ガットが18×20本の中でも高性能なおすすめラケット(性能スコア付き)
2022年1月31日 前書き
出せるボールスピード
ストリングが18×20本のラケットは、基本的に高コントロール・高安定性です。したがって、高反発ラケットより残しておく必要のある余力が少ないため、低反発でも、高反発ラケット並のボールスピードを出すことも可能です。もっと言えば、リターンや相手からのボールスピードが速い場合は、高コントロール&高安定性のラケットの方が出し易かったりします。
ただ、日本ではストリングの弾き感の強さを「飛びが強い」と判断する方が一定数おり、その場合は飛ばないと感じます。しかし実際は、ストリングの弾き感は弱いですが、ホールド時間がしっかりある(力の伝わっている時間が長い)ため、しっかりボールスピードが出せます。証拠として男子学生がピュアドライブとグラビティプロを持っていたのですが、グラビティプロの方が「球速」「精度」「伸び」すべての点で(誰でも分かる位)優っていました。
※ストリングが18×20本のラケットでも、面ブレを抑制する荷重が少なかったり、反発力がコントロール性の割に極端に悪かったりするラケットもあり、その場合はボールスピードが出せなかったり、博打みたいなショットが多くなってしまったりしますので注意が必要です。あくまで、反発力とコントロール性と安定性が両立している場合のみです。
18×20本のラケットを使うメリット・デメリット
メリットは、「繊細なコントロールができる」「安定しやすい」「カウンターショットが打ちやすい」「ショットに攻撃力が出せる」「衝撃吸収性が良い(ストリングのたわみ量とは別)」ことです。
フェデラーのような完璧なコントロール性や、ジョコビッチのような安定感を出すためには、ストリング(本体・テンション)もそうですが、ラケットも、コントロール性と安定性の高さは絶対に必須です。低コントロール性・低安定性(高反発系)のラケットはストリングで調整したとしても、ショットのばらつきが多いです。
デメリットは、「ラケットが重くなるため操作性の悪化(※)」「1ショット当たりの体力消耗量の増加(攻撃力があるためラリーが短くなれ”ば”同じ位?)」「サーブの低速化(サーブはストロークほどラケットのコントロール性が影響しないため)」です。
※ラケットが重いと操作性は悪化しますが、コントロール性&安定性が高ければ、少し外してもコントロールが乱れにくいがゆえに、迷わず振れるため、振り遅れにはなりにくいです。特に片手バックは、両手バックより打点が前のため、タイミングを計る時間が短く、オフセンターショットをしやすいです。片手バックの方は、フェデラーのように「安定性」が高いラケットを使った方が、ミスショットが減ると思います。
以下のリンク先で詳しく解説しているので、もしよければご覧ください。
おすすめラケット
性能スコアは、tennis warehouseさんのレビュースコアです。若干はラケットの個体差があります。
ウィルソン ブレード18×20(V7) (高安定性)
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
---|---|---|---|---|---|---|
98 | 305 | 320 | 334 | 18×20 | 21-21-21mm | 62 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
---|---|---|---|---|
85 | 86 | 87 | 81 | 82 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
79 | 89 | 79 | 90 | 86 | 88 | 80 | 88 |
まず、安定感重視なら、ブレードV7です。後継機としてV8が出てますが、スイングウェイトが軽くなった分操作性が良くなりましたが、反発性や安定性が少し落ちてしまいました。
ウィルソン ブレード18×20(V8)
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
---|---|---|---|---|---|---|
98 | 305 | 320 | 327 | 18×20 | 21-21-21mm | 60 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
---|---|---|---|---|
85 | 85 | 84 | 82 | 84 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
76 | 89 | 81 | 85 | 88 | 84 | 78 | 85 |
ブレードのV8のデザインが良ければ「コントロール性&安定性を上げるカスタム」を計1.5g位すると同じ感じの性能スペックになると思います。
ヘッド グラビティプロ (最強コントロール)
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
---|---|---|---|---|---|---|
100 | 315 | 315 | 332 | 18×20 | 20-20-20mm | 62 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
---|---|---|---|---|
87 | 87 | 86 | 84 | 85 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
81 | 90 | 78 | 88 | 89 | 87 | 86 | 84 |
ストリングが18×20本のラケットの中で、スピン量が多いラケット(唯一無二?)です。スピン量が多いおかげで、足元にスピンをかけて落としたり、アングルショットがしやすかったりします(コントロール性が高い一因)。
フラットドライブが安定しやすいスピン量の少なめの「ポリメガフォース[レビューを見る]」や「ポリツアーストライク」を張ってもしっかりスピン量が確保できます(安定したコントロールがしやすい)。
逆に、「RPMブラスト(1.30㎜[レビューを見る])」や「アルパワー[レビューを見る]」「アルパワーラフ[レビューを見る]」「4gラフ」などスピン量の多いストリングを張れば、スピンによる攻撃力(バウンド時に変化する打ちにくさ)も・フラットドライブの攻撃力(滑ってくるような伸び)も高いラケットになります。
テクニファイバー TF40 305 (扱いやすさNO1)
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
---|---|---|---|---|---|---|
98 | 305 | 325 | 326 | 18×20 | 21.7-21.7-21.7mm | 64 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
---|---|---|---|---|
88 | 88 | 85 | 87 | 89 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
81 | 88 | 82 | 87 | 88 | 89 | 83 | 88 |
ブレードのスイングウェイトが330半ば、グラビティプロが329と軽めですが横長の完全ボックスフレームのため、振り抜きが少しきつめです。しかし、TF40 305はスイングウェイトが326(スピードMPでさえ327)なので、振り遅れにくいです。またボックスとラウンドの中間の形状なので、完全ボックス形状のラケットより、水平方向のスイングスピードが遅くなりにくいです。
スイングウェイトが軽いのに高コントロール&高安定性と非常に高パフォーマンスです。
バランスポイントが325㎜という点がネックに思われがちですが、これがコントロール性と安定性を出しています。気になるようであれば「操作性を上げるカスタム」を行ってください。
また、ジョコビッチや大坂なおみ選手らは、わざわざ軽いラケットをメーカーに作ってもらって、わざわざ重りテープ(コントロール性・安定性を上げるカスタム)をつけています。そのほうが、意図した場所に意図した荷重を置くことができるため、面ブレの抑制効果や操作性の向上効果が非常に高く、よりパフォーマンスが高くなるからです。
TF40 305は、18×20本のラケットの中でスイングウェイトが軽い(かつパフォーマンスが高い)ラケットなので、より多く加重できるためパフォーマンスの最大値はかなり高くなります(カスタムの重要性)。
ちなみにブレードもそうですが、スピン量が多くないので(スナップバック量が少ない分、面ブレがしにくいメリットがある)、スナップバック力が小さくてもスピンがかかりやすい「アルパワー(1.25㎜)[レビューを見る]」「アルパワーラフ(1.25㎜)[レビューを見る]」「4gラフ」「RPMブラスト(1.30㎜)[レビューを見る] 」「ハイパーG(1.25㎜)[レビューを見る]」などを張ると良いです。
※性能スコアは前作です。
ストリング
ラケット選びも重要ですが、ストリング選びも非常に重要です。だいたいラケットとストリング比で50:50と言われています。
正直、ストリング選びは難しいです。「フラットドライブが安定するもの・しないもの」、「スピンが勝手にかかってしまうもの・フラットとスピンが打ち分けられるもの」、「たわみ量が少ないのに衝撃吸収性の良いもの・たわみ量が多いのに衝撃吸収性が悪いもの」・「距離の一致度が高いもの・低いもの(コントロール性)」などと、反発・コントロール・スピン・打感の柔らかさ・テンション維持(コントロール性の維持)だけでは、表せません。
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