プリンスのラケットは、良くも悪くも「特殊」なラケットが多いです。「特殊」と聞くと、少し敬遠される方もいるでしょうけど、扱いやすいものもしっかりあるため、敬遠する必要はありません。
一応確認ですが、高反発でも低コントロールのラケットはボールを打つ時により多くの余力が必要です。一方、低反発でも高コントロール・高安定性のラケットは、余力が少なくてもコントロールが乱れにくい(高反発モデルの余力が4(10の内)必要に対し、高コントロールモデルは2等で良い)ため、出せるボールスピードはそこまで変わりません。
※ 性能スコアは、tennis warehouseさん(海外のショップ)のインプレスコアを記載しています。ちなみに、tennis warehouseさんは、だいたいメーカー公表スペック付近のラケットをピックアップし、3人~6人位のレビュー点数の平均スコアで示しています。1人のインプレより正確性は高いかなと思います。
※スイングウェイト&フレックス(RA)は、tennis warehouseさんの実測値です。またフレックスは、ガットを張った前後で変わる場合も多いです。 また、ラケットの個体差もあり確実に数値通りにならないのも事実です。
※プリンスのラケットは、海外と日本国内で販売されているラケットが違ったり、tenniswarehouseさんが新しいモデルをインプレしていなかったりするため、紹介できる数が少ないです。申し訳ございません。
TOURシリーズ(準コントロール系)
TOUR100 310(緑)
他社を含めた全ラケットの中でもトップクラスに扱いやすいラケットの部類に入ります。反発やコントロール性・安定性の面で飛び抜けた高い性能はない反面、操作性や打感の柔らかさなどを含めてもどこも劣らず、高次元で両立されているラケットだからです。コントロール性と安定性が85点ずつと両立されたラケットは、ストリングが16×19本の中では、ほぼありません。操作性が86点と高めのため(ピュアドラ300が85)、女性でも週1以上やれている方は310でも比較的問題はないと思います。操作性の指標の一つでもある重量×バランスポイントが、310g×310㎜=96100で、黄金スペックの96000とほぼ変わりありませんから。
・扱いやすく高性能のラケットを求めている方におすすめです。
・打感が柔らかい高性能のラケットを求めている方におすすめです。
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
100 | 310 | 310 | 327 | 16×18 | 22-23-20mm | 66 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
87 | 89 | 85 | 84 | 86 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
85 | 85 | 86 | 85 | 87 | 86 | 87 | 85 |
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TOUR100 290(緑)
TOUR100の、重量が290g・バランスが325㎜のモデルとなります(他は一緒)。290gと20gも軽くなっていますが、スイングウェイトが324と3しか変わらないで、スイングウェイト的な振り抜きはそこまで変わらないです。290gのモデルを買い、操作性を上げるカスタム&コントロール性・安定性を上げるカスタムをしても良いかもしれません。これは、ジョコビッチがやっている手法で、特注ラケットでもわざわざ軽いラケットを作らせ、カスタムした方が性能が高くなるからです(ジョコビッチが最強な理由は最強な理由は、ラケットのスペックと重りにありを参照)
「イガ・シフィオンテク(ポーランド)」選手(WTA)ですが、TOUR100 290を使って、全仏オープン(グランドスラム)を、 ラケットのスポンサー契約なしで・10代で(23年ぶり)・ノーシード(史上2人目)で優勝したという偉業を成し遂げました。それだけ、折り紙付きのラケットです。
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TOUR95(緑)
95インチラケットは、しっかり筋力がある方でないと、飛ばなくて少し難しいです。リターンの場合、球速が速かったり、変化量が大きかったりするため、ブロックリターンをすることが多いと思いますが、TOUR95は飛ばないのでしっかり振っていく必要があります。逆にボレーは、勝手に飛んで行ってしまわないので、ローボレーやドロップボレー等、高度なボレーが打ちやすいです。ただ、ブロックボレーは高反発の方がしやすいと思います。
・「反発なんぞ要らない」という方におすすめのラケットです。
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
95 | 310 | 310 | 325 | 16×19 | 22-22-19mm | 64 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
82 | 82 | 86 | 85 | 78 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
71 | 85 | 82 | 84 | 87 | 84 | 80 | 84 |
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ファントムグラファイトシリーズ(コントロール系)
ファントムグラファイト107
コントロール面の得点が低い理由は、「打ち上げ角の高さが高すぎる」からみたいです。簡単に言えば、打つ時のフェイスの向きより上に飛んで行ってしまうということです。フレームが薄い分他のラケットと同じような感覚で打つと、そうなってしまうみたいです。打感の柔らかさ(衝撃吸収性の良さ)はベストです。
・とにかく打感の柔らかさが欲しい方におすすめです。
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
107 | 305 | 310 | 319 | 16×19 | 21.5-20-17.5mm | 63 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
84 | 82 | 82 | 81 | 83 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
84 | 78 | 85 | 82 | 90 | 86 | 87 | 86 |
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ファントムグラファイト100
通常コントロール性の高いラケットは反発性やコントロール性を確保するために、スイングウェイトや静止重量が重くなりますが、このラケットのスイングウェイトは318とピュアドライブの320より少ないです。また、静止重量は310gと少し重そうですが、310g×310㎜=96100(重量×バランスポイント(操作性の一つの指標))と、ピュアドライブの96000とほぼ変わりありません。性能レビューでは、デメリットはほぼ反発性だけで、コントロール性・スピン量・打感の良さなどの高評価が目立ちます。コントロール性&安定性を上げるカスタムをすることで、コントロール性や安定性はもちろん、反発も上がるので、扱いやすいラケットになると思います。とにかく打感のクリアさ(中心で打った時は「中心で打ったよ」という情報が手に伝わり、少し外して打つと「少し外したよ」という情報が伝わる感覚&ボールの潰れている感覚)はピカイチです。高反発ラケットのように、「どこで打ったか分からない」「打感が軽い(衝撃吸収性は別の話)」ということは一切ないです。
・打感の良さ(クリアさ)を求めている方に、トップクラスでおすすめのラケットです。
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
100 | 310 | 310 | 318 | 16×18 | 21.5-20-17.5mm | 59 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
82 | 82 | 86 | 82 | 82 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
75 | 85 | 86 | 85 | 89 | 88 | 88 | 86 |
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まとめ
扱いやすさとコントロール性&安定性が欲しければTOUR100
反発が欲しくないならTOUR95
打感の良さ(クリアさ)と柔らかさが欲しければ、ファントムグラファイト100
がおすすめです。
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