カスタムすることで性能が化ける おすすめテニスラケット
2022年1月21日このページでは、性能は高いがどこか欠点があるラケットや、高性能だけどカスタムできる余地がありより高性能にできるラケットを紹介します。
ちなみに、カスタムの重要性ですが、ジョコビッチ[ラケットのスペックを解説]や大坂なおみ選手らは特注でラケットを作ってもらえる選手でもありますが、わざわざ軽いラケットを作らせて、重りテープを貼り適正重量のラケットにしています。意図的な位置に意図的な荷重をすることによって、オフセンターショット時の面ブレ抑制や、強打した時の安定性、より精度の高いコントロール性などを高めることができ、ミス数の減少や、滑ってくるようなボールの伸びがあるショット、ダウンザラインなど、攻撃力が高くなります。
カスタム方法と重要性
カスタム方法は大まかに、「コントロール性・安定性を上げるカスタム」と「操作性を上げるカスタム」があります。
「操作性を上げるカスタム」は、言葉の通り、ラケットの操作性を上げて重いラケットでも使いやすいようにするカスタムです。オフセンターショットの低減効果があります。また、ボレーが非常にしやすくなります。
一方「コントロール性・安定性を上げるカスタム」は、ラケットの面ブレを抑制する効果があり、コントロール性の向上や、オフセンターショット時のコントロールの乱れ&飛ばなさの改善(スイートエリアの拡大化)がされます。また副産物として反発性のUP&MAXのボールスピードのUP&ボールの伸びUPと操作性の悪化があります。正直1gの荷重だけでも効果があります。2g荷重すれば多くの人が「何か良い感じ」という評価で、繊細な人は「全然違う」と評価するほどです。
基本的には「操作性を上げるカスタム」は7g程度、「コントロール性・安定性を上げるカスタム」は2g程度荷重してみることをお勧めしています。
※詳しくは以下の「カスタムして分かったテニスラケットの重量カスタムの重要性」をご覧ください。
おすすめラケット
※性能スコアは、tennis warehouseさんが公表しているスコアです。
スピードMP
まず、スピードMPです。反発力が強めなラケットの中(飛ぶ黄金スペックのラケットは87~88点)ではコントロール性&安定性が85点と、ストリングが16×19本の一般的なラケットの中で、かなり高い性能となっています。ストリング間隔が高反発ラケットより狭めなので、わずかなミスが10ではなく20・30と出る高反発ラケットのような扱いにくさがありません。中級の女性が多く使っているイメージのあるラケットですが、パフォーマンス全般がかなり高く、男性にも打ち負けていません。少しスイングウェイトが重く振り抜きにくそうですが、フレームの正面厚が薄いため、85点とピュアドライブ並になります。
また、スピン系プレイヤーも、ナダルが現行のピュアアエロを使わず「アエロプロドライブ2005」を使っているようにコントロール性もあったほうがフラットドライブの伸びや球速が出るため、スピン量が多めのスピードMP(通常は多くて86点)にルキシロンの「オリジナル[レビューを見る]」を張るのも結構良いと思います。
スピードMP(G360+) |
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
---|---|---|---|---|---|---|
100 | 300 | 320 | 328 | 16×19 | 23-23-23mm | 64 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
---|---|---|---|---|
87 | 88 | 85 | 84 | 88 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
87 | 85 | 85 | 85 | 84 | 86 | 88 | 86 |
カスタムに関して、元々スイングウェイトが328あるためフレームの正面厚が少し薄いとはいえ少しタフです。MPを使うなら「操作性を上げるカスタム」をするとタフなスイングウェイトの割に扱いやすくなります。その後問題なければ「コントロール性&安定性を上げるカスタム」をするのがおすすめです。また軽量モデルのスピードMP Liteに計4g~5g(3時&9時の位置)位貼るとスイングウェイトがMPモデル位になり、面ブレを抑制する荷重もノーマルのMPより大きくなります。学生や20代男性なら、2g以上(3時&9時の位置)貼っても良いかもしれません。
グラビティMP
WTAツアー24勝(打ちグランドスラム3勝)している、バーティ選手が使用しているラケットです。スピードMPと比べ、スイングウェイトが低いことから、飛び・安定性・コントロール性が低めです。ただ操作性が良いため多くのカスタムができ、よりパフォーマンスが上げられます。また、横長のラケットのため荷重に対する効果が非常に高いのも特徴です。
グラビティMP() |
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
---|---|---|---|---|---|---|
100 | 295 | 325 | 323 | 16×20 | 22-22-22mm | 62 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
---|---|---|---|---|
83 | 85 | 83 | 82 | 83 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
79 | 82 | 87 | 79 | 82 | 84 | 86 | 81 |
カスタムに関して、3時&9時の位置に1g貼るとスピードMP位になります。ただ、総重量が軽い分「操作性を上げるカスタム」がしやすいため、意外と多く貼っても大丈夫かもしれません。一番のおすすめは、MPLite(285g・325㎜)に、3時&9時の位置に計6gを貼ることです。(元々スイングウェイトが303しかないみたいです)
プロスタッフ97(315g)V13
基本的にテニスラケットは、コントロール性を求めているラケットほど面ブレの抑制や飛びの向上のためにスイングウェイトが多くなっていますが、このプロスタッフは、ピュアドライブより1しか多くなっていません。したがって、反発係数[反発係数とは]が低く頑張って振らないと飛ばないラケットのため、少し荷重してあげたほうが安定性も高くなるため扱いやすいです。裏を返せば飛びの強いストリングを張れば筋力が少なくても使えるというメリットでもありますが。
プロスタッフはストリングが16×19本の中で、トップクラスのコントロール性があります。高反発ラケットは「完璧なスイングを求められる」のですが、コントロール性の高いラケットはミスが大きく出ないため、コースギリギリを狙えるメリットがあります。また、ボックス形状特有の打感の気持ち良さ(クリアさ)があります。
プロスタッフ97(V13) |
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
---|---|---|---|---|---|---|
97 | 315 | 310 | 321 | 16×19 | 21.5-21.5-21.5mm | 66 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
---|---|---|---|---|
85 | 83 | 84 | 82 | 83 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
79 | 87 | 85 | 83 | 86 | 86 | 84 | 85 |
カスタムですが、飛びと安定性が欲しいため、基本的には3時9時の位置に計2~3gと、操作性を上げるカスタムですかね。スイングウェイトが330~335位になりますが、元々振り抜きは良いので、使いやすいと思います。
TF40 305
あまり有名ではないですが、テクニファイバーから40周年記念で発売された、隠れた?名器です。ストリングが18×20本のラケットなのですが、スイングウェイトが326と軽く、振り抜きやすいです。他メーカーもスイングウェイトが軽いラケットがありますが、コントロール性や安定性・反発力などが欠けているというか低かったりしますが、TF40 305はそれがありません。また、カスタムしなくても面ブレを抑制する荷重が、18×20本のラケットの中ではトップクラスに多いです。
TF40 305 |
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
---|---|---|---|---|---|---|
98 | 305 | 325 | 326 | 18×20 | 21.7-21.7-21.7mm | 64 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
---|---|---|---|---|
88 | 88 | 85 | 87 | 89 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
81 | 88 | 82 | 87 | 88 | 89 | 83 | 88 |
個人的にやったのはグリップエンドに15g(操作性を上げるカスタム)を貼り、3時&9時側に計2g(コントロール性&安定性を上げるカスタム)貼りました。正直荷重すると操作性が落ちるのが普通ですが、意図的な位置に意図的な荷重ができたため、81点のままでカスタムができました。正確に言うと、水平の振りはスイングウェイトが上がった分落ちたのですが、垂直の振りが圧倒的にしやすくなりました。また、コントロール性&安定性が上がった分、タイミングをしっかり測って打つ必要がそこまでない(迷わず振れる)というのも理由かもしれませんが。
実際のカスタムの結果ですが、MAXのボールスピードが上がります。連続2回くらいしか打てないショットも、5,6回連続で打てるようになりました。必死に振らなくて良いため余裕も出ました。高反発ラケットではアレーコート分(1.37m)の広さの的が必要なショットでも(相手からのボールが少し速い)、カスタム後のTF40 305は、30㎝以内で全然いけます。セッティングの問題もありますが、このカスタム後のラケットを使ったら他のラケットが使えなくなるくらい、高性能です。メンタル的にも楽ですし。本当に高反発ラケットが難しくなります。
まとめ
このページでは代表的なラケットを出しました。他のラケットも考慮したい場合、スイングウェイトが大きすぎない・静止重量が重すぎないラケットを選べばカスタムしてパフォーマンスの高いラケットが使えると思います。