絶対乱れない!コントロール・安定性が最強のおすすめラケット(性能スコア付)
2022年1月12日テニスラケットは「飛ばない=コントロール性が良い」ではありません。「ある程度飛ぶラケットでもコントロール性が高いもの」もありますし、「飛ばないのにコントロール性安定性が低いもの」もあります。何が言いたいかというと、「反発」と「コントロール」は“まったく別もの”ということです。「飛びすぎだから飛ばないラケットを選ぶ」というのは「コントロール性が悪い」ということを直接言うとメーカーに迷惑がかかるため、「飛びすぎ」と良く見えるように表現しただけで、試合で勝つためには分けて考える必要があります。このページでは、コントロール性と安定性が最強なおすすめのラケット(高反発ラケットより、”絶対的”にコントロール性が高くショットが乱れない、ラケット)を紹介します。
まえがき(反発・コントロール・安定性)
日本では「ピュアドライブ最強説」や「筋力の弱い日本人は飛ぶラケットを使いべき」などと、高反発ラケットを推奨されることが多いです。また、「高反発ラケットは楽でいい」とも言われています。
しかし、これは、好みの問題で問題ないかもしれませんが、間違った知識でもあります。
高反発ラケット・高コントロールラケットのメリット・デメリット
高反発ラケットは、高反発の反面、コントロール性が悪いです。一方、低反発のラケットは、反発性が弱い反面コントロール性が高いです。ただ、「高反発性=低コントロール」「低反発=高コントロール」とはならず、反発性が低くてもコントロール性が悪いラケットもあります。
では、コントロール性とはですが、言葉の通り「狙った所にボールを飛ばせるか」です。高反発ラケットの場合、高コントロール性のラケットに比べ、ボールの落下点のブレ幅が大きくなります。いわゆる「ダウンザライン」呼ばれるラインぎりぎりのショットを打てるのが高コントロールラケットで、高反発ラケットの場合はブレ幅が大きいため、ギリギリを狙うのはリスキーなため、少しラインから余裕を持ったところしか狙えないです。もちろん高反発を生かして丁寧に打てば(自身に余裕がある時)、ある程度はカバーできますが、絶対的な精度は高コントロール性ラケットです。
次に安定性ですが、相手からのボールが速い場合や、バウンド時に変化する場合は、どうしてもオフセンターショットをしてしまったりします。特にシングルスの場合、走りながら打つこともあるため、よりひどくなります。そこで安定性が高いラケットを選ぶことによって、外した時にミス(失点)になりにくいです。
次にスイートエリアですが、「高反発ラケットの方が広く、外しても飛んで行ってくれる」と言われていますが、確かに、飛び面で言えば、飛んで行ってくれます(スイートエリアが広い)。ただ、外した時のコントロールのムラの少なさは圧倒的に高安定性のラケットです(コントロールとは別)。高安定性のラケットの方が、失点になりにくいです。 縦長のラケット(プレステージや旧作のVCORE PROなど)は、3時&9時側の荷重の位置が近い影響(遠い・重い方が面ブレを抑える)で、横側のオフセンターショットをしてしまうと飛ばなくなりやすいです。
次にボールスピードですが、ストロークの場合、低反発でも、高コントロールなら、残しておく余力が少なくて良い(10の内高反発ラケットの場合は「余力が4・スイングスピードに6」必要なのに対し、高コントロールなら「余力が2・スイングスピードに8」で良い)ため、出せるボールスピードはそこまで変わりません(本当にボールスピードが出るラケットとはを参照)。ガットが18×20本のピュアストライクを使っているティエム(1番ウィナー速度ランキングに載っている選手でもある)や、95インチのVCORE95を使っているシャポバロフのストロークスピードが、ピュアアエロを使っているジャック・ソックと同じ位なのが証拠です。また、ナダルも現行のピュアアエロを使っているわけではなく、少しコントロール性が高め(同じ16×19本でもストリング間隔が細かい)「アエロプロドライブ」を使っていたりします。ただ、高コントロールラケットは重くなる傾向があるため注意が必要で(すべてではない)、逆に言えば、振り抜きが問題なければボールスピードがしっかり出せます。 サーブに関しては、高反発ラケットの方がボールスピードが出ます。
最後に「高反発ラケット=楽」かですが、高反発ラケットはショットを打つ際多く余力が必要なため、一発の体力消耗力が少なく楽です。初心者の場合はとにかくミスしなければ勝てるので、高反発ラケットでつないで行ったほうが、得点しやすいと思います。一方上級者になればなるほどミスをしないのは当たり前で、ボールの攻撃力(コース・変化・伸び)が必要なため、ある程度高コントロール&高安定性の方がきついショットを打てるのでラリー回数が少なかったりします(全体の体力消耗は抑えられる)。メンタル的に楽なのは高安定性&高コントロール性のラケットです。
※同じガットを使った場合です。ガットや張るテンションによってある程度は調整できます。
おすすめラケット
ウィルソン ブレード18×20 V7
良くも悪くも技術的な癖はありますが、スペックやショットの癖の少なさで選ぶなら、ブレード18×20(V7)です。スイングウェイトが330半ばと少し重いので、一般的に20代や30代前半の男性向けです。
V8の新作も出ましたがスイングウェイトが327しかない影響か、反発が76点・安定性が85点まで低下してしまいました(個体差の場合もあり)。したがって、V8は「カスタムすることで性能が飛び抜けるラケット」になります(※のちに作成します)。
フラットドライブの打ちやすさならシグナムプロの「ポリメガフォース(1.24)[レビューを見る]」、スピンとフラットの攻撃力なら「RPMブラスト(1.30)[レビューを見る]」、安定感重視なら「アルパワー(1.25)[レビューを見る]」、攻撃力が欲しいなら「アルパワーラフ(1.25)[レビューを見る]」、伸び重視なら高反発でスピン量の少ない「ホーク」などがおすすめです。バコりたい方はチチパスのように、低反発&高コントロールの「4G」で。
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
---|---|---|---|---|---|---|
98 | 305 | 320 | 334 | 18×20 | 21-21-21mm | 62 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
---|---|---|---|---|
85 | 86 | 87 | 81 | 82 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
79 | 89 | 79 | 90 | 86 | 88 | 80 | 88 |
ウィルソン プロスタッフRF97 V13.0
ストリングが16×19本の市販ラケットで、唯一(と言って良いほど)コントロール性と安定性(全ラケットの中で最強)が高いラケットです。反発性も86点と、飛びが強めの黄金スペックの87~88点に近い反発です。 プロスタッフ特有の打感の良さ(クリアさ)も評価が高い一因です。 ただ、スイングウェイトが330半ばな上、静止重量も340gあるため、一般的に男子学生や20代男性向きかもしれません。海外では一般女性も使っていたりするので、筋トレをしっかりしている方なら、使える場合もあります。
スピン量が少ないラケットのため、少しスピン量が多いストリングを選らび、少ないスナップバック量(多いと面ブレの原因)でもスピンがかかるセッティングにした方が、高パフォーマンスになります。「アルパワーラフ(1.25)」や「アルパワー(1.25)」「4gラフ」・「RPMブラスト(1.30)」などがおすすめです。逆にスピンが少ない「ホーク(高反発)」を選ぶことによって、低軌道で打てるため、ボールの滑ってくるような伸びがかなり出せます(低軌道のため丁寧に打つ必要がありストロークの球速は出しにくい)。
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
---|---|---|---|---|---|---|
97 | 340 | 305 | 335 | 16×19 | 21.5-21.5-21.5mm | 68 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
---|---|---|---|---|
88 | 85 | 88 | 88 | 83 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
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86 | 88 | 78 | 92 | 80 | 89 | 78 | 90 |
ヘッド グラビティプロ
グラビティプロは、100インチかつ横長のフェイスにし、3時&9時側の荷重を遠く配置している為、コントロール性が最強ラケットになっています。ただ、横長のフレームは空気抵抗が大きくなりやすく、スイングウェイトが332しかないのに、振り抜き(操作性)が78点と(ピュアドライブが85点(スイングウェイト320))、少し低めです。したがって、プロスタッフ同様、学生や20代男性向きとなっています。
高コントロール・安定性のラケットにしてはスピン量が86点(一般的にスピンがかかるラケットと同じ)と唯一無二のラケットとなっています。したがって、フラットドライブが安定するセッティングがおすすめです。単張りの場合は、フラットドライブの打ちやすさ重視ならシグナムプロの「ポリメガフォース(1.24)」・安定感重視なら「アルパワー(1.25)」・フラットドライブの打ちやすさ&衝撃吸収性の良さ重視なら「アイスコード(1.30)」がおすすめです。ハイブリッドの場合は、クロス(横)に「アルパワーラフ」(又はナチュラル)を入れることでフラットで打った時の安定感&ボールの伸びが出し易くなります。メイン(縦)は、「ホークタッチ(高コントロール)」・「アルパワー(ラフなし)(1.25)(高安定性)」などがおすすめです。
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
---|---|---|---|---|---|---|
100 | 315 | 315 | 332 | 18×20 | 20-20-20mm | 62 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
---|---|---|---|---|
87 | 87 | 86 | 84 | 85 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
81 | 90 | 78 | 88 | 89 | 87 | 86 | 84 |
“一番おすすめ” テクニファイバー TF40 305 (旧作のスコアですが新作もよさそうです)
一般的にストリング本数が多いラケットは、スイングウェイト(スイングウェイトとは)が330半ばで、振り抜きがつらかったり(振り遅れなど)、スイングウェイトが軽くてもどこか欠点があったりしますが、TF40 305は、スイングウェイトが326と、スピードMPより少ないため、振り抜きにくさは少ないです。ただ、バランスが325㎜なので、 片手バックの方は「操作性を上げるカスタム」をした方が使いやすいかもしれません。トップヘビーのラケットは「ラケットが勝手に走って操作性が悪い」と言われることも多いですが、TF40はスイングウェイトがウルトラツアー(340)のように重くないですし、縦長のフレームでもないので、勝手に走る感覚はほぼないです。 (※TF40 315は静止重量こそ多くなっていますが、ヘッド側の重量が少なく、反発・コントロール・安定性が305より低いです。) TF40 305は、男子学生や20代男性はもちろん、30代40代男性や、女子学生にもおすすめできるラケットです。特に女子学生にはアルパワーやアルパワーラフを使って試合に挑んでもらいたいです。打ちにくい(相手からの)ロブもしっかり振っていけます。
セッティングはブレード同様、フラットドライブの打ちやすさならシグナムプロの「ポリメガフォース(1.24)」、スピンとフラットの攻撃力なら「RPMブラスト(1.30)」、安定感重視なら「アルパワー(1.25)」、安定感+攻撃力も欲しいなら「アルパワーラフ(1.25)」、伸び重視なら高反発でスピン量の少ない「ホーク」などがおすすめです。
面積 | 重量 | バランス | スイングウェイト | ストリング | フレーム厚 | フレックス |
---|---|---|---|---|---|---|
98 | 305 | 325 | 326 | 18×20 | 21.7-21.7-21.7mm | 64 |
総合 | ストローク | ボレー | サーブ | リターン |
---|---|---|---|---|
88 | 88 | 85 | 87 | 89 |
反発 | コントロール | 操作性 | 安定性 | 打感柔らかさ | フィーリング | トップスピン | スライス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
81 | 88 | 82 | 87 | 88 | 89 | 83 | 88 |
まとめ
コントロール&安定性最強ラケットを4つ紹介しましたが、コントロール性の高いラケットはスイングウェイトや静止重量が重く、学生・選手以外のの女性や少し年齢の高い男性にはきつさがあるかもしれません。そういう方は、以下の「扱いやすいフラットドライブ(系・向け)が安定するおすすめテニスラケット」をご覧ください。