バボラのテニスラケットの特徴は「飛び重視」です。「飛び重視=飛びすぎで使えない」と感じる方がいますが、飛びが強くてもコントロール性が高いラケットや、飛びもコントロール性も低いラケットもあったりします。
ただ、比較的言えるのが、「飛びが強く、コントロール性の低いラケット」は、ボールを打つ時に多くの余力が必要で、逆に、「低反発でもコントロール性や安定性が高いラケット」は、余力が少なくてもコントロールが乱れにくいです。したがって、使う人が操作性に難を持たないラケットなら、出せるボールスピードはほとんど変わりありません。さらに言うと、走りながら打つことの多いシングルスや、相手のボールが速い場合や変化が大きい場合は、安定性が高いラケットの方がボールスピードが出しやすいです。
※ 性能スコアは、tennis warehouseさん(海外のショップ)のインプレスコアを記載しています。ちなみに、tennis warehouseさんは、だいたいメーカー公表スペック付近のラケットをピックアップし、3人~6人位のレビュー点数の平均スコアで示しています。1人のインプレより正確性は高いかなと思います。
※スイングウェイト&フレックス(RA)は、tennis warehouseさんの実測値です。またフレックスは、ガットを張った前後で変わる場合も多いです。 また、ラケットの個体差もあり確実に数値通りにならないのも事実です。
ピュアドライブシリーズ(反発系)
ピュアドライブ
前作(2018)と比べ大幅にパワーアップ(飛ぶ黄金スペックの平均が87か88位)し全ラケットの中で圧倒的なパワーアシストです。コントロールも向上し、高反発ラケットの平均の80点になりました。ただ、スピン量に関しては16×19の中でも結構控えめ(スピン量が少ないほどボールが“滑ってくるよう”に伸びる(マレーやカラツェフのように))です。フレーム硬度の割には打感が柔らかい(衝撃吸収性が平均的)です。ただ、球離れは少し速いかもしれません。勝てるか勝てないかは別にして体力的に圧倒的に楽でした。
・両手フォアハンドの方は、安定感はあるのですがボールスピードが出にくいため、高反発・低スピン・高安定性のピュアドライブが全メーカーのラケットの中で一番お勧めです。
・フラットドライブ主体の女性には、高反発で安定性が高い(ムラが少ない)ラケットのためかなり人気です。
・男性の場合は「飛びすぎ」と言われることも多く、フラットドライブのコントロール性が高いストリングを張るか、もう少しコントロール寄りのラケットでもいいと思います。50代や60代の方でスイングスピードが少し落ちてきたと感じる方には、おすすめです。
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
100 | 300 | 320 | 320 | 16×19 | 23-26-23mm | 72 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
87 | 85 | 83 | 87 | 85 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
92 | 80 | 85 | 85 | 82 | 79 | 83 | 86 |
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ピュアドライブVS
打感の硬さ(衝撃吸収性)さえ気にならなければ、振り抜きが非常に良く、パワーアシストも良好でパフォーマンスが高いラケットです。ラケットフェイスの3時9時の所に少し荷重をしてあげることで、黄金スペック以上の反発をだせ、コントロール&安定性も上がります(振り抜きがいいため少し荷重しても、使いにくくはなりにくい)。打ちごたえがあるというか衝撃吸収性の低いガットでは辛かったです。
怪我をよくする方にはおすすめできないです。操作性以外は特筆推奨はできないです。コントロールが高めのラケットを選びたい場合、ピュアストライク16×19をお勧めします。
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
98 | 300 | 320 | 317 | 16×19 | 21-23-21mm | 68 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
85 | 87 | 84 | 90 | 88 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
86 | 83 | 89 | 81 | 77 | 83 | 89 | 85 |
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ピュアアエロシリーズ(スピン系)
ピュアアエロ
ピュアアエロは何と言っても、圧倒的にスピンによる攻撃力が高いです。バウンド後高く跳ねるため非常に返球しにくいです。ストリング間隔が広いため、フラットドライブはピュアドライブやピュアストライクと比べれば苦手です。またスロート形状により、水平方向の振り抜きも少し低いです。
・スピン系プレイヤーには全メーカーの中で一番お勧めのラケットです。ストリングは、「オリジナル【インプレを見る】」や「アルパワー」「アルパワーラフ」「RPMブラスト(1.35mm)【インプレを見る】」など、スピン量が多い&フラットドライブが安定するストリングを選ぶとより効果的です。
・ナイロンストリングを使っているプレイヤーは、スピンによる攻撃力が低いことや、ストリングの切断寿命が短いことによりお勧めしません。
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
100 | 300 | 320 | 324 | 16×19 | 23-26-23mm | 67 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
86 | 89 | 82 | 87 | 82 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
89 | 80 | 78 | 81 | 83 | 81 | 96 | 83 |
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ピュアアエロVS
日本では球離れが速いというレビューが多いラケット。海外のレビューを見ると、サーブのパワー不足と打感の方さがネガティブ評価です。なぜ反発が86点もあるのに、「パワー不足」と言われるのかというと、他のラケットと同じ力で振れはスイングスピード上がり、ボールスピードが出せるのですが、スイングスピードが上がれば上がるほど空気抵抗が多くなり、ボールスピードの上昇率が低くなるためです。スイングスピードが一番必要なサーブ(相手のボールの勢いを使えない)がネガティブ評価なのです。
両手バックの人は100インチの方が攻撃力が高くおすすめです。
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
98 | 305 | 315 | 321 | 16×20 | 21-23-21mm | 67 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
86 | 88 | 85 | 84 | 86 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
86 | 84 | 89 | 82 | 78 | 82 | 89 | 84 |
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ピュアストライクシリーズ(コントロール系)
ピュアストライク100
スイングウェイトは319とピュアドライブ(320)と同じ位ですが、バランスが325㎜とフレームのトップ側の荷重があることで、高めのコントロール性となっています。操作性を上げるカスタム(グリップ部に荷重)をすることによって、扱いやすくなると思います。
操作性や飛びなどの面で、おすすめはストリングが16×19本のタイプです。
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
100 | 300 | 325 | 319 | 16×19 | 21-23-21mm | 69 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
82 | 84 | 82 | 80 | 81 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
83 | 85 | 81 | 82 | 81 | 83 | 84 | 81 |
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ピュアストライク16×19
フェイス面積が98インチ・フレーム厚が21-23-21㎜なので、コントロール性の割に非常に操作性が高いラケットです。また、少し荷重しても振り抜けなくなりにくいため、コントロール性を上げるカスタムをできるのもメリットです。操作性も良く飛んでくれるので、攻撃もディフェンスもしっかりこなせる扱いやすいラケットです。
・操作性とコントロール性が良いため、ボレーやダブルス中心のプレイヤーや、筋力が弱いけどコントロール性が欲しい、高反発ラケットの打感の軽さやフレームの硬さが嫌いという方におすすめです。
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
98 | 305 | 320 | 327 | 16×19 | 21-23-21mm | 66 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
86 | 88 | 85 | 86 | 87 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
87 | 84 | 88 | 84 | 84 | 86 | 86 | 87 |
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ピュアストライク18×20
中心のストリングの動きが非常に少ないのと、球離れが少し早いため、安定したコントロールというよりは、ティエムのように一発「ドカーン」と打つ人向けです。一発の攻撃力は最強クラス。リターンは、中心に当てた時とオフセンターで当てた時の軌道の上がり方(中心は全くと言って良いほど上がらない・逆に端は上がる)が違うため、少し辛かったです。逆にこれを利用し、前衛の前へアングルショットを打ちたい時、端で打つことによってほぼ一発でウィナーになります(当然余裕があるときですが)。
・一発の攻撃力が欲しい方に一番お勧めのラケットです。反発力は低いですがストリングの動き量が少ないためボールスピードがしっかり出せます
・多角形ストリング(ハイパーGなど)を使いたいが「ボールの伸びがなくなるのが嫌だ」という方にもストリングの動き量が少ないのでお勧めです。
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
98 | 305 | 320 | 334 | 18×20 | 21-23-21mm | 66 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
81 | 82 | 86 | 84 | 79 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
80 | 86 | 81 | 85 | 81 | 82 | 80 | 85 |
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まとめ
・両手フォアハンドの方・反発性が欲しい女性・筋力が落ちてきた男性はピュアドライブ
・スピンの攻撃力が欲しい方は、ピュアアエロ
・操作性を求める方・コントロール性を求める方・ボレー中心・しなるフレームが良い方はピュアストライク16×19
・筋力がある方で一発の攻撃力が欲しい方はピュアストライク18×20
がおすすめです。
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