ピュアストライク 18×20 2020モデルのインプレ
2020年9月9日ピュアストライク18×20の2020年モデルのインプレです。
18×20本のラケットは、イメージでは「飛ばなくて難しい」ですが、メリットも多くあり、使える人が使わないのはもったいないと思ってしまいました。確かに比較的飛ばないラケットではありますが、初速が落ちてもフラット系なら、ボールの伸びが出ます。また、ショットの精密性や安定性が上がります。
ピュアストライク18×20は、癖は強いと思います。しかしその分攻撃力の高さがかなり高いです。
ストリングは、テクニファイバーのエックスワンバイフェイズ1.30を45lbで張りました。
スペック
フェイス面積 | 98in |
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重量 | 305g |
バランス | 320㎜ |
ストリング | 18×20本 |
ストリング間隔(とは?) | 1マス:10.0×8.1㎜ 全体:26.1×19.75㎝ 5×5:9.8×11.0本 |
フレーム厚 | 21-23-21㎜ |
フレーム正面厚 | 12.2-10.4-10.8㎜(実測) |
フレックス(RA) | 66 |
バボラのコントロールモデルのピュアストライク18×20です。一般的にコントロールモデルというのは、ボックス形状(に近い)が多いですが、ピュアストライクは、ラウンド形状の尖がっている部分だけを削った感じの6角形の形をしたフレーム形状です。
インプレ
打感
プレステージやブレードほどではないですが、シャフトのしなり感を感じ取れます。フレームだけで言えば、持ちすぎず持たな過ぎずといった感じのしなり感です。ボックス形状のしなるラケットの芯でピンポイントで打った時のボールが「グニュ!」と感じるような打感はありません。ストリングとフレームを合わせると弾きが強い(ホールド時間が短い)です。
「弾きが強い=打感が硬い」のかな?と思われがちですが、そんなことはありません。ストリングの摩擦が16×19のラケットよりある(圧力が高いため摩擦が多い)ため、ストリングの硬さをかなり軽減してくれます。打感がつらい(衝撃吸収が悪い)ストリングでも比較的問題ないです。18×20の中では、硬めの打感です。
反発
ピュアドライブVSとかと比べれば、けっこう落ちます。スイングスピードが速くない(50代男性中級レベル)人が使うと、「球出しか!!」というくらい、攻撃力がありませんでした。もちろん、使う人のスイングスピード(同じ50代でも)や、ストリングの種類・テンションによっても変わります。
逆に、プロスタッフ97(315g)だったり、ブレード16×19だったりと、飛ばない16×19のラケットより飛びます。ブレード18×20と比べると少し飛ぶかな?といった感じです。
コントロール
一番のメリットはコントロールでした。「飛ばないからコントロール出来る」「飛びすぎるから、飛ばないものにする」という意味ではありません。この場合は、失速しているだけです。失速が理由で全力で振っても入るというのは、「自分の技術面に対する自己満足」に過ぎず、相手からすれば「ぽんこつショット」です。
一応、前置きとしてピュアストライクは、縦のストリングが中心が細かくフレーム側がかなり粗くなっています。
中心で打った時は、スナップバック量とストリングのたわみ量が非常に少ないため、ショットの正確性が非常に高いという意味です。一言で言えば「ムラが少ない」です。余裕があれば、毎回ボールをネット上15㎝の枠に入れることができます。
逆に、フェイスの下側で打ってしまった時は、スナップバックによりボールが上に飛んでいきやすいです。これは、走らされた時や低いボールを持ち上げようとして縦振りをしたときに良く起こってしまいました。ただ逆にこの現象を利用することで、攻撃力も上がるのは確かです。端で打てばスピンがかかるため中心付近のストリングはあまり動かないようにし、スピンをかけたい時は下側で打つことでかけることができます。また、相手が前に出てきた場合などアングルショットを打ちたい時下側に当てるだけでスピン量が多くなるため、コントロールの乱れやすい縦振りをする必要がありません。そのため、相手が上級者でも自分に余裕があれば、ほぼ1発でポイントを取れます。
スピン
スピンは、フレックス(RA)が66(ストリングを張ると下がる)しかないのに、ストリングの目がプレステージ並みに小さいため、中心で打つとかかりません。多角形を使っても引っかかり感がかなりないですし、スピンのかからないストリングを使うと、ボールがストリングの上を滑ってるのではないかと感じるくらいです。
逆に少しフレーム側で打つとしかっり掛かってくれます。意図時に外して打つことも必要ンラケットです。
他
ピュアストライクは、コントロール性が高くスピン量が少ないため、フラット系でボールを打つと、ボールの伸びを出しやすいです。
ショット別
ストローク
先ほどコントロールの欄で述べた通り、中心で打った時のコントロールの乱れは非常に少ない(トップクラス)です。また、18×20のラケットでもトップクラスの反発性です。また、少し下側で打つことでスピン量も簡単に増やせるので、自分に余裕があるときの攻撃力は、全ラケット中トップクラスだと思います。
ただ逆に走らされたりなどし、ラケットフェイス面の意図しない所で打ってしまった時のコントロールの乱れが気になりました。下側で打ってしまうとボールが上に飛んで行きますし、真ん中で打ってしまうとボールが持ちあがりません。
ティエムがベースラインのかなり後ろで打っている理由が、良く分かります。
ボレー
フレームの剛性の高さやフレーム側のストリングが目が粗いことで、スイートエリアが比較的広く安定します。ただ、下回転をかけようとして、端に当てたりしてしまうと少し引っかかって乱れます。
サーブ
サーブは、めちゃくちゃいいです。
フラットサーブを打ちたい時は中心に当てて打つことで、完璧なコースに飛んで行きます。
逆にスピンやスライスサーブを打ちたい時は、少しフレーム側で打つことによってかなり回転がかけられます。RPMパワーを張っていた時は、スピンサーブで空振りさせることができました。
比較インプレ
随時更新していきます。
使ってほしい人
絶対的な攻撃力が欲しい方におすすめです。ティエムはRPMパワーを張って、180km/hのウィナーを含めた160km/h以上のウィナーを量産していますし、意図的に少し外して打つことでえげつないアングルショットを打つことができます。
ただ、防御はあまり得意ではないです。スライスなど、丁寧にしのぐ技術が必要です。
※元のラケットもセッティングで調整はできます。
セッティング
基本的に、16×19と同じテンションで張ってはいけません。ストリングにもよりますが、全く回転がかからなくなりアウト・ネットを量産してしまいます。そうすると、振り上げたりワイパースイングを多用してしまうため、ショットのムラが出るだけではなく、肘や手首を痛めます。最低でも5lb位は落としたほうがいいかな思います。自分の一定のスイングの範囲で、きっちりボールが収まるスピン量が出るようなセッティングにしてください。
ストリング
シグナムプロの「ハイペリオン1.24」を48lbで張ってみました。最初は、ボールとストリングの摩擦量が少なく滑ってしまい、スピンがかかりませんでした(もともとスピン量は少なめ)。かけようと縦振りしたら、普段のスイングでないのでコントロールが乱れました。結構経ってからスピンがかかるようになったのですが、ストリングのたわみ量が多くコントロールしにくかったです。張りたては、左右のコントロール性が高く、ラインぎりぎりを狙うことができました。
バボラの「rpmブラスト1.20」を50lbで張りました。スピン量は増えた(ボールの伸びが少ししかない)のですが、それなりのコントロール性により、それなりに打てました。ただ、ブラストは、コントロール性が平均位のストリングなので、ピンポイントでコースを狙っていくという感じでは無いです。
バボラの「RPMパワー1.25」を47lbで張りました。スナップバックがほぼないため、ストリング表面の摩擦コーティングでかけていくしかないです。結構スピンをかけるのが難しいというか頑張ってかける必要があります。逆にスナップバックがほぼないため、ドフラットで打った時の、軌道の高さのコントロールはどのストリングにも負けないと思います。ネット上10㎝の間にボールを連続で通せ(それなりのスピードで)と言われてもできます。完全にボールの伸び重視のセッティングです。手前に落としたい時回転で落とすのではなく、ネットのクリアランスを意識して打つ感じです。ボレーは引っかかりが少なくて、ネットギリギリを通せます。
ヘッドの「ホークタッチ【インプレを見る】」を45lbで張りました。正直これがベストでした。他者のインプレでは「飛ばない」と評価されてますがこれは、弾き感が少ないため飛ばないと錯覚しているのだと思います。ブラスト位飛びますし、丸型ではトップのコントロール性だと思います。また、スピンも丸型の中ではトップクラスにかかります。なにより、フィーリング含めた使いやすさがあります。
まとめ
正直、自分がしっかり打てる時の攻撃力は、全ラケット中トップクラスだと思います。ティエムはRPMパワーを使って2020年戦っていましたが、ウィナー速度のアベレージは、トップクラスだと思います。
ただ、自分が余裕ない時のミスは少し許容してくれないと感じました。
ティエムがレシーブの時に極端に下がり出した理由が分かる気がします。RPMパワーは、絶対的なボールスピードが出せるけど、ピュアストライクはしっかりスイート“スポット”でとらえなければいけないのです。他のストリングの時は全体的なボールスピードがないため下がって打てなかったんだと思います。