テニス肘でもテニスしたい時の(意外と知られていない含)対処法
2022年3月9日テニスは寿命を10年も伸ばすという研究結果がある位、満足度が高い運動です。したがって、怪我をしてる時でも、「テニスしたい」という方が多いです。「腱が切れている」「肩が上がらない」と言っているのに、テニスをしているくらいです。
このページでは、テニス肘でもテニスをしたい方向けに、ベーシックな対処法はもちろん、意外と知られていない(つまり非常識)な対処法も紹介します。単純に全員が全員同じ理由でテニス肘になっているわけではないので、非常識な対処法を使った方がテニス肘を改善することも多いです。
テニス肘の主な原因
テニス肘の定義
まず、テニス肘の定義ですが、前へ倣え(まえへならえ)をした時、肘の上側の筋肉の炎症です。どちらかというと1時方向(左利きの場合は11時)の筋肉で、手のひらう上に向けると外側になるので「外側」と言われることも多いです。
逆に、下側(内側)の筋肉の炎症は、ゴルフ肘と呼ばれているものになります。
テニス肘の原因
テニス肘の主な原因は、「打点が詰まった(体に近くなって)時、手のひらを手の甲側に曲げて打つこと」です。
あとは、少数派ですが、「打点が前すぎる」場合も手首を手の甲側に曲げて打つので、テニス肘になります。
ゴルフ肘の場合は、ボールをより飛ばそうとして、「手首をスナップさせて打ちすぎ」というのが理由です。打点が後ろ過ぎて「手首のスナップを多く使って打っている」場合もゴルフ肘になりやすいです。
テニス肘の原因を引き起こす理由
テニス肘(ゴルフ肘)の原因をまとめると、ほとんどが「(前後左右の)打点が合っていない」です。
なぜ打点が合わないかというと、「足の位置が適切な場所ではない」です。
つまり、テニス肘の原因は「ボールとの距離感を測れていない」ことが一番の理由です。
「ボールとの距離感」は練習でしか改善できなさそうですが、道具の問題もかなり大きいです。
テニス肘の対処法
飛ぶラケットにする
やはり、飛ばないラケットほど、しっかりラケットを振らないとボールスピードが出ないがために、スイングスピードに意識が多くいくため、ボールの距離感を測る意識がおろそかになり、打点がつまりテニス肘になってしまいます。
ただ、ここでいう「飛ばないラケット」は、単純に「ピュアドライブが飛んで、プレステージが飛ばないよね」ではありません。
どちらかというと「反発係数[反発係数とは]」の飛び具合です。EZONE100(2022)が40.5ピュアドライブ(2021)が41.0%、グラビティプロが41.9%、ブレード18×20V7が42.0%などです。
ラウンド形状のラケットの場合、水平方向のスイング時は空気抵抗が少ないため、比較的問題ないのですが、プロスタッフ97(315g)(V13)は40.9%・(V10)は39.9%しかないです。ボックス形状のため水平方向のスイングスピードが上がりにくく、少し頑張って振らないと飛ばない(MAXのボールスピードが遅い)ラケットです。したがって、ボールとの距離感への意識がおろそかになり、打点が詰まるわけです。
そこでラケットに2g位荷重(コントロール性&安定性を上げるカスタム)してあげると、41.9と40.9%くらいになるため、扱いやすくなります。
また、軽量ラケットも反発係数が低く怪我のリスクが高いです。正直女性にも中級以上なら285g以上を使った方が良いかもしれません。ピュアドライブやEZONE・スピードMPなどの300gを使っている中級女性は意外と多くいます。
270g以下とかになると、飛ばないですしコントロール性も良くないので、高い技術が要求されます。最初は重いかもしれませんが慣れるので285g以上がおすすめです。
コントロール性の高いラケットにする
コントロール性&安定性の低いラケットほど、完璧なスイングが求められます。したがって、コントロール性&安定性が低いラケットは「真ん中で打たないと」「このスイング角で打たないと」と意識してしまい、足への意識がおろそかになります。その結果テニス肘になります。
つまり、巷で言われている「高反発ラケット推奨」というのは、あまり正しくはないです。
簡単に言うとテニス肘の方は、「意識をしっかり分配できるような、反発性とコントロール性」のラケットがベストなのです。「脱力」というのができるのがベストです。
「コントロール性と安定性が高くないラケットに、ローテンションで低摩擦のポリを張りました」となると、振り遅れたり、萎縮してしまってすべてが崩れていったりします。
ちなみに、少し反発が落ちていても、コントロール性がその分高ければ、同等のボールスピードが出せます(特にストローク)。
衝撃吸収性の高いラケットにする
当然ですが、衝撃吸収性の悪いラケットほど、テニス肘になりやすいです。
テニスラケットの衝撃吸収性を決める要素は、フレームのしなりやストリングのたわみ量だけではありません。
グロメットの柔らかさだったり、カーボン断面のダンピングだったり、いろいろな要素が組み合わされての衝撃吸収性です。
ピュアドライブは、フレームのしなりは少ないですが、カーボンのダンピングやグロメットの影響で、衝撃吸収性は平均位です。逆にピュアドライブVSはカーボンのダンピングが少ないため衝撃吸収性は良くないです。プロスタッフRF97も外すと衝撃吸収性は良くないですが、315gのモデルは、衝撃吸収が良い方です。
つまり同じ名前のラケットでも衝撃吸収性異なります。
ピュアドライブVS・ピュアアエロVS・プレステージ(G360+)プロ&ミッド・SX300などは衝撃吸収性が良くなく、ツアー100・スピードMP(G360+)・グラビティプロ・プロスタッフ97(315g)(V13)、EZONE100(2022)などが衝撃吸収性が良かったりします。
グリップを変える
グリップをレザーにしたり、摩擦力の大きいグリップテープを巻くことで、ラケットの面ブレを握力で抑えることができるため、球速・コントロール性・安定感など、パフォーマンスが向上します。(※球速は同じスイングスピードでも力がしっかり伝わるようになるため上がる)
その結果、無理してスイングスピードを上げる必要がないですし、ラケットのコントロール性や安定性が高ければ、それらへの意識を足へ回すことができるため、テニス肘の改善効果があります。
逆に摩耗し過ぎなどで摩擦力が少ないグリップを使っている場合、正直に言ってショットが安定しないです。
正直に言って、グリップテープ一つだけでも全然違います。
ストリング(ガット)を変える
できればストリングは、高反発で衝撃吸収性の高くコントロール性の高いストリングがベストです。
一般的にナイロンストリングが推奨されていますが、衝撃吸収性が良くないナイロンもあります。意外と飛ばないナイロンもあります。
あとは、スピンがかからなくて、スピンをかけることに意識が行きすぎて足がおろそかになってテニス肘になったりまします。
ナチュラルガットを張るのも手です。6000円だとかしますが、ナイロンマルチより耐久性が良いため、切れなければそこまでの出費にはならないと思います。
ポリも、「最高反発」という評価が多い「ポリツアーファイア」はストリングの弾き感の強いだけで、反発力はかなり低めだったり、「ハイパーG」も「標準的な飛び」という評価が多いですが、弾き感が強い一方、球離れの早さから力の伝わっている時間が短く少し飛ばなかったりするので、飛ぶように感じて飛ばないストリングも多いので注意が必要です。
テンションに関しても、テンションが低い方が衝撃吸収性は良く、高反発でもありますが、ローテンションすぎると、コントロール面でテニス肘になりやすいので、黄金スペックと呼ばれるラケットの場合、1.25㎜前後の太さなら45lb未満はお勧めしてないです。
アイシング&マッサージする
テニス後すぐに、患部をアイシングすることで炎症を抑えます。できるだけ氷水や保冷剤などある方がベストです。なければ、水を含ませたタオルでもかまいません。
基本的に痛みや熱がある場合は、冷やすのがベストです。長風呂などで温めてしまわない方が良いです。
軽く患部をマッサージしてあげることで筋肉がほぐれ血流などが良くなるため、筋肉の修復速度が速くなります。毎日ほど良く行うと、回復が速くなります。
休暇日を作る
ほぼ毎日テニスをしている方もいらっしゃいますが、毎日筋肉に負荷をかけている状態なので、ほど良く休暇日を作ることが重要です。
日常生活での負荷を減らす
パソコン作業や雑巾を絞ったりなど、手の甲側に手首を曲げる行為は、テニス肘の筋肉に負担がかかります。しなくていい場合は制限をした方が、回復が速くなります。
程度的には弱いとしても、スマホの使用も、負荷がかかっています。
※他
フォームの改善
フォームの改善は、単純に時間がかかりすぎですし、慣れていないことをすると余計に足への意識がおろそかになって、テニス肘が悪化する場合があります。
サポーターをする
冬は筋肉を冷やし過ぎて硬くならないようにするのは良い(特に運動前)ですが、夏は筋肉の温度が上がりすぎて、炎症反応が大きく出るため注意が必要です。痛みがない時はサポーター等で温めてあげることで血流が良くなり、回復に繋がります。
テニス肘ベルト
科学的に開発されたものなんでしょうけど、3割くらいの人しか「有効」と答えてないという調査もあったり、「つけている時は楽」という声もあったり、プラシーボ効果(思いこみ)というのもあったりするため、個人的に、どこまで効果があるのか疑問です。