(引張るところ)クルッと回さなくて良いところも良い点です。
150,000円すると考えて、ストリングの張り代が1000円(量販店でストリングを購入し張ってもらった場合)、ストリング代が量販店では3000円・通販で1000円と仮定した場合、約3000円浮くことになります。150000÷3000=50なので、50回張れば元が取れます。
月1回張ると50÷12=4年と2回、月2回張ると2年と1回で元が取れます。さすがに月0.5回だと8年を超えてくるので、現実的ではないかと思います。
したがって、学生なら普通に元が取れます。一般の方でも、お小遣い稼ぎとしてガット代込みで2000円などと、張ってあげれば、数年で元が取れると思います。
さらに量販店で張ってもらう場合、店までの交通費や時間もかからないため、もっとお得ですし、量販店だと人によって張りが甘かったり、混雑状況によって数日間かかってしまうということもありますが、自分で張ればほとんどありません。
また、ポイントが多く付く時に買えば、1万円近く安くなることもあります。