片手バック&両手バックハンドが振り遅れる場合の対処法

片手バック&両手バックハンドが振り遅れる場合の対処法

2022年3月15日 0 投稿者: gura

 片手バックや両手バックハンドで、振り遅れたり・振りが速すぎたり・打点が詰まったり、スイングのタイミングがずれる場合の対処法を紹介します。


 振り遅れの原因別対処法1

 タイミングを計りすぎ(グリップの握り)

 一番多いのが、両手バックハンドの場合左手が不器用でオフセンターショットをしてしまうため、よりタイミングを計ろうとして振り遅れる片手バックハンドの場合も「打ち負ける(オフセンターショットによって面がブレる)ため、しっかりセンターで打とうとタイミングを計った結果振り遅れるです。

 また、両手バックハンドはラケットのヘッドスピードが上がらないため、ボールスピードが出にくいです。そこでボールスピードをだそうと、思いっきりスイングした結果オフセンターショットになってしまうためコントロールが乱れます。そこで「タイミングをしっかり計った結果振り遅れる」という理由もあります。

 対処法としては「グリップを強く握る」と振り遅れを軽減できます。

 理由としては、グリップを強く握るほど、オフセンターショットをした時の面ブレが少なくなるため、タイミングをしっかり計らなくても良いためです。

 一般的に、テニススクールやネット(サイトやyoutubeなど)では、「グリップを強く握らない方が良い」と言われていますが、正解でも不正解でもあります。

 簡単に説明すると、「グリップに油など滑るものを塗った状態でボールを打つことができるか」をイメージしてもらえれば分かると思います。ど真ん中で打ってもスナップバックによってラケットの下側が押されるため、ドフラットでど真ん中で打たないと不可能です。

 ただ、握力や腕などに意識が行きすぎている場合、他のこと(ボールとの距離感や相手のポジションなど)への意識がおろそかになってしまうため、「グリップを強く握らない方が良い」というのは正解でもあるわけです。いわゆる「脱力ができてない」ということになります。


 ではどうするか。「少ない意識で少し強めにグリップを握ることが大切」です。最初は難しいと思うので、「高いボールの時だけ」だったり、「ほんのわずかに強く握って、徐々に強く握っていく」などを行ってみてください。テニスコーチの少し強めに握っていることが多いです(元々握力も鍛えられていますし)。

 そうすることで、振り遅れが軽減できるだけではなく、安定感の向上やコントロール性の向上だけではなく、“同じスイングスピード”なのに球速も上がるというメリットも出てきます。

 また、(摩耗していない)高摩擦のグリップテープを使ったり、レザーグリップを使ったりすると、面ブレを抑制できるので、こちらも振り遅れ防止・コントロール性&安定性の向上・ボールスピードの向上効果があります。正直、かなり重要なラケットパーツで、ラケット本体より重要だったりします。


 タイミングを計りすぎ(ラケットのセッティング)

 まずラケットですが、コントロール性が、スピン系ラケット>反発系ラケット>準コントロール系ラケット>コントロール系ラケットです。つまり飛ぶラケットはコントロール性が低いのです。

 意外と黄金スペックと呼ばれる高反発ラケットは、コントロールへの意識が多く必要でボールスピードはそこまで出せません。また、コントロールへの意識の強さが振り遅れに繋がります。逆にコントロール系ラケットは、コントロールへの意識が少なくて良く、その意識をスイングスピードに転換できるため、意外とボールスピードが出せます。

 したがって、少しコントロール性の高いラケットを使うことによって、コントロールへの意識を少なくできるため振り遅れにくくなります。

 ATPでもWTAでもピュアドライブが最強ではないのがその証拠です。「一番速いストローク」のランキングに多く出てくるティエムはピュアストライク18×20ですし。


 また、ストリング&セッティングを変えることでも振り遅れを防止できます。

 例えば「伸び量の多いストリングを10lbで張ったラケットの場合」ラケットのコントロール性が非常に悪いので、タイミングを計りすぎてしまいます。もちろんそうなると振り遅れやすいです。

 したがって、日本では「ローテンションで張ることがステータス」みたいな風潮はありますが、1.25㎜のストリングの場合45lb以上で張ったほうが良いと思っています。特にポリでピュアアエロやエクストリーム等ストリング間隔が粗いラケットの場合はなおさらです。

 あとはスピンをしっかりかけられないセッティングの場合は、「スピンをかけることに意識が行きすぎて振り遅れやすい」です。高テンションはもちろんですが、ローテンションでもスピン量が少なくなります(しっかり振れないため)。一番スピンをかけられるのは、47~55lb(ナイロンが切れる方)だと思います。

 もちろんストリング自体の違いや、スピンのかかりにくいウィルソンのブレードや、ストリングが18×20本のラケット、95インチ以下のラケットなどの例外はありますが。

 正直、ラケットは高反発&低コントロール・低反発&高コントロールなので(例外たくさんあり)、ボールスピードは補えますが、ストリングそうではないため、ラケット選びより重要だったりします。


 振り遅れの原因別対処法2

 ラケットが重すぎor軽すぎ

 ラケットが重すぎの場合振り遅れることは容易に分かると思います。

 逆に、ラケットが軽すぎの場合は、ボールを飛ばすための荷重(スイングウェイト)が少なかったり、面ブレを抑制する荷重が少なかったりします。したがって軽いラケットは、ボールスピードを上げるためにスイングスピードを上げないといけないのに、少しでもセンターを外すとミスショットになりやすいのです。その結果タイミングを計りすぎて振り遅れます。

 女性などは、270gや260gなど軽量ラケットを使うことも多いですが、個人的にはあまり推奨できないです。ラケットは、285g以上がおすすめです。最初は重いかもしれませんが、慣れてきます。中級などとなると、300gを使っている30代女性が結構いますし、男性にも打ち負けないくらいのパフォーマンスがです。

 男性も、学生で300g&スイングウェイトが320(ピュアドライブ)などの、軽いラケットだと、意外とボールスピードが出てきません。すこし、加重(コントロール&安定性を上げるカスタム)をしてあげたほうが、ボールスピードが出せます。30代や40代程度なら、少し重いラケットを使う手も良いと思います。


 意識が適切に分配されていない

 足への意識が多ければ、腕やボールとの距離感への意識が減るため、振り遅れやすいです。

 他の所への意識でも同じで、特定のカ所への意識を多くすると、その他の場所への意識がおろそかになります(振り遅れる原因)。一般的に「力み」と言われることが多いです。つまり意識を適度に分配しないといけないのです。

 これは個人によって様々なので、一概に言えませんが、ボールの飛びを強くしたほうが良ければ270gなどの軽量ラケットを使わないこと、オフセンターショットをしてしまうならグリップを強く握ったり、グリップを高摩擦のグリップテープやレザーグリップを中に巻くと改善できます。


 テイクバック

 これも個々それぞれなのですが、テイクバックが大きすぎたり、テイクバックした時の溜めが無かったり、2度引きしたりなどの場合振り遅れやすいです。

 対処法としては、テイクバックを小さくすることと、テイクバックした時に0.数秒溜を作ることです。少しグリップを強く握ってあげればテイクバックを小さくしても面ブレによるエネルギー損失が少ないため、ボールスピードが出せます。

 相手からのボールが速い場合は、必ずテイクバックを小さくする必要があります。逆に遅い場合は、テイクバックを大きくとらないとボールスピードが出せないので、適時使い分けられると理想です。

 

 スイング(片手バック)

 片手バックの方はスイングも重要です。

 どちらかというと、体は回さず腕だけでスイングします。そうすることでオフセンターショットの軽減や、安定感の向上効果があります。ワウリンカは体も回っていますが、フェデラーをはじめ他の選手は、比較的体は打ち終わった後しか回っていません。

 また、手首は固定して、振った後は、体の右側で止めて、振りきらないようにすると、面ブレが抑制できるため、迷わず振れ、結果振り遅れ防止効果があります。

 ちなみに左手は、指先でスロートを掴むべきで、やるかやらないかでは雲泥の差があります。


 まとめ

 振り遅れを防止するうえで一番重要なのが、ラケットの面ブレを抑えることです。そうすることによって、迷わず振れるため、振り遅れにくくなります。

 面ブレの抑制方法は、グリップのグリップ力を強くする(高摩擦のグリップテープやレザーグリップ)ことと、ストリングやラケットをしっかり選ぶ(面ブレを誘発するスナップバック量がすくなこと)ことです。

 一番簡単なのが、少し握力を入れてみることと、グリップテープです。グリップテープが摩耗してたり汗で滑ったりすると、振り遅れやすいのはもちろんですが、ショットが安定しないだけではなく、球速も出ません。試合中数十分しか使わないのに巻き替えるATP選手がいる理由もうなずけます。フェデラー・錦織選手などが、プロオーバーグリップの白(グリップ力がかなり高い(他と比べても))じゃないとだめ、というのも分かります。
※白以外は塗料の影響があるため、白が一番性能が高いと言われている(トーナグリップは除く)(プロはトーナの青紫色以外、ほぼ白色使用)。

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