RPMブラストとブラックコードの比較インプレ

RPMブラストとブラックコードの比較インプレ

2020年9月30日 0 投稿者: gura

 ピュアドライブVSに、「RPMブラスト(1.25㎜)」(Babolat RPM blast)を45lb、「ブラックコード(1.24㎜)」(Tecnifibre Black code)を50lbで張りました。

 定番のRPMブラストと、柔らかい5角形のスピン系ストリング「ブラックコード」ということで、お互いに人気がありますが、比較してみると、けっこう違いました。





 スペック

 バボラ「RPMブラスト」

 「RPMブラスト」は、角が尖っていない8角形のストリングですが、表面にシリコンコーティングをしており、引っかかりというよりはスナップバックで回転をかける仕様です。

色:ブラックのみ
ゲージ:1.20、1.25、1.30、1.35㎜

 ナダル選手やワウリンカ選手、フォニーニ選手らが使っているストリングです。

 テクニファイバー「ブラックコード」

 「ブラックコード」は、ソリンコの「ハイパーG」・「ツアーバイト」、ヨネックスの「ポリツアースピン」・「ポリツアースピンG」と同じく5角形のスピン系ポリエステルストリングです。

色:ブラック、ライム(緑系)、ファイア(オレンジ系)
ゲージ:1.24、1.28、1.32㎜

 インプレ

 打感

 「RPMブラスト」は芯がある柔らかさで弾きもある程度あります。逆に「ブラックコード」柔らかく、弾きは少ないです。

 ブラストの「芯のある柔らかさ」は、同じ力をかけた時にゆっくり伸びていく感じです。ストリングマシンで引張ってみると分かります。最大伸び量は結構あります。打ちごたえのある打感です。少し重さもあります。

 「ブラックコード」ストリングの柔らかさ(伸びやすさ)が誰でもわかると思います。また、弾き感が少ないため、ホールド時間が長い上、打感はしっかり重みがあります。柔らかいと言っても、打感的にはハイパーGより気持ち柔らかい程度と、伸び量の割には柔らかくありません。

 反発

 反発は「RPMブラスト」が標準的な反発「ブラックコード」がほんの少し控えめな反発です。

 スピン

 「ブラックコード」は「ハイパーG」と同じく5角形ですが、弾きかが少ない(スナップバック量は多いがスナップバック力が小さい)ため、そこまでかかりません。ブラストよりはホールド時間の長さで少し多くかかっていると思います。

 「RPMブラスト」は、「多めにかかる」くらいです。「グリグリ」かかるストリングではありません。スナップバック量は多いのですが、ストリング表面のシリコンコーティングのおかげで、ボールが滑ってるからです。また、擦るように打ってしまうと、シリコンコーティングのおかげで、ボールがストリングの上を滑るため飛んで行きません。

 ブラックコードの方が、安定的にスピンはかかります。

 コントロール

 「RPMブラスト」は、標準的なコントロール性です。芯のある柔らかさですが、最大のたわみ量が多いので「スイートスポット(スイートエリアではなく)」を外すと、コントロールが乱れやすいです。一方、スイートスポットで打てた時は、いい球が飛んで行きます。

 「ブラックコード」は、とにかく柔らかいため、ストリングのたわみ量&スナップバック量が多いため、コントロール性は低いです。常に安定した一定のスイングが求められます。

 ただ、ピュアドライブVSに張ったのがあまり良くなかったみたいです。ストリング間隔が広くホールド時間が長い場合、スナップバック量が多くなります。したがってVCOREとかも合わないみたいです。逆に18×20のラケットや、16×19でもスピン量が控えめなラケットはブラックコードを張ることで、低いボールの持ち上げやすさやアングルショットの打ちやすさなどが良くなるため、標準的なコントロール性になると思います。

 こちらに、スナップバックとたわみがコントロール性に影響する原理がかかれています。

 ボールの伸び

 「ブラックコード」は、スピン系ストリング特有のボールの伸びの少なさがあります。ただ、ハイパーG等のスピングリグリ系ほど無くはありません。フラットで打てればいいのですが、コントロール性の低さから、自分(ピュアドラVS)にはリスキーすぎました。

 「RPMブラスト」それなりに伸びるボールを打てます。ストリングのシリコンコーティングのおかげで、フラット気味に当てた時、思いのほかスピン量が多くないため伸びます。回転をかけたい時はしっかりかけられ、低めのエッグボールでは、バウンド時に大きく跳ねるため相手の打点を狂わすことができます。高めのエッグボールでは、相手をコートの外に追い出すことができます。






 ショット別インプレ

 ストローク

 「RPMブラスト」の方が、高反発でコントロール性もいいため、安定感・ボールの伸びがあります。

 一方「ブラックコード」は、自分の技術力もありますが、ラケットとの相性が良くなかったので難しかったです。ブラストより安定したスピン量とハイパーGよりフラットドライブの伸びが欲しい場合、ブラックコードの選択肢はありかなと思います。ただラケットはコントロールモデル限定ですが。

 ボレー

 遅めのボールに対しては「ブラックコード」の方が柔らかいため、コントロールしやすかったです。逆に、速いボールは、「RPMブラスト」の方が、ストリングのしっかり感や引っかかりの少なさがあるので、コントロールしやすかったです。

 サーブ

 「RPMブラスト」の方が安定感・ボールスピードともに良かったです。絶対的な変化量は、ブラックコードなのでしょうけど、ブラストの方がピンポイントでコースを狙えます。

 比較インプレ

随時更新します。




 まとめ

 ブラックコードは、スピン量が少なめなラケット(18×20やピュアドライブ2021・プロスタッフなど)に張ると、安定したスピン量が出せ、スピングリグリ系のハイパーG等の伸びの少なさを軽減してくれます。逆にスピン量が多いラケットには、合いません。

 ブラストは、スピンをかけた時とかけなかった時のムラが大きく、このムラが攻撃力にプラスされます。一方、多角形特有の安定したスピンではありません。

 低いボールの持ち上げやすさや、アングルショットは、ブラックコード。エッグボールとフラットドライブの緩急、ボールの伸びは、ブラストです。

※テンションやゲージを変えれば、コントロール性・反発性・スピン性は調整できます。また、インプレは、個人の見解であり、使う人によって感じ方は変わります。