1ページで完璧!テニスラケットの選び方のすべてとおすすめ
2021年4月28日現行モデルだけでも100種類以上あるテニスラケット。どうやって選べばいいのか・どれが良いラケットなのか、正直難しいです。ここでは、1ページで分かるようにできるだけ簡潔にに紹介していきます。
テニスラケットの選び方
フェイス面積
フェイス面積は基本的に93~120平方インチです。一般的に小さくなればなるほど飛ばなくなりますが振り抜きが良くなります。ただ飛ばすために重くなっていることが多いです。逆に大きくなればなるほどラケット重量の割には飛びます。しかし、コントロールは下がります。
最初に選ぶ場合、一般的に97~100インチをお勧めします。女性の場合、学生以外なら100インチが無難です。108インチ等少し大きめのラケットは、重量が軽くなっても空気抵抗が大きいため操作性は思ってるほど良くないです。ラケットを大きく振れない場合のみおすすめします。
高反発と呼ばれる、ピュアドライブ(300g)・EZONE100・エクストリームMPなどは、高反発ですがコントロール性が低いです。逆に、プロスタッフ97(315g)・TF40 305・ブレード18×20・グラビティプロなどは、低反発ですがコントロールが良いです。したがって、振れる重さなら、コントロールモデルの方が残しておく余力が少なくて良いので、ボールスピードは変わりません。
フレーム厚
一般的にフレーム厚が厚いほど飛ぶとされます。ただ条件もあって、下にも出てきますが、ラケット重量やスイングウェイトによる影響もあります。フレーム厚が厚くても重量が低ければ飛びませんし、フレーム厚が薄くても重量があれば飛びます。個人的には23㎜程度が(スピードMPやピュアストライク16×19など)、振り抜きが良くて使いやすいと思っています。そこから派生もしやすいですし。
逆に軽いラケットしか使えない場合は、フレーム厚が厚くなければ飛ばないため、26㎜程度をお勧めします。こちらも同様に、出せるボールスピードは変わりません。
ストリング
一般的に縦16本×横19本です。一般的に同じ本数でも目が細かければコントロール性が良くなります。したがって18×20の方がコントロール性が高くなりますが飛ばなくなります。ただ飛ばないと言っても、コントロール性や安定性は高いので、しっかりボールスピードは出せます。逆に14×18などは飛ぶけどコントロール性が良くないです。
ラケット重量・スイングウェイト
まずスイングウェイトとは何かですが、力を加えた時の加速のしにくさです。同じ力を加えた場合、スイングウェイトが高い方が一定の速度に行くまで時間がかかります。逆に低ければ一定の速度に行くまでの時間が短いです。
ラケットの空気抵抗が大きくなればなるほど振り抜きにくいですし、ラケットの静止重量やスイングウェイト(SW)が多いほど振り抜きにくくなります。ただスイングウェイトが大きいほどボールスピードが出ますしコントロール性が高いです。これも使ってみなければ分かりにくいです。
一応指標として、
初級男性300~305g・(SW320)
中級男性305g(SW)・(SW325)
ベテラン男性285g・(SW310~320)
男子学生310g~(ウェイト貼り付け含む)(SW330~)
初級の一般女性は、285g(SW315)
中級以上の一般女性は、300g・(SW320~325)
ベテラン女性は、285~270g・(305~315)
女子学生300g~(ウェイト貼り付け含む)・(SW320~)
前後をお勧めします。あくまで一例です。空気抵抗にもよります。
基本的にラケット重量が軽くなればなるほど、振り抜きは良くなりますが反発性・コントロール性・安定性(ムラの少なさ)が落ちます。振れるだけ重いラケット(カスタムもいれて)を使うのをお勧めします。そのほうがフラットドライブが伸びるので。
テニスする日数や時間が長ければ、重いラケットでも問題はないですが、週1で2時間のみで雨が降ると数週間空くことがあるというユーザーは、少し軽めをお勧めします。
ラケット重量バランス
ラケットの重量の中心点がどこにあるかという指標です。簡単に言うとシーソーです。ラケットを丸い棒の上に載せ左右の重量が釣り合う(ラケットトップ&グリップ部が両方とも浮く)位置までの距離を示します。グリップエンドから棒までの距離が大きくなれば「トップヘビー(グリップライト)」、逆に距離が小さくなれば「トップライト(グリップヘビー)」となります。(中間が320㎜)
トップヘビーになれば、ラケットが勝手に走りやすくなりラケット重量の割にボールスピードが出しやすいです。逆にグリップヘビーになれば、ラケットが勝手に走らないため操作性が上がります。ただ、グリップヘビーにするためにグリップ部に荷重を入れすぎると、ラケット全体が加速しにくくなります。
一般的にベースライナーはトップヘビー・ネットプレイヤーはトップライトを好む傾向があり、WTA(女子)選手は男性よりトップヘビーの傾向が強いです。
テニスラケットの都市伝説
反発系ラケットが飛びすぎるから飛ばないラケットを使う
「反発系ラケットが飛びすぎるから飛ばないラケットを使う」というのは間違いです。「飛んでくれる」というメリットのように言うことでメーカーを守る意味や、自分の技術が低いことを認めないで逃げられる意味でもあります。
実際は、反発系ラケットなどコントロール性の低めのラケットは、打つ時により多くの余力が必要です。逆にコントロールモデルは打つ時の余力が少なくても大丈夫です。その結果、出せるボールスピードはそこまで変わりません。一発のボールスピードは反発系ラケットのほうが出るかもしれませんが、ボールスピードを定常的に出せるのは18×20など安定性の高いコントロールモデルです。ただ、反発もコントロールも安定性なども同時に低ければ、ボールスピードは出せません。
その証拠にATPやWTAツアーで優勝している選手は、ジョコビッチ・メドベージェフ・ワウリンカ・シャポバロフ・エナン(WTAの片手バックの名手)などが95インチのラケットを使っていますし、ズベレフ・ルブレフ・フォニーニやWTA選手の半数は、100インチのラケットを使っています。またシュワルツマンは過去のラジカルのような完全コントロール系ラケットを1インチ(2.54㎝)ロング加工して使っています。
つまり、「筋力がないから飛ぶラケットを使う」というのも間違いで、”勝つためには”、ピュアドライブを使うにしてもグラビティプロ・ブレード18×20・プロスタッフを使うにしても同じ量の筋力が必要です。ただ筋力が少なくてもいい場合もあり、今のナダルや・ジョコビッチ・フェデラーのように圧倒的な技術がある場合のみです。
ただ、飛ばないと言われるコントロール系ラケットは、反発性を上げるのとコントロール性を上げるためにラケット重量が重くなります。この重量が限度以上だと、後半まで体力が持たなかったり、振り遅れを連発したりするので、注意が必要です。
100インチだから飛ぶ・コントロールモデルだからコントロール性が高い
「100インチだから飛ぶ」・「コントロールモデルだからコントロール性が高い」これも間違いです。100インチでも97インチより飛ばないラケットもありますし」、最上のコントロールモデルでも、一個下のラケットの方がコントロールが高い場合もあります。正直言って使ってみないと分かりません。少なくても「飛ばない=コントロール性が高い」ではありません。理由としては、ラケットの重量分布だったり、ストリング間隔の違い、カーボンのダンピング等があります。
ストリングが18×20のラケットは日本人には向いていない
上でも述べた通り、余力が少なくてもいいため、コントロール性&安定性が高い18×20のラケットなら、ボールスピードはしっかり出せます(高くなければ18×20でも出せない)。逆に、繊細なコントロールは、18×20などコントロール性の高いラケットの方ムラが少ないのでしやすいです。また安定感も高いので、定常的にボールスピードを出せます。ただ、体力的にはピュアドライブなど飛ぶラケットの方が楽です。メンタルはコントロールモデルのほうがいいかもしれませんけど。
結局どうやって選べばいいのか
反発モデルを選んでもコントロールモデルを選んでも出せるボールスピードが同じなら、一体どんな基準で選べばいいか余計に分かりにくくなってしまったと思います。
正直言って試打してみなければ分からないです。個々のフィーリングもありますし、製造上の誤差もあります。重さが±7g・バランスが±7㎜・フレックス(ラケットのしなり)が±3・スイングウェイトが下限から上限までが10以上の差があるため、二回り(ピュアドライブがスイングウェイト320でブレード18×20が334)くらい違うこともあります。
また、ガットとの相性もあります。「飛ばないガットを張った場合は使えないが、標準的な飛びのガットなら使える」という場合もあります。個人的には18×20のラケットにハイパーGを張ると飛ばなくて使えませんが、ホークタッチなど飛んでコントロール性が高いものなら、めちゃくちゃ使いやすいラケットになります。
(ハイパーG:弾き感が飛んでいるように錯覚させるが実際は控えめな飛び。ホークタッチ:弾き感の少なさと丸型ではトップクラスのスピン量がある(球足が短い)ため飛んでいないように錯覚させる(実際はブラストと同じくらい)。)
そこで一番の基準は 「プレースタイル」と 「何を求めるか」で考えてみてください。
プレースタイル
テニスラケットで一番重要なのはプレースタイルです。スピン・フラットドライブ・安定・丁寧&一発・一発・技術・サーブなどのどこに特化するかです。逆にコントロール性の良くないスピン系ラケットでフラットドライブを打っても、ボールは伸びにくいですしミスもしやすくなります。
スピン:これは単純にナダルです。スピンを多くかけることでバウンド後に身長くらいまで跳ね相手のミスを誘います。クレーやハードコートで効果的です。また左利きのプレーイヤーがするとかなり効果が高いです。ナダルも実際は右利きです。テニスだけ左です。ただ、スピン系ラケットは振り抜きがあまり良くないので片手バックの方にはおすすめしません。ピュアアエロの圧倒的なスピン量を活かすと攻撃力が高いです。ただ、スピン系のラケットはフラットドライブのコントロール性はあまり良くないです。上級者の場合ラリーが続きやすいです。
フラットドライブ:大多数がこのプレースタイルだと思います。コントロールが良いラケットほど、定常的にボールが滑ってくるように伸びますのでおすすめです。逆にコントロールが低めの反発系のラケットは、伸びにくいです。飛ばないラケットでもフラットスイングなので、水平方向のボールスピードは落ちにくいのと、バウンド時の摩擦量が少ない影響です。比較的ラリー時間は短いです。
安定:フラットドライブと共にここも重要な人が多いと思います。黄金スペックのラケットは一般的にスイートエリア(飛び)が広いとされていますが、コントロール面のスイートエリアは、コントロールモデルのラケットの方が広いです。ブレード18×20・グラビティPRO・プロスタッフRF97・TF40 305だったりが総合的な安定性が高いです。また、ディフェンスの安定感は振り抜きやすさも必要なので、TF40 305・スピードMP・ピュアストライク16×19・ラジカルMPなどがいいです。
丁寧&一発:どちらかというとピュアドライブやエクストリームなど高反発系でコントロールがあまり良くないモデルが多いです。丁寧につないで、「しっかり打てる」と思ったら強打していくスタイルです。あとウルトラツアー95も振り抜きを良くするため縦長のラケットになっていて、その結果ボールスピード一番は出るのだけどコントロールは犠牲になっています。このスタイルはハイライトだけ見るとめちゃくちゃうまく見えます(他のラケットに比べて)。ラリー時間は長めです。
一発:キリオスやブラウンなどのプレースタイルです。ラケットは比較的いろいろです。スピードPROを選ぶ場合もありますし、EZONEを選んでる場合もあります。18×20のラケットの方が安定はしやすいです。ラリー時間はかなり短いです。
技術:フェデラーのようなネオバックハンドや最近のジョコビッチやナダルのように絶対的な技術の場合、比較的コントロール性の高いラケットです。ナダルはスピンモデルでコントロールが悪そうですが、振り抜きは良くないはずなのにスイングウェイトがジョコビッチ(95インチ)よりも大きいです。TF40 305がスイングウェイトが320半ばの割に、飛んでくれる上コントロール性も高いです。
サーブ:サーブ特化型の場合、スピード重視ならピュアドライブなどの反発系ラケット、精度&回転重視なら、TF40 305やプロスタッフRF97がおすすめです。
何を求めるか
何を求めるかは、ラケットの色やデザインでもいいですし、得意な分野を活かす選び方でもいいですし、苦手な分野を補う選び方でもいいです。
サーブの速度なら高反発ラケット・精度ならコントロール系ラケット、ディフェンス力だったら、安定感高めの振り抜きやすいラケット、スピンによる攻撃力だったらスピン系ラケット、ミスしない安定感が欲しければスピンが多めのラケット、コントロールの安定感が欲しければコントロール系ラケットなどで選んでみてください。勝てるか勝てないかは別として楽さを求めるなら、高反発系ラケットです。
勝ちを求めるなら、試合をしてみて「どういったボールが飛んできているか」相手に確認してください。自分が楽でいいように思えても、相手にとって打ちやすいボールが飛んで行っている場合も多いです。
おすすめラケット
ピュアアエロ
スピンによる攻撃力が欲しければ、一番最初におすすめするのがピュアアエロです。他のラケットを圧倒するスピン量を持っています。ただフラットの振り抜きは良くない(スイングウェイトは324だが)ので、片手バックの方にはVCORE98をお勧めします。また、ストリングの動き量は多いので、打感が硬いとかではなく伸び量の少ないストリングをお勧めします。ルキシロンのオリジナル【インプレを見る】は、ナダルが使いたかったものですのでおすすめです。
ピュアドライブ
100インチ・300g・26㎜のラケットの中で最高反発のラケットです。反発力と楽さはチート級です。2021年モデルは前作と比べコントロール性が上がった代わりにスピン量は減りました。インスティンクトのようなフラット系ラケットです。勝てるか勝てないかはまた別の話ですが、とにかく楽です(スイングウェイトも320ですし)。両手フォア&両手バックの方は、安定感はあるもののボールスピードが出にくいのでピュアドライブが一番お勧めです。一般ユーザーは、ボールの伸びというよりは初速の速さを出していくプレイヤーがいいかもしれません。ルキシロンのオリジナル【インプレを見る】が少し多く飛んでくれて、スピン量も多いのでお勧めです。
EZONE100
2021年モデルのピュアドライブよりは飛ばないですが2018年モデルと同等の飛びです。目立った特徴はないが、ピュアドラのような球離れの速さがなく、高反発のラケットの中で汎用的に使いやすいラケット。
スピードmp
個人的には扱いやすさに対しパフォーマンスが高いチートラケットの1つです。スイングウェイト自体は少し重く(328)なりますが、フレームの空気抵抗が少なく(100インチだが23㎜)、相殺されています。反発もピュアドライブ2018年モデルより飛ぶという人も複数いる上、コントロール性もストリングが16×19の割には高いです。主婦層の女性でも中上級男性に打ち負けないくらいのポテンシャルを出せています(ナイロン切れない人とハイパーG【インプレを見る】張ってる人)。WTAでも比較的多くの選手が使っています。
ピュアストライク16×19
こちらもスピード同様高反発でありながらコントロール性も高めなラケット。98インチ・21-23-21㎜のおかげでかなり振り抜きがいいです(スイングウェイトは327だが)。初心者の片手バックの方におすすめです。
TF40 305
こちらも扱いやすさに対するパフォーマンスが高いチートラケットの一種です。18×20のラケットなのですが、グロメットホールが広く思いのほかスピンがかかります。だからと言ってコントロール性が低いわけではありません。スイングウェイトも326のため振り抜きにくくはないです。305gで325㎜と若干トップヘビーな感じがありますが、それがコントロールに貢献してます。ネガティブなところがない高性能な超万能ラケットです。少しきついボールや高く跳ねたボールなどしっかり打っていけるのがコントロール性の高い方18×20(ブレード・グラビティ―も)のラケットの良いところです。逆にコントロール性の低いモデルは、普段練習で打ってない(打つ回数が少ない)高いボールなどをあまり強打できません。
プロスタッフ97
ピュアドライブよりスピン量があるのに、下手な18×20のラケットよりコントロール性の高いラケット。スピンとコントロール性・振り抜きの両立を求めてる方におすすめです。このくらいのコントロール性があると、ほぼフラットで打てるのでボールが伸びやすいです。ただノーマル状態の飛びはブレード18×20位です。 振り抜きが良い(97インチな上、スイングウェイトが321と軽い)ので、少し荷重して安定感やコントロール・反発性を上げることもできます。
グラビティプロ
全ラケットの中でトップクラスのコントロール性・安定性を誇ります。18×20のラケットの中ではありえないくらいスピンがかかります。副作用として振り抜きは少し良くない(スイングウェイトが332)です。このラケットで「飛びすぎ・コントロールできない」というのは、技術でしか補えません。
ブレード18×20
トップクラスの安定感・コントロール性を誇ります。チチパスが実際に使っているラケットでもあり、WTA選手もV7モデルから使い始めています。スイングウェイトが334とグラビティより重いですが、振り抜きが良いのはブレードです。
詳しくは以下のリンク先の比較表をご覧ください!反発はもちろん・コントロール・安定性・操作性・打感の柔らかさ・打感・トップスピン・スライスなど各項目のスコアをまとめてあります。