ポリメガフォースの辛口インプレ フラットドライブ超安定 シグナムプロ
2022年1月25日シグナムプロの「ポリメガフォース(1.24㎜)」(Signum Pro PolyMegaForce)を、ピュアドライブVSに50lb&TF40 305[レビューを見る]に47lbで張ってみました。
トッププロで張っている方は、あまりみないですが、かなりフラットドライブが打ちやすかったです。また衝撃吸収性も良く、価格も非常に安価です。
スペック
「ポリメガフォース」は、シグナムプロから販売されている、丸型のポリストリングです。
色は、ライトグレーです。
ゲージは、1.19㎜・1.24㎜・1.29㎜・1.34㎜があります。
伸び量(とは?)は、後日掲載します。
インプレ
打感
フラットショット時のたわみ量は、[2.5/5]です。
スピンショット時の最大伸び量は、[3/5]です。
衝撃吸収性は、[4/5]点と高めです。
まず、一番思ったのが、弾き感の強さです。ハイパー[レビューを見る]Gのような弾きの強過ぎ感はないですが、弾き感が少し強いです。その影響か少し打感は軽めです。ストロークのドロップなど軽めに打った時(ボレーは問題なし)、球離れがほんの気持ちだけ早く感じるかもしれません。逆に、この球離れの早さが、フラットドライブの安定感や、衝撃吸収性の良さを生み出していると思います。TF40 305の方はストリングが18×20本なので、気にならなかったです。
また、“適度な伸び量の少なさ”のおかげで、手首を固定して打たなくてもコントロールしやすいため(伸び量が多すぎるとスナップバックによる面ブレが多く、手首で固定しがち)、衝撃吸収性の良さと合わせて、テニス肘になりにくいと思います。
反発[3/5点]
反発は、標準位です。
弾き感は強くてもアルパワー[レビューを見る]のようにホールド時間の長さ(アルパワーが長い)はないので、実際の飛びは標準位になります。
スピン[2/5点]
スピン量は少し少なめです。
丸型のポリストリングでスピン量が多いのが、アルパワー[レビューを見る]やホークタッチ[reviewを見る]が3点・オリジナル[reviewを見る]が3.5点位です。
スピン量が多いストリングは、面の向きに対して少し上方向に飛んで行きますが、ポリメガフォースは、引っかかりが強くない分、面の向きに近い角度で飛んで行きます。その分フラットドライブが安定します。
一般的に「TF40 305」のようなストリングが18×20本のラケットは、「スピンがかからなくて安定しなくて難しい」と言われることが多いですが、ポリメガフォースはフラットドライブの打ちやすさ&コントロール性の高さからしっかり振っていけるため、意外としっかりし品をかけることができました。
コントロール[4.5/5点]
フラットドライブのコントロール性だけで言うなら、5点満点です。適度な伸び量の少なさかつスピン量が少し少ないため、フラットで打った時とスピンをかけて打った時の差が小さく、かなり安定します。
逆にスピン量の多いストリングは、状況に合わせやすいメリットはありますが、フラットで打ちたい時に意図しないで少し引っかけて打ってしまっと、着弾点が大きく逸れます。簡単に言うとポリメガフォースは「(ラケットのではなく)スイングのスイートエリア(角度)が広い」です。
フラットドライブのコントロール性が5点なのになぜ4.5点になるかですが、スピン量の少なさが原因です。スピンが少ないと、アングルショットのコントロールだったり、低いボールの持ち上げだったりが難しく、その点での減点です。あと、ストロークのドロップショットの球離れの早さもですかね。
とは言っても、フラットドライブのコントロール性・安定性の高さはトップクラス(一番と言っていいいほど)に高いので、球速の出し易さ・ミスの少なさ・きついボールからのカウンターショットの打ちやすさ・左右のコントロール性の高さなど、多くのメリットがあるストリングです。以下の「わざとオフセンターショットをしてスピン量を上げるテクニック」を使うことで、スピン量の少なさをある程度カバーできます。
ボールの伸び[4/5点]
スピン量が少なめのため、スピンによるバウンド時の変化は大きく出にくいです。
一方、滑ってくるような伸びは、スピン量の少なさや、球速の出し易さから、比較的出し易いです。
テンション維持
テンション維持は良い方だと思います。コントロール性も打感も、一気に大きくは変わっていきませんでした。
また、適度な伸び量の少なさや、スピン量の多くなさから、ローテンションで張っても比較的コントロールしやすいため、テンション(コントロール)低下を緩やかにすることできます。
ショット別インプレ
ストローク[4.5/5点]
フラットドライブのコントロール性や安定性(ムラ・ミスの少なさ)に関しては、満点の5点です。スライスも引っかかりの強くないストリングの分、打ちやすいです。
ただ、スピンをかけて手前に落としたい時とか、低いボールをスピン量で持ち上げたい時とか、軽く打った時のホールド時間の短さは、少しネガティブです。
ボレー[4.5/5点]
ボレーに関しては、適度な飛びがあること、適度な伸び量の少なさがあるため面ブレ量の少なさ(特に下回転をかけた時)から、かなり良いと思います。下回転もかけやすく、滑ってくるような伸びのあるボレーもしやすいです。
サーブ[4/5点]
サーブに関しては、繊細なコントロール性や安定性がかなり高い反面、スピンサーブの変化量は多くはないです。しっかりコースを狙ったほうが攻撃力が高いストリングです。
比較インプレ
テクニファイバー アイスコード
衝撃吸収性が5点とポリの中でトップクラスに高い上、ポリメガフォースのようにフラットドライブが打ちやすいです。軽く打った時のホールド時間もあります。ただ、テンション維持が良くなくコントロールの低下が大きいです。また、最大の伸び量が少し多いため、少ないポリメガフォースの方が安定感があります。
※随時更新します。
まとめ
ポリメガフォースは、フラットドライブがトップクラス(一番と言って良いほど)に安定するポリストリングです。
おすすめな人
・フラットドライブのコントロール性・安定感が欲しい方。
・安さ&高パフォーマンスのストリングが欲しい方。(ポイントを含めれば600~700円(RPMブラストが900円~))
・あとは、テニス肘だけどナイロンが切れすぎて使えない方や、怪我をしやすい方ですかね。
安さ&パフォーマンス&衝撃吸収性から、学生にめちゃくちゃおすすめです。
あと、ストリングのコントロール性が下がっている状態でテニスをしたくない方にもおすすめです(短期間で張り替える方)。
セッティング
太さに関しては、スピン量が少ないことや、適度な伸び量の少なさがあるため、基本的には1.24㎜で問題ありません。スピンが欲しければ1.19㎜でも良いと思います。
スピンがもう少し欲しければ、縦(メイン)を2lb程度上げてあげると(スナップバック力が強くなる)、スピン量が増えます。縦横同テンションの方がフラットドライブは打ちやすいですが。
テンションですが、学生とかでなければ、縦45lb-横45lbとかでも良いと思います。300gのラケットを使っている一般の女性や50代以降の男性なら、40lb-40lbとかでも全然コントロールできそうです(300g未満のラケットの方に対しては基本的にはナイロンをお勧めしています。)。学生や20代男性の場合は、50lbや50前半がおすすめです。