ボレーに適したテニスラケットの条件とおすすめ(性能スコア付)

ボレーに適したテニスラケットの条件とおすすめ(性能スコア付)

2022年4月4日 0 投稿者: gura

 ボレーが「安定感重視」「攻撃力が高い」「ディフェンスが強い」など、ボレーは場面で適切なラケットが違うため、ラケット選びは様々な、考え方が適用できます。

 もちろんストリングやストリングを張るテンションでも違うため、ハイブリッド的な性能にすることも可能です。


 ボレーに適したテニスラケットの条件

 コントロール度

 まずは、テニスラケットのコントロール度です。

 ストリングが18×20本のラケットや、ストリング間隔が16×19本の中でも、WプロスタッフやPツアー100など、ストリング間隔が狭いラケットは、スナップバックによる面ブレ量が少なくなるため、安定感が高かったり、ネットギリギリを狙えるため球速や伸びを出し易かったり、ドライブボレーが打ちやすかったりします。(Wはウィルソン・Pはプリンス)

 一方、Bピュアドライブ・Bピュアアエロ・Hエクストリームなど、黄金スペックと呼ばれ縦長ではないラケットは、面ブレを抑制する荷重が多いため(縦長のラケットは面ブレを抑制する荷重が少ない)、フラットでボレーを打った時センターを外してもしっかり飛んでくれるため、ディフェンスのボレーが強いです。(引っかけて打ってしまうと面ブレしやすい。)(Bはバボラ・Hはヘッド)

 つまり、攻撃力を出したければ高コントロールラケットで、ディフェンス力を出したい場合は高反発ラケットがベストです。また、ドフラットがほとんどの場合は、高反発ラケットが良く、少しスライスをかけたり(伸びが出る)、コースギリギリを狙ったりする場合は高コントロールラケットの方が良いです。

 プロも、ダブルスの名手と呼ばれるブライアン兄弟は、95インチのストリングも18×20本のラケットを使っていましたし、逆に、ジャックソック選手は、ピュアアエロの前身のアエロプロドライブ(100インチ・16×19本)を使用しています。

※飛びに関してですが、高コントロールラケットは低反発ですが、コントロール性の影響で、残しておく必要がある余力が少なくて良いので、出せるボールスピードは高反発ラケットと変わらなかったりします。


 重さ・バランスポイント

 重さに関しては、ボレーは操作性が非常に重要なため、少し軽めがベストです。

 ただ軽ければ良いというわけではなく、軽すぎると、オフセンターショットをしたときに面ブレしてしまい、コントロールが乱れたり、ストロークの球速や安定感が低くなる場合もあります。

 スイングウェイトはA、TPのシングルスプレイヤーにおいては340(フェデラー)~360(ナダル・ジョコビッチ程度)が多い中、338と軽めです。

 逆に静止重量は、354gとかなり重いです。フェデラーが366g・ジョコビッチが353g・ナダルが343gで330~360gが多いです。

 以下の「操作性を上げるカスタム」をすると、ボレーがしやすくなります。オフセンターショットも軽減できます。


 ストリングとテンション

 バボラの「エクセル(ナイロンマルチ)」のように、摩擦量の多いストリングほど、面ブレが少なくボレーが安定します。

 ただ、ストロークなどでスピン量が足りなくなることもあるので加減が大切です。

 ピュアドライブなどストリング間隔が粗いラケットは、少し摩擦があるストリングを使った方が、攻撃力も高いですし安定もすると思います。逆に低摩擦の細ゲージのポリを張ってしまうと、面ブレが起きやすく、コントロールが乱れやすいです。

 「アルパワー(ポリ)[レビューを見る]」などの高反発のストリングは、面の向きを作るだけで良いため、アングルボレーのしやすさだったり、ディフェンスボレーがしやすかったりします。

 一方「ハイパーG(ポリ)[レビューを見る]」などの低反発なストリングは、ドロップボレーの時に力を抜きすぎる必要がないため(抜きすぎると面ブレが起きやすい)、ドロップボレーが打ちやすくなります。

 テンションに関しては、高テンションで張った場合球離れが早く、繊細な距離調整がしにくいです(特にドロップショット)。ただ、面ブレが大きく起きるほどスナップバックが起きても良くないのでバランスが大切です。


 ※ストロークに適したラケット

 ストロークは、基本的に少しコントロール性が高いラケットの方が良いです。その方が、面ブレ量が少ないので繊細なコントロールができますし、安定感も出ます。

 ただ、ピュアアエロやSX300などを使い、ストロークで「とにかくボールを足元に落とす」という戦術も強いです。安定感を出すために、ある程度しっかりしたテンションでストリングを張った方が良いとは思いますが。


 おすすめラケット

 バボラ ピュアドライブ

 ピュアドライブは、黄金スペックの中でも面ブレ抑制荷重がトップクラスに多い(15.6)です。ただ、ストリング間隔は粗目なので、バボラの「エクセル(ナイロンマルチ)」など、少し摩擦量の多い(スナップバック量を減らす効果)ストリングを選ぶと、ボレーが安定します。ポリの場合は伸び量の少ない「ハイパーG[レビューを見る]」などがおすすめです。

ピュアドライブ2021

面積重量バランススイングウェイトストリングフレーム厚フレックス
10030032032016×1923-26-23mm72
総合ストロークボレーサーブリターン
8785838785
反発コントロール操作性安定性打感柔らかさフィーリングトップスピンスライス
9280858582798386

 ヨネックス EZONE100

 スイングウェイトが重すぎなくて高反発なのが、EZONE100です。面ブレ抑制荷重はピュアドライブより少し少ない(15.0)ですが、ストリング間隔が狭くなっているため(スナップバックによる面ブレが少ない)、少しスピンがかかるセッティングでも安定しやすいです。テクニファイバーの「NRG2(ナイロンマルチ)」や「エックスワンバイフェイズ(ナイロンマルチ)[レビューを見る]」など比較的低摩擦(スピンがかかる)ストリングもおすすめです。

EZONE100(2022)
面積重量バランススイングウェイトストリングフレーム厚フレックス
10030032031716×1923.8-26.55-22.5mm67
総合ストロークボレーサーブリターン
8788858586
反発コントロール操作性安定性打感柔らかさフィーリングトップスピンスライス
8685858385878583

 ヘッド スピードMP

 少しスイングウェイトが重いですが(中級女性は使っている)、全体的なバランスが高いです。面ブレ抑制荷重は14.4です。ポリを張っても安定しやすいです。「オリジナル(ポリ)[レビューを見る]」を張って、ヘビースピンを打っても良いですし、「ファイアーストーム(ポリ)」や「ホーク(ポリ)」を張って、反発を上げても良いです。

スピードMP(G360+)
面積重量バランススイングウェイトストリングフレーム厚フレックス
10030032032816×1923-23-23mm64
総合ストロークボレーサーブリターン
8788858488
反発コントロール操作性安定性打感柔らかさフィーリングトップスピンスライス
8785858584868886

 プリンス ツアー100

 面ブレ抑制荷重が15.3と、黄金スペック並の荷重があります。ボックス形状の打感の柔らかさや打感よ良さ(クリアさ)もあります。また、縦(メイン)のストリングの横の間隔が均等なため、オフセンターショットをしてもコントロールが乱れにくいです。310gと290gがあります。※新作は白色です。

TOUR100 310
面積重量バランススイングウェイトストリングフレーム厚フレックス
10031031032716×1822-23-20mm66
総合ストロークボレーサーブリターン
8789858486
反発コントロール操作性安定性打感柔らかさフィーリングトップスピンスライス
8585868587868785

※レビュースコア・スイングウェイト・フレックス・面ブレ抑制荷重は、tennis warehouseさんのスコア・実測数値になります。


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