【テニス】おすすめの薄ラケ(薄いラケット)性能スコア付き

【テニス】おすすめの薄ラケ(薄いラケット)性能スコア付き

2021年8月4日 0 投稿者: gura

 テニスラケットの一種のカテゴリーである「薄ラケ」。通常フレーム厚が26㎜を「中厚ラケット」といい、それ以下を「薄ラケ」、もしくは23㎜を「準薄ラケ」・22㎜以下を「薄ラケ」といいます。

 一般的に「薄ラケ」というのは「中厚ラケット」と比べ反発性が低いです。しかしコントロール性が良いため、中厚ラケットより残しておく余力が少なくて良いため、ボールスピードは、薄ラケも中厚ラケもほとんど変わりません。





 薄ラケを使うメリット・デメリット

 まず簡単に、薄ラケを使うメリット・デメリットをご紹介します。

 デメリット

 まずはデメリットからです。

1、中厚ラケットと比べ、しっかり振らないといけないため体力消耗量が多い。
2、スイートエリア(飛び項目)が小さく、外すと飛ばない。
3、スピンが少ない(例外もあり)。
4、スイートエリアが広くない上、当てるだけでは飛ばないため、ボレーで壁になりにくい。
5、サーブのスピードが少し遅い。


 メリット

 次にメリットです。

1、安定感が高い(ショットのムラが少ない)。
2、高コントロール・安定感+スピンが少ないため、滑ってくるようなボールの伸びが出しやすい。
3、コントロール面のスイートエリアが広い(飛びは落ちる)。(ガットの動き量が少ない分、面ブレがしにくい)
4、繊細なコントロールは、中厚ラケットでどんなに余力を残しても薄ラケの方が良い(ストローク・ボレー・サーブなど)。
5、趣味の人は特に、運動量が増えるため健康になれる。
6、ガットが18×20本のラケットは、1.30㎜のものを使わなくてもいいため、意外と飛ばせる。

 日本では一般的に「飛ばないラケット=ボールスピードが出ない」と思われがちですが、全くもって違います。飛ばないラケットは飛ばないがコントロール性が高いです。一方ピュアドライブやEZONEなどの高反発ラケットは、飛びますがコントロール性が悪いです。したがって、高反発ラケットは、コントロール系ラケットより多く余力を残す必要があります。したがって、ボールスピードは大して変わりません。もう少し詳しく説明すると、余裕があるときのボールは、高反発モデルのほうが速いかもしれません。逆に、余裕がない時のボールは、ショットのムラが少ないコントロール系ラケットの方がボールスピードが出せます。ただ、コントロールモデルになればなるほどスイングウェイトや静止重量が増えていくため、筋力がないと振り抜きが辛くなります(もちろん飛ばないラケットでも振り抜きが良かったり、反発が低いのにコントロールの悪いラケットも存在ましす。使ってみないと分からないです。)。



 備考

 また、薄ラケは「しなりが多いから打感が柔らかい」と言う方もいますがこれも違い、グロメットの柔らかさやカーボンの断面のダンピングなど様々な要素で決まるため、一概には言えません。

 日本人は既製品に対するカスタムは、見た目や作ってくれた人に対してなどを理由に、したくない方が多いですが、ラケットは個々に合わせて作っているわけではないので、自分に合うようにカスタムをした方が良いです。カスタムすることで、操作性やコントロール性を上げることができ、プレーのパフォーマンスが高くなります。ジョコビッチなんて、特注のラケットなのにわざわざ軽く作らせて、鉛テープでコントロール性を上げているくらいですから。




 おすすめの薄ラケ(高反発)

 ヘッド スピードMP(G360+)

面積重量バランススイングウェイトストリングフレーム厚フレックス
10030032032816×1923-23-23mm64
総合ストロークボレーサーブリターン
8788858488
反発コントロール操作性安定性打感柔らかさフィーリングトップスピンスライス
8785858584868886

 薄ラケというかフレーム厚が23㎜なので「準薄ラケ」になります(準を入れるなら)。個人的にも扱いやすさ含めたすべての点で(ストリングが16×19の中で)最強ラケットです。

 飛びもスイングウェイトが大きいせいかEZONE100の87点と同じ飛びです。スイングウェイトが大きくなるとどうしても振り抜きが悪くなってきますが、フレームの正面厚が他のラケットより薄く、フレーム断面もラウンド形状に近いため、空気抵抗が少なく、振り抜きが落ちません(ピュアドライブも85点)。

 コントロールに関しても、ストリングが16×19本の中で結構横糸の縦幅が小さく、スイングウェイトも少し大きいため、高いです。主婦層の女性陣も複数使っていますが、みなさん中上級男性にも負けないほどのパフォーマンスを出してます。

 打感も柔らかめで、怪我もしにくいラケットです。

 振り抜きは、スイングウェイトが328とピュアドライブの320と比べ重いので、空気抵抗は少ないですが重さを感じるかもしれません。

 女子学生や、スクール初中級以上の女性、一般男性におすすめです。



 バボラ ピュアストライク16×19(2020)

面積重量バランススイングウェイトストリングフレーム厚フレックス
9830532032716×1921-23-21mm66
総合ストロークボレーサーブリターン
8688858687
反発コントロール操作性安定性打感柔らかさフィーリングトップスピンスライス
8784888484868687

 ピュアストライクはフレーム厚が21㎜-23㎜-21㎜でスピードMPと2㎜-0㎜-2㎜フレーム厚が薄いため、こちらの方が振り抜きやすいです。

 同じくらいのスイングウェイトで98インチなると飛ばないかと思いきや、ストリングの横糸の縦幅がかなり広いため、意外と飛ぶようになっています。その分ストリングの動きが大きくなりコントロール性が下がるのですが、ラケットフェイスの3時&9時の位置のフレーム厚を厚くすることによって、そこの荷重が多くなるため、コントロール性の低下を最小限に抑えて飛ぶようになっています。

 打感も柔らかめです。

 ピュアストライク16×19は、片手バックユーザーにおすすめです。片手バックは、打てる打点の前後幅がかなり短いため、振り抜きやすさやコントロール性が重要になってきます。スイートエリアも若干広いです。

 また、振り抜きの良さから、ボレー中心のプレイヤーにもおすすめです。



 どれを選ぶか

 ストリングの動きが小さいほうが良いなら、スピードMPでしょう。スピードMPの方がしっかり打てます。

 振り抜きが欲しければピュアストライク16×19です。また、ピュアストライクはストリングが動きやすいので、少し伸び量の少ない(衝撃吸収性とは別)ストリングをチョイスした方がしっかり打てます。



 おすすめの薄ラケ(中反発)

 ヘッド ラジカルMP(2021)

面積重量バランススイングウェイトストリングフレーム厚フレックス
9830032032616×1920-23-21mm65
総合ストロークボレーサーブリターン
8685858287
反発コントロール操作性安定性打感柔らかさフィーリングトップスピンスライス
8385838584858987

 スピードMPから、フェイスサイズが2in小さくなりフレームサイズも数㎜小さくなりました。コントロールが同じだとしても少し飛ばない方が良いというプレイヤーにおすすめです。




 おすすめの薄ラケ(低反発)

 ウィルソン プロスタッフ97(315g) V13.0

面積重量バランススイングウェイトストリングフレーム厚フレックス
9731531032116×1921.5-21.5-21.5mm66
総合ストロークボレーサーブリターン
8583848283
反発コントロール操作性安定性打感柔らかさフィーリングトップスピンスライス
7987858386868485

 正直言って一部の18×20のラケットより飛ばないです。ただ、ストリングが16×19の中でトップクラスのコントロール性があります。理由としては、「PWS」というフェイスの3時&9時の位置にある膨らみが面ブレを抑制しているためです。

打感がストリングが16×19本の中では非常に柔らかいので、衝撃吸収性の良くないストリングも比較的使えます。また、ボックス形状のラケット特有の打感のクリア感やフィーリングの良さもあります。

 振り抜きが良いですしコントロール性も高いので、少し3時・9時の位置に荷重することで、飛びやより多くのコントロール性を出すことができます。個人的には(好み?)そのままスイングスピードを上げたら空気抵抗の割合が大きくなってしまうので、少し荷重してスイングスピードを下げてボールスピードを出したいラケットです。逆に言えば、カスタムできるラケットです。ガットで調整もでき、アルパワー【インプレを見る】オリジナル【インプレを見る】・ホーク・エックスワンバイフェイズ(ナイロンマルチ)【インプレを見る】など飛ぶものなら使いやすいと思います。

 RF97(340g)の方は、スピードmp近くまで飛びますが、40gの振り抜きが結構重いので、高校生~20代男性向けです。



 ヨネックス VCORE PRO97

面積重量バランススイングウェイトストリングフレーム厚フレックス
9731031031816×1920-20-20mm64
総合ストロークボレーサーブリターン
8586798284
反発コントロール操作性安定性打感柔らかさフィーリングトップスピンスライス
8086918285858981

 カスタムありきでお勧めするラケットです。フェイスが小さいのにスイングウェイトが318(ピュアドライブが320)と非常に軽いです。またヨネックス特有のアイソメトリック構造というものがスイングウェイトの割にフェイスの3時・9時側の荷重量が少なくなってしまっています。その結果ボレーや安定性のスコアが低くなっています。

 したがってフェイスの3時&9時の位置に荷重することによって、コントロール性・安定性・反発性など、かなり高次元に化けさせることができます。荷重すると振り抜きはよくなくなりますが、元々の振り抜きがいいため、振れなくなりにくいです。リードテープを3時9時の位置に2gずつ(1gを前後左右に4カ所)(SWが+15位)に張るとかなりパフォーマンスが高くなります。操作性を上げるためグリップエンドにも荷重すると良いです。

 カスタムが嫌な方がいるかもしれませんが、ジョコビッチはわざわざ軽いラケットを作らせてカスタムしていますし、フェデラーや錦織も「PWS」といって3時&9時の位置に荷重したラケットを使っていますから、性能が上がることは間違いないです。



 テクニファイバー TF40 305

面積重量バランススイングウェイトストリングフレーム厚フレックス
9830532532618×2021.7-21.7-21.7mm64
総合ストロークボレーサーブリターン
8888858789
反発コントロール操作性安定性打感柔らかさフィーリングトップスピンスライス
8188828788898388

 ストリングパターンが18×20のラケットはスイングウェイトが重く(330半ばある)振り抜きがつらいことが多いですが、比較的このラケットは寛容です。また、コントロール・振り抜き・反発(EZONE98と同じくらいの反発)など、バランスが良く非常に扱いやすいです。スピンは少なめですが、少ないからこそ安定感が出ます。ネットの白帯を連続で狙えるほどコントロール性が高いです。非常に衝撃吸収性も良く、衝撃吸収性が悪いストリングを使っても快適です。モンフィスやブラウン選手が18×20のラケットを使っているように、18×20のラケットでしっかりセッティングを出せば、ボールスピードはかなり出せます。





 まとめ

 おすすめの薄ラケとして、スピードMP・ピュアストライク16×19・ラジカルMP・プロスタッフ97・VCOREPRO97・TF40 305を紹介しました。一応、一般ユーザー向けの薄ラケで、競技者や筋力が有り余っている方はまた別です。

 他にもラケットはいろいろありますので、合いそうなラケットがなかったら見てみてください。




※ラケットの性能スコアは、tennis warehouseさんの数値を参考にさせていただいてます。