ウィルソン(Wilson)のテニスラケットの特徴は、良くも悪くも「革新的」ということです。一例として、プロスタッフなどについている「PWS(周辺加重機構)」というコントロール性を上げる技術や、ウルトラやウルトラツアー95についている「クラッシュゾーン」という方いフレームでも打感が柔らかくなる技術、ブレードについている「縦しなり」と呼ばれる(通常は横)スピンをかけるためのしなりなどがあります。
一応確認ですが、高反発でも低コントロールのラケットはボールを打つ時により多くの余力が必要です。一方、低反発でも高コントロール・高安定性のラケットは、余力が少なくてもコントロールが乱れにくい(高反発モデルの余力が4(10の内)必要に対し、高コントロールモデルは2等で良い)ため、出せるボールスピードはそこまで変わりません。
※ 性能スコアは、tennis warehouseさん(海外のショップ)のインプレスコアを記載しています。ちなみに、tennis warehouseさんは、だいたいメーカー公表スペック付近のラケットをピックアップし、3人~6人位のレビュー点数の平均スコアで示しています。1人のインプレより正確性は高いかなと思います。
※スイングウェイト&フレックス(RA)は、tennis warehouseさんの実測値です。またフレックスは、ガットを張った前後で変わる場合も多いです。 また、ラケットの個体差もあり確実に数値通りにならないのも事実です。
ウルトラシリーズ(反発系)
ウルトラシリーズは、ウィルソンでは「高反発系ラケット」のカテゴリーとなっています。しかし、ストリング間隔が狭いことや、スイングウェイトが「ピュアドライブ」や「EZONE」などと比べ少ないことで、反発はそこまで強くありません。
※スコアは、スイングウェイトが320を切っているラケットはインプレされないため、ありません。
ミニオンコラボモデルがあったりもします。
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
100 | 300 | 320 | 312 | 16×19 | 24.5-26-23.5mm | 73 |
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バーンシリーズ(スピン系)
バーンは「エスラケ(Sラケ(スピンのS))」と呼ばれ、通常のラケットのストリング本数が16×19本なのですが、18×16本となっています。ストリングの横の本数が少ないと、ストリング同士の摩擦が少なく、非常にストリングが動きやすいため、えげつない量のスピンをかけることができます(スピンがかかりにくいストリングでも)。また、横のストリング本数が少ない影響で、反発も上がり、打感も柔らかくなります。ただ、ボールの滑ってくるような伸びだったり、安定感の低さ(ムラの少なさ)がデメリットとなるため、特に男性が使う場合は、高反発ラケットのように「丁寧に打つ必要がある」ラケットです。ただ、バウンド後の跳ねる高さが非常に高いため、相手にとって非常に嫌なボール(攻撃力のある)になります。
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
100 | 300 | 320 | 326 | 18×16 | 23.5-25-23.5mm | 72 |
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ブレードシリーズ(コントロール系)
※前作のラケットの性能スコアです。後ほど更新します。
ブレード16×19
ストリングが18×20本のモデルと比べ、16×19本の方がスイングウェイトが少なく「飛ばない」というレビューが海外では一般的です。ただ、18×20の方はスイングウェイトが重くある程度の筋力が必要です。また、操作性が16×19の方が悪い理由については、コントロール性からしっかりスイートスポットに当てなければいけないため悪く感じたのかもしれません。
・打感は柔らかいので、柔らかい打感が好きな方は使ってみてください。
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
98 | 305 | 320 | 328 | 16×19 | 21-21-21mm | 62 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
83 | 81 | 80 | 83 | 79 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
77 | 82 | 78 | 78 | 86 | 82 | 82 | 79 |
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ブレード18×20
ストリング本数が18×20本の中で一番安定感(ムラの少なさ)重視のラケットです。(ピュアスト18×20やプレステージプロ(18×20)は一発の攻撃力重視(安定感が少し低い)です。ストリングが18×20本のラケットは比較的衝撃吸収性が高く怪我をしにくいです。
・とにかく安定感(ショットのムラの少なさ)が欲しい方に一番お勧めです。
・しっかりスイングしたい方にもおすすめです。
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
98 | 305 | 320 | 334 | 18×20 | 21-21-21mm | 62 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
85 | 86 | 87 | 81 | 82 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
79 | 89 | 79 | 90 | 86 | 88 | 80 | 88 |
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ブレード100
性能スコア(インプレスコア)はないのですが、反発はプロスタッフ97(79点)位(V7.0)だと思います。女性も比較的使っているコントロール系ラケットでもありますが、主婦層の女性で週1プレイヤーにとっては、アルパワー(ポリ)[レビューを見る]やエックスワンバイフェイズ(ナイロン)などの高反発ストリングを選んだほうが良いと思います。
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プロスタッフ(コントロール系)
プロスタッフ97(315g)
「PWS(周辺加重機構)」 のおかげで、ストリング本数が16×19本のラケットの中で一番コントロール性が高いラケット(一般モデル)となっています。また、静止重量が315gと比較的重めのラケットに思えますが、スイングウェイトが321とピュアドライブ(320)並な上フレーム厚が薄いため振り抜きが非常に良好です。ほとんどの方が「重さの割には振り抜きやすい」と言う感想です。ただちょっと飛ばないというか、スイングスピードに対する飛びが弱く(人が出せるのはスイング力)、空気抵抗の割合が多くなってしまうため、筋力がある方は、RF97か荷重をお勧めします。
・コントロール性の高いストリングが16×19本のラケットが欲しい方におすすめです。
・ボックス形状のプロスタッフ特有の打感の良さ(クリアさ)が欲しい方におすすめです。
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
97 | 315 | 310 | 321 | 16×19 | 21.5-21.5-21.5mm | 66 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
85 | 83 | 84 | 82 | 83 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
79 | 87 | 85 | 83 | 86 | 86 | 84 | 85 |
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プロスタッフRF97
プロスタッフのフェデラーモデルです。「PWS」の影響もあり安定感が非常に高いです。具体的に言うと、コントロールのスイートエリア(スイング向きやラケットのどこで打ったかなど)が広いというか、高反発ラケットは1のミスをすると5倍や10倍の影響がボールに出ますが、安定感が高いと1のミスが1倍や2倍程度しか影響がないです。簡単に言うと、「少しミスしても失点するリスクが比較的低い」ということです。試合の終わりまでしっかり振れるだけの筋力があれば、めちゃくちゃパフォーマンスが高いラケットです。プロスタッフ特有の打感もいいですしね。
・しっかり筋力がある方で、高安定感のラケットが欲しい方におすすめです。
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
97 | 340 | 305 | 335 | 16×19 | 21.5-21.5-21.5mm | 68 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
88 | 85 | 88 | 88 | 83 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
86 | 88 | 78 | 92 | 80 | 89 | 78 | 90 |
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クラッシュシリーズ(しなり系)
※クラッシュのインプレスコアは整合性が取れていない感じがしますので、ご注意ください。
クラッシュ100
フレックスが55とプレステージよりしなるラケットです。しかし、ラケットの歪み(しなりではなく)が小さく意外と高反発。しかし、大きなスイートエリアがある反面、極端に外すと飛ばないと言われてます。
・とにかくラケットのしなりが欲しい方におすすめです。
・衝撃吸収性が非常に良いので、怪我をしている方や怪我をしやすい方におすすめです。
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
100 | 295 | 310 | 312 | 16×19 | 24-24-24mm | 55 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
87 | 85 | 80 | 83 | 86 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
83 | 88 | 90 | 83 | 90 | 87 | 84 | 87 |
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クラッシュ98
こちらも、クラッシュ100と同様です。
・とにかくラケットのしなりが欲しい方におすすめです。
・衝撃吸収性が非常に良いので、怪我をしている方や怪我をしやすい方におすすめです。
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
98 | 310 | 306 | 326 | 16×19 | 23.5-23.5-23.5mm | 55 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
87 | 86 | 81 | 85 | 84 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
87 | 80 | 82 | 82 | 86 | 82 | 86 | 81 |
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ウルトラツアーシリーズ(伸び系)
ウルトラツアー95
ウルトラツアー95は「錦織圭モデル」となっています。非常に縦長のラケットのため、「ボールの伸び(滑ってくるような)」が全ラケットの中で一番出し易いラケットだと思っています。コントロール性のスコアが低いのは操作性の影響が多いかもしれません。打感の硬さですが、横のストリングの全長(一本当たり)が短い分、伸び量が少ないので、ドフラットで打った時は硬く感じるかもしれません。
・筋力のある方で、とにかく「ボールの伸び重視」という方におすすめです。
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
95 | 309 | 325 | 339 | 16×20 | 22-22-22mm | 69 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
79 | 81 | 81 | 85 | 80 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
86 | 80 | 73 | 85 | 71 | 76 | 81 | 83 |
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まとめ
・高反発モデルが良ければウルトラ100
・しなるラケットが良ければブレード16×19、ブレード100、クラッシュ
・とにかくスピンが欲しければバーン100S
・ストリングが18×20本の高コントロール&高安定性のラケットが良ければブレード18×20
・高コントロールで振り抜きの良いラケットが良ければプロスタッフ97
・筋力があり、コントロール性&最強安定性が欲しければプロスタッフRF97
・一発のボールの伸びが欲しければウルトラツアー95
がおすすめです。
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