TF40(305)辛口インプレ パーフェクト18×20ラケット

TF40(305)辛口インプレ パーフェクト18×20ラケット

2021年6月20日 0 投稿者: gura

 テクニファイバーから40周年記念として販売されているTF40 305というラケット。ストリングが18×20本で重量が305gでバランスが325㎜となっており、「扱いにくいかな?ハードなのかな?」と思ってしまいますが、意外や意外!どの18×20のラケットよりも扱いやすく、コントロール性もかなり高いです。

 ストリングは、ヘッドの「ポリメガフォース(1.24㎜)[インプレを見る]」を47lb、ルキシロンの「オリジナル(1.30㎜)[インプレを見る]」を47-45lbと50-50lbなどを張りました。





 スペック

フェイス面積98in
重量305g
バランス325㎜
スイングウェイト326
ストリング18×20本
ストリング間隔(とは?)1マス:10.5×10.2㎜
全体:25.9×19.55㎝
5×5:9.2×10.4本
フレーム厚21.7-21.7-21.7㎜
フレーム正面厚13.0-12.3-10.8㎜(実測)
フレックス(RA)64

 
 フレーム断面は、フープ部がラウンド形状とボックス形状のちょうど中間です。スロート部分はほんの少し膨らんでいますが、ほぼボックス形状です。

 グロメットは基本的に空気抵抗を抑えるためにフレーム部分(カーボン)から出さないのが今の主流ですがTF40は1.7㎜程度出ています。また、グロメットホールが、2.5㎜位とスピンラケット並に大きのも特徴の一つです(ブレード18×20も広い)。


 インプレ

 打感

 打感は、「ここまで柔らかくしなくて良いのでは?」と思ってしまうほど、非常に柔らかいです。打感が柔らかいからと言ってホールド時間が異常に長いとかは一切ないです。フレームのしなりは、しならなすぎず・しなりすぎずです。本当に、すごすぎる衝撃吸収性能です。どんなに衝撃吸収性が悪いストリングでも使えそうです。衝撃吸収性は良いですが、ストリングのたわみ量の少なさから「打感が硬い」と判断する方もいます。

 フレーム付近で打ってしまった時、手がしびれたり・手首に激痛が走ったりしますが、TF40は、ほとんどありませんでした。

 学生など、毎日など多くテニスをする方にとって、テニス肘などの怪我の防止になると思います。

 打感のクリアさも結構あります。ストリングのたわみ感がはっきりわかります。逆にプレステージPROのようにほぼ完全ボックスでしなりが大きいラケットではないため、ボールが「ぐにょっ」と潰れている感覚は、そこまで多くありません。

 反発

 反発に関しては、ストリングが18×20本の中ではトップクラスだと思います。

 ピュアストライク18×20、ブレード100・98・18×20、プロスタッフ97(315g)、インスティンクト(グラフィンタッチ)(振り抜きは良いがほんとに飛ばなかった)などより飛びます。EZONE98と同じくらいの飛びです(スイングウェイトが軽いため飛ばない)。日本で(公式に)売られているストリングが18×20の中でかなり飛ぶ方です。

 ちなみに、このラケットは、一般的に言う低反発ラケットですが、コントロール性が非常に高く、ボールを打つ時、黄金スペック(高反発)のラケットより残しておかないといけない余力がかなり少なくて良いため(高反発ラケットは4必要なのに対しTF40は2で良かったりする)、しっかりボールスピードはしっかりでます。リターンや相手からのボールが速い場合は、間違いなくTF40 305の方がボールスピードが出せました。
 ※ピュアドラ2018とグラビティプロ(18×20本)を持った男子学生も、グラビティプロの方が、ボールスピード&精度&伸びのすべての点で誰でも分かる位上回っていました。したがって「高反発=ボールスピードが出る」ではないです。

 ※日本ではストリングの弾き感で飛びを判断する方が多く、ストリングのたわみ量が多くて、その後戻る感覚も強いこと(ピュアドライブなど)を「飛ぶ」と判断し、反対の場合(特に18×20本のラケット)は「飛ばない」と判断する方が多いです。しかし、実際は弾き感が弱くてもホールド時間が長いため(力が伝わっている時間が長い)、ボールスピードは出ています。「ハイパーG(ガット)」がいい例で、弾き感が強いため「標準の飛び」とレビューしている方が多いですが、ホールド時間が短いため、実際は反発性は弱めで、ボールスピードはあまり出ないです。


 コントロール

 一つ目の肝がコントロールです。ストリングが18×20本のラケットのため、面ブレを起こす原因のスナップバック量が小さく、コントロールが乱れにくいです。したがって、狙う的が高反発ラケットより小さくて問題ないため、ラインぎりぎりや、カウンターショットなどが非常に打ちやすいです。高反発ラケットでは打てないようなショットを、連発して打てます。

 TF40 305は、バランスが325㎜と一見ラケットが勝手に走り扱いにくそう(一般的なイメージ)に感じてしまいますが、この5㎜が肝で、これが面ブレを抑制する役割を果たしているのだと思います。グロメットの出っ張っている部分の重量がその一部でもあると思います。その結果スイングウェイトが326でも、高いコントロール性&安定性が出ているのだと思います。少しセンターを外して打ってしまっても、変なところに飛んで行くことは少ないです。

 スピン

 スピン量は、少なめです。多くはかからないけど、かからないことはないです。ストリングが18×20のラケットにしては、ストリング間隔が広かったり・グロメットホールが大きかったりするため、かかります(ブレード18×20やスピードプロなどと比べると)。インスティンクトやピュアドライブ(2021)・ブレード100などが比較的スピンが控えめですが、そんな感じだと思います。

 スピン量が少ない分、スピンがかかりがかかりすぎてボールの伸びがなくなることはないです。スピンが少なくてもコントロール性が高いので、大丈夫だったりします。

 どうしてもスピン量が欲しい場合は、プロはみんなやっている「わざとオフセンターショットをしてスピン量を増やすテクニック」を使うことで補うことができます。これができれば、フラットが打ちやすいセッティングにしておいて、アングルショットなどスピンが欲しい時にこれを使うと、全体的に攻撃力が高くなります。
「アルパワー」「アルパワーラフ」「4gラフ」「RPMブラスト」「ハイパーG」などスピン量が少し多めのストリングもおすすめです。

 スピンが多いラケットが良ければ・グラビティプロです。


 振り抜き

 まず、ストリングが18×20のラケットにしては、振り抜きが良いです。基本的にコントロール性の高いラケットは、「コントロール性を上げるため」&「反発力を増やすため」スイングウェイトが重い(ブレードやピュアストは330半ば)ですが、TF40 305は320半ば(ピュアストライク16×19やスピードMPより軽い)のため、振り遅れることが少ないです。グリップ部を持った時の静止重量的には少し重く感じるかもしれません。ブレードみたいに空気抵抗が大きいラケットヘッドのフレームの正面厚が厚くないですし、グラビティのように横長ラケット特有の空気抵抗による振り抜きにくさもないです。(振り抜きは、スイングウェイト&空気抵抗で決まる)

 また先ほど、反発の項目でEZONE98と比べましたが、振り抜きは、EZONE98の方がスイングウェイトが317位のため、確かに軽さがあります。ただ、TF40 305の方はコントロール性&安定性が高いがために、少しど真ん中を外しても問題はないので、個人的にですがTF40 305の方が「楽」でした。ライジングもTF40はしっかり打てますし。

 バランスが325㎜で「ラケットが勝手に走ってしまうのでは?」と思う方がいると思うのですが、ウルトラツアー95のようにラケットフェイス面積が小さく“縦長”でスイングウェイトが340位のラケットではないので、そこまで勝手に走ってしまう感はありません。




 ショット別

ストローク

 コントロール性の高さ&安定性の高さから、狙う的が小さくても良いため、ラインぎりぎりとか、ネットギリギリとか、高反発ラケットではやりにくいショットがバンバン打てます。

 ボールスピードも、高反発ラケットより余力が少なくても問題ないため、同じ位は間違いなく出せます(ポリユーザーは特に)。逆に、リターンや相手からのボールスピードが速い場合は、TF40の方がボールスピード&精度が出しやすいです。

 攻撃力に関しても、スピンによるバウンドの打ちにくさは意図的にしないと出にくいですが、ボールの深さだったり・コースだったり・滑ってくるような伸びだったりと、しっかりあります。

 スライスに関しては、面ブレが少ないため、低軌道の滑ってくるスライスが非常に打ちやすいです。

 ライジングも、振り抜きが悪くないのにコントロール性が高いため、しっかり振っていけます。「ライジングで打つ!」と迷わないで決められれば、下がって打つ必要は非常に少ないです。

ボレー

 完全にセンターで打たないと面ブレを起こしますが、このブレ量が少ないです。したがってコントロールが良くしやすいです。

 オリジナルを張っていた時のボレーは本当にしやすかったです。オリジナルは、たわみ量&伸び量が少ない割にホールド時間が少し長いです。なおかつ少し高めの反発です。したがって、タッチショットもしやすかったですし、飛んでくれるのでコントロールに意識を向けることができアングルボレーもやりやすかったです。

サーブ

 サーブに関しては、コントロールが高めである程度飛ぶため、良いと思います。コースギリギリを安定して狙えます。

 比較インプレ

 随時更新していきます。




 使ってほしい人

 絶対的なコントロール性が欲しい方、18×20のラケットに初めて挑戦したい方、バコバコ打っていきたい方におすすめです。

 スイングウェイトが比較的軽いので、女性も使うメリットがある思います。グラフィンタッチ時代のインスティンクトと比べると結構飛びますし。(弾き感はインスティンクトの方が強いが、この時代のインスティンクトは飛ばなかった)ブレード100とか98とかを使えているなら、全然使えると思います。女子学生は、「アルパワー」や「アルパワーラフ」とかを張って使ってもらいたいです。WTA選手もブレードの18×20のラケットを使っている選手も多いですし

 男子学生にはほんとにおすすめです。20代~40代男性でも、絶対的なコントロール性を求める方におすすめです。打ちやすさ的には、シグナムプロの「ポリメガフォース(1.24㎜)」を47lb~50lbだと思います。とにかくバコりたいたい方は「4gラフ」や「ハイパーG[レビューを見る]」を張ると良いと思います。スピンが少ない場合は、縦(メイン)のテンションを2~3lb上げると結構かかってくれます。

 勝つために本気の人

 本気で全国を狙う学生や実業団選手には、これにアルパワーラフ×ナチュラルを張ってもらいたいです。

 日本では「ピュアドライブ最強説」がありますが、高反発ラケットはコントロール性が低いため、「筋力がないなら飛ぶラケットを使えば勝てる」ということにはならなりません。それだったら、コントロール性の高いラケット(低反発)に、コントロール性&反発性が強いストリングを張ったほうが良いと思います。もちろん自身が求めるプレースタイルに合わなければパフォーマンスが出ませんが。

 また、アルパワーやアルパワーラフ(ルキシロン)単張りや、ホーク(ヘッド)単張りもおすすめです。

 セッティング

 ルキシロンのオリジナル(1.30㎜)[インプレを見る]を47-45lb(スピン量を多くするために-2lbにした)で張ってみたら、かなり引っかかりました。スピンが少し控えめなラケットなのに、「スピンすごすぎ」と言われる始末です。ちょっと引っかかりが強かったので、50-50lbでも張ってみましたが、結構いい感じです。えげつないアングルショットも打てましたし、オリジナルはスピンが多いストリングなのにフラットドライブが安定しやすいストリングなので、フラットドライブも安定しました。

 シグナムプロのプラズマヘキストリームピュア(1.25)[インプレを見る]を50-50lbで張りました。六角形のポリストリングです。恐ろしいくらいリターンが安定しました。スイングスピードを上げてもミスをほとんどしないので、リターンの球速がえげつないです。下手すればスイング9割&余力1割とかで打てます。リターンエースを量産できます。プラズマヘキストリームピュアは異常なくらいコントロールが良いストリングなため、多角形特有のボールの伸びの少なさはありますが、常にベースラインぎりぎりに打てたり、えげつないアングルショットを打てたりしました。逆に言えばネットとボールのクリアランスを多く取れるストリングなので、ミスが少なくなります。

 シグナムプロのポリメガフォース(1.24㎜)[インプレを見る]を47-47lbで張りました。スピンが少なめのポリですが、フラットドライブのコントロール性の高さ(打ちやすさはもちろん、スピンをかけた時とかけなかった時の差が小さい(ショットの意図から外れにくい))からショットが安定し、しっかりスピンもかけることができました。リターンの球速がかなり速いです。(メドベージェフ(レザーコード)やシャポバロフ(ポリツアーストライク)のようなセッティング)

 ただ今、試行錯誤中です。




 まとめ

 TF40 305は、振り抜きやすさここまであるのに、トップクラスの反発性・高めのコントロール性&安定性・打感の柔らかさなど高次元で高性能なラケットです。

 初めてのストリングが18×20本のラケットにもおすすめです。これを使ってみて、振り抜きが悪くても、よりコントロール性が欲しければカスタムするか、ブレードやグラビティ、一発の攻撃力が欲しければプレステージやピュアストライクに移行するのもいいと思います。

 個人的に、より使いやすさを出すために、「コントロール性&安定性を上げるカスタム」「操作性を上げるカスタム」をしました。ジョコビッチや大坂なおみ選手らがやっている、わざわざ軽量のラケットを作ってもらい、その後加重する手法です。こうしたほうが、重量に対するパフォーマンスが高く、ショットの安定感を生み出せます。TF40 305はスイングウェイトと静止重量が軽いためカスタムしても振り抜きが辛くなりにくいため、パフォーマンスを上げやすいです。詳しくは以下をご覧ください。

※TF40は、305g325㎜と315g310㎜がありますが、単純計算するとラケットヘッド側の総重量が305gの方が多く、315gの方が少ないです。したがって、315gの方がトップライトだからと言って選んでも、同じようなインプレにはなりません。したがって305gを買いカスタムした方がパフォーマンスは高いです。


※アイキャッチ画像は、[KPI]様より引用